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クラウドセキュリティ

トピックス 2021.02.19 SaaS時代のセキュリティを担う新鋭企業Oktaの「IDaaS」とは?

ID管理などの情報ガバナンス市場は2024年までに10%以上拡大すると見込まれており、クラウドサービスを活用する企業が増加し各種サービスのID管理が複雑化したことによって同市場は今後10年間でさらなる急成長が期待されています。

そうした情報ガバナンス市場の中で爆発的な成長を遂げているのが「IDaaS(アイダース)」を提供しているOkta(以下、オクタ)です。

オクタの語源は、飛行機のパイロットが雲(クラウド)の量を計る単位として使われる航空用語なのですが、まさにオクタは「クラウド時代」を牽引する存在として高い注目を集めています。

今回はSaaS時代のセキュリティを担う新鋭企業オクタについて解説します。

オクタが提供する「IDaaS」とは?

クラウド時代のIDaaS

IDaaSとは「Identity as a Service」の略称です。IDの管理をクラウドで行うサービスのことを指し、クラウド時代のセキュリティを一挙に担う存在として注目されています。

そもそもIDaaSが注目されるようになった背景にはクラウドサービスの普及が影響しています。

これまで企業のネットワークの内側と外側はファイヤーウォールで区分けされており、ファイヤーウォールの内側は安全だと認識されてきました。

ところが、近年ではクラウドサービスを活用する企業が増え、もともとファイヤーウォールの「内側」にあったデータをクラウドに保存したり、外部の協力企業とクラウド上のリソースを共有したりする機会が増えたことで、管理しなくてはならないIDの数が増加し、管理コストが目立つようになってきました。

こうしたID管理に焦点を当てたソリューションとして誕生したのがIDaaSで、これからのクラウド中心の世界に欠かせない仕組みとして近年注目が集まっています。

最近ではマイクロソフトやIBMなどの大手IT企業によるIDaaS市場の参入が目立つものの、こうしたIT業界の巨人を抑えてIDaaS市場のリーダーに君臨するのがオクタです。

オクタ最大の特徴「SSO(シングルサインオン)」とは?

シングルサインオンの時代

2017年に上場したばかりのオクタは上場直後から投資家から熱い視線を注がれ、現在の時価総額は約3.3兆円にものぼります。同社は近年最も注目を浴びたスタートアップの一つで、ここまで高い注目が集まる理由はそのシンプルさにあります。

一般的にサイバーセキュリティは「専門的でとっつきにくい」イメージがありますが、オクタが提供するサービスは、一つのIDでありとあらゆるサービスにアクセスできるというものです。

この仕組みをSSO(シングルサインオン)と呼びます。

普段使っているSlack、Zoom、G Suiteなどのオンラインサービスをあらかじめオクタと連携しておくことによって、サービスごとにユーザーIDとパスワードを入力する必要がなくなるのです。

オクタにログインして、ポータル画面上で利用したいサービスをクリックすることで、即座にサービスを利用することができます。

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)とIDaaSは切っても切り離せない

DXとIDaaSは二つで一つ

オクタが大きく注目されるキッカケとなったのはコロナ禍でした。世界各国で死者数や失業率がどんどん上がり多くの企業が経営不振に陥る中、オクタの時価総額は急成長したのです。

コロナ禍によって在宅ワークを強いられるようになってからというもの、企業のデジタル活用に拍車がかかり、その過程でID管理の重要性が改めて浮き彫りになりました。

社員がクラウドサービスを活用する機会が増えたことで、誰に、いつ、どのような権限を与えるのか、といったID管理が求められたのです。

コロナ禍によってオクタに大きな注目が集まるようになったのすが、以前から企業のデジタルトランスフォーメーションが進んでいたこともあり、オクタにとって追い風の時代ではあったのです。

デジタルトランスフォーメーションとは、以前ご紹介した通り「デジタル技術を活用して売り上げや利益を伸ばす仕組み作り」を指します。
(参考:今さら聞けないDXとは?DXとデジタル化は似て非なるもの

デジタルトランスフォーメーションに対応できる企業の方が業績が伸ばせる環境になってきたことが広く認識され、多くの企業で様々な取り組みが行われる中、どうしても向き合わなければならないのがサイバーセキュリティです。

全てのアクセスを信用しない「ゼロトラスト」が前提の時代に

あらゆるアクセスを信用しないゼロトラスト

クラウド以前は「社内からのアクセスは安全」だという前提がありました。しかし、クラウド時代には「社内外からアクセスされ、アクセスする人物は必ずしも社内の人間ではない」という問題に向き合わなければなりません。

導入するクラウドサービスの数と、サービスを利用する社員の数が増えれば増えるだけ、ID管理に要する工数は増え、IDマネジメントに対するコストも増えることでしょう。

それに加えて、デジタル化の過渡期にある現在、基幹システムとして社内のレガシーシステムを使用することもあれば、コミュニケーションツールとしてSlackやSalesforceと言ったクラウドサービスを活用するなど、オンプレミスとクラウドの混在環境が増えています。

こうした複雑なIDマネジメントが求められる中、レガシーシステムからプラットフォームまであらゆるサービスを一元的に継ぎ目なく安全にコネクトし、ワンクリックであらゆるサービスを利用できる環境を提供するオクタは、クラウド時代を語る上でなくてはならない存在として今後も認識されていくのでしょう。

【関連リンク】

・時価総額2.9兆円のクラウドセキュリティ企業「Okta」、躍進の理由|Forbes
https://forbesjapan.com/articles/detail/36817/3/1/1

・テレワーク普及で注目必死“クラウド型ID管理”の強力ベンダー、Oktaがいよいよ日本に本格進出か その強みと課題を先取りしよう|ITmedia
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/2006/11/news022_3.html

・10万通りのアカウント権限も一括管理!常識を覆すID管理システム「Okta」とは|SELECK
https://seleck.cc/226

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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