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ステルスマーケティングの問題点

トピックス 2020.11.20 すぐそばにあるステマ。ステルスマーケティングの事例と違法性を解説!

「ステマ」という言葉、時々耳にすることがあるかと思いますが、その詳細な手法やその問題性がなぜ存在するのかを知っていますか?

ステマ(ステルスマーケティング)は宣伝であることを公にせずに宣伝を行うマーケティング手法ですが、海外では違法行為として規制されている国もあり、国内でも各種の規制などに該当する可能性のある行為です。

インターネットと関連が深いため、インターネットの普及に従い多くの事例が確認されていて、特に昨今では炎上にもつながりやすく、ステマを行うことで社会的な信用を著しく損なってしまう可能性も存在します。

今回はステマについて、その概要と事例、利用者として気を付けるべき点を解説していきます。

ステルスマーケティング(ステマ)とは?

ステルスマーケティングとは

ステマ(ステルスマーケティング)とは、宣伝であることを隠して、宣伝でないように見せかけた宣伝行為のことを指します。

ステルスとは「隠密」「こっそり」といった意味の言葉で、戦闘機やミサイルが敵のレーダーに見つかりづらくすることにも使われる言葉です。

マーケティング手法の1つとされていますが、倫理的法的な問題があり、最近ではステルスマーケティングに該当した場合は法的・社会的な処罰が行われることに繋がるようになってきました。

ステルスマーケティングの手法としては大きく次の2つあります。

● 口コミや評判といった第3者による客観的な評価制度を悪用するパターン。金銭の授受を行って第三者的に商品やサービスなどについて良い口コミ、評価をしてもらう行為がこれにあたります。

● 芸能人やインフルエンサーなど社会的影響力を強く持つ人物がSNS等のメディアから、金銭の授受のない第3者を装って商品、サービスなどについて喧伝するパターン。

ひとことで言うと「サクラ」と言えますが、いずれも結果的に利用者や消費者を騙す形になっていることが問題となっています。

過去にあったステマの事例と違法性

ステマのイメージ

それでは、過去にステマが問題となった事例を見ていきましょう。

多くの芸能人が関わっていたこともあり、社会的な注目も大きかったのは2012年にあった「ペニーオークション事件」です。

ペニーオークションとは、入札ごとに手数料が必要となるインターネットオークションで、このサービスを利用して安価に商品を落札して入手できたとする内容を、複数の芸能人がブログ記事として投稿していました。

このブログ記事は「広告(PR)であることは記載されていなかった」「安価な落札も実際には行われていなかった」「複数の投稿者が金銭の授受を認めた」といった点で批判が殺到し、社会的に大きなダメージを受けた芸能人も出ています。

このケースでは、ペニーオークションの運営者は詐欺罪等で逮捕されましたが、ステルスマーケティングを実施したことによる直接的な逮捕者は出ていません。

しかし、実際には購入していないのに購入したと偽って口コミやブログを書く行為は、不当景品類及び不当表示防止法不正競争防止法といった法律に違反する可能性があるため注意が必要です。

また、記憶に新しいところでは2019年12月にあった映画「アナと雪の女王2」に関連するケースも大きな注目を集めました。

こちらはツイッターアカウントを持つ7人の漫画家がほぼ同時に「アナと雪の女王2」に関する好意的な感想をマンガにした投稿を行ったのですが、問題となったのは、その投稿に広告であることが明示されていなかったことです。

SNS等でこれはステマだと話題となり、ディズニー・ジャパンは広告として依頼したがコミュニケーションミスで明示ができなかったと釈明する事態になっています。

ステマの被害に遭わないためにできること

SNSでのステマ被害

ステマに限らずおいしく見える話には、何らかの裏があるものです。

ステマを見抜くコツとしては、有名人やインフルエンサーだからといって無暗に信頼しないこと、同じ商品を複数の人が同時に宣伝していたら怪しむことです。

また、一般的にはダイエットや健康食品、求人・転職などといった紹介報酬が高い製品やサービスを特に根拠もなく褒めちぎっているような場合は、報酬を目当てにしたステマを疑ったほうがいいでしょう。

アマゾンのレビューなどはサクラチェッカーというツールを利用してその信ぴょう性をチェックすることができます。こちらについて詳しくは本サイトの下記記事をご覧ください。

https://securitynews.so-net.ne.jp/topics/sec_20059.html

終わりに

日本ではいまだステマに対して明確に規制している法律がありません。各種の規制による罰則や社会的な制裁はあっても、ステマ自体が廃れることはすぐにはないかもしれません。

ステマは、ユーザ側の立場からはネットリテラシーを高めて、その信ぴょう性を判断することが最大の対応策になります。

インターネットを利用する上では、インターネット上の情報を過度に信用しすぎずに、少し落ち着いて考えることが大切です。

【関連リンク】

・景品表示法関係ガイドライン等(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/

・「『アナと雪の女王2』感想漫画企画」に関するお詫び(ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)
https://www.disney.co.jp/corporate/news/2019/20191205.html

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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