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花粉症と新型コロナウイルスのダブルパンチ。最善の対策を徹底解説。

トピックス 2022.03.18 花粉症と新型コロナウイルスのダブルパンチ。最善の対策を徹底解説。

これから本格的な花粉のシーズン。花粉症の方にはつらい季節です。

そして新型コロナウイルスが流行し続ける中で、両方の心配をしながら過ごす方も多いことでしょう。

鼻水やくしゃみといった症状が新型コロナウイルスだと勘違いされるのではないかと、外出の際に症状が出ることに対する不安がある方や、周囲の目が気になるという花粉症の方は少なくありません。

そして、特に新型コロナウイルスのオミクロン株は鼻水やくしゃみ、のどの症状など、花粉症の症状と似ているため区別が難しく、花粉症の症状なのか、オミクロン株に感染したかどうか分かりにくいのです。

もし新型コロナウイルスに感染したのであれば、周囲への感染拡大や、自身の重症化など、さまざまなリスクも考えられます。

花粉症と新型コロナウイルスの症状や違いについて知ることが重要

では、どのようにして花粉症と新型コロナウイルスの症状を見分け、どのような対策を取ればよいでしょうか。

それは、花粉症と新型コロナウイルスのそれぞれの症状や違いについて知ることが重要。そして、花粉症の時期を乗り越えるために、両方の対策をとる必要があります。

この記事では、花粉症と新型コロナウイルスの症状や対策の違いについて詳しく解説いたします。

新型コロナウイルスと花粉症の症状

新型コロナウイルスと花粉症の症状

新型コロナウイルスと花粉症は、それぞれ症状が似ており、判別が困難です。しかし、異なる症状もあり、また症状の出方に違いがあります。

新型コロナウイルスの症状

新型コロナウイルスは、咳、発熱、倦怠感、嗅覚・味覚障害という症状が代表的。人によっては頭痛、関節痛、吐き気・嘔吐、下痢といった症状も表れます。

そして、オミクロン株には、鼻水、くしゃみ、咽頭痛、発熱、咳、倦怠感といった症状があります。

新型コロナウイルスの初期は発熱や咳など、風邪やインフルエンザと症状が似ていますが、軽い症状であっても、息苦しさや呼吸困難など呼吸器症状が急に悪化したり、肺炎を合併したりすることもあるので、特に高齢者や呼吸器疾患のある方は注意が必要です。

後遺症や重症化のリスクがある人

そして、一部の妊娠後期の方も早産や自身の重症化のリスクが高いといわれています。

場合によっては、咳が長引く、頭痛や嗅覚・味覚障害が残るといった後遺症や、糖尿病などの基礎疾患を悪化させる危険性もあります。

花粉症の症状

花粉症の症状は個人差があり、重症度や症状の出方も人それぞれ違いますが、主に鼻水、鼻づまり、くしゃみ、喉の症状、目のかゆみ、皮膚のかゆみ、倦怠感があります。喉の症状は痛みというより、かゆいようなイガイガ感を訴える方が多いです。

花粉症の症状とオミクロン株の症状は似ていますが、症状の出方に違いがあります。

花粉症というのは、花粉によって粘膜などが刺激され、それを排除しようとする身体のアレルギー反応です。そのため、鼻水や涙、かゆみで花粉を追い出そうとします。

花粉症の症状

花粉症の鼻水は、水のようなサラサラとした透明な鼻水が常に出て来るのに対し、感染症の鼻水は白から黄色っぽい粘稠性の鼻水が出てくるのが特徴です。

また、花粉症で発熱や咳、のどの痛みが見られることは少なく、新型コロナウイルス感染症で目のかゆみが出ることはまれです。ここが新型コロナウイルスと花粉症の違うところ。

また花粉症の症状であれば、屋外に出ている時に強く出るなど、時間、場所や環境によって1日の中で変動がみられることも大きな特徴です。

新型コロナウイルスの対策

新型コロナウイルスの対策

新型コロナウイルスは、症状や重症化のリスクに個人差がありますが、風邪やインフルエンザと同様に、接触または飛沫を介したウイルスによる感染症です。

また、新型コロナウイルスはエアロゾル感染の可能性もあります。エアロゾルとは空気中に漂う微小な固体や液体のことで、換気の悪い室内で感染者がくしゃみや咳をすることで発生。エアロゾルを鼻や口から吸い込み、粘膜からウイルスが入ることでエアロゾル感染が起こります。

ウイルスから身を守るために、マスクの着用、うがい、手洗い、アルコールによる手指消毒の徹底し、不要不急の外出を控え、密接・密閉・密集の三密をつくらないように気をつけることが大事です。

また、エアロゾル感染は換気の悪い室内で起こります。こまめに換気を行い、2方向の窓や出入口を開けて、空気の流れを作り、効果的に換気を行いましょう。

花粉症の対策

コロナ禍の花粉症対策で重要なのは症状を抑えること

コロナ禍の花粉症対策で重要なのは症状を抑えることです。ウイルスがついた手で目や鼻をこすると新型コロナウイルスに感染する危険性もあります。

手や指を清潔に保つようにしましょう。目がかゆくなる人は、目に花粉が入りにくい花粉症用めがねをかけるなど、花粉と新型コロナウイルスの両方から身を守る必要があります。

また、新型コロナウイルスに罹った花粉症の人がくしゃみをすると飛散を周りにまき散らすことになります。症状を抑えることは、周りに新型コロナウイルスを広げないためにも大切なことです。

花粉症の対策としてもう一つ重要なのは、花粉の除去と回避です。花粉の飛散情報をチェックし、飛散が多い時は外出を控えましょう。

花粉の除去と回避

外出をする場合は、帽子、マスク、めがねやゴーグルを着用し、花粉が付着しにくい表面がすべすべした綿、またはポリエステルなどの化学繊維の生地の上着を選ぶとよいです。

外出から帰宅した時は、家に入る前に衣服や髪についた花粉を払い落とし、すぐに着替えて下さい。手洗い、うがい、洗顔をし、できる限り付着した花粉を洗い流します。

洗濯物は部屋干しにし、室内には空気清浄機を設置するなど、できる限り花粉から身を守るようにしましょう。

生活習慣や食生活を見直し、規則正しい生活を心がけることが大切

花粉症になる人は、遺伝的にアレルギー体質であることが主な原因ですが、それ以外にも原因はあります。

それは、現代の食生活や生活環境の変化です。インスタント食品やスナック菓子は和食に比べアレルギー体質になりやすく、自律神経を乱すため、睡眠不足や、不規則な生活、ストレスも花粉症の原因になります。

花粉症の予防や、症状を抑えるためには、生活習慣や食生活を見直し、規則正しい生活を心がけることが大切。これは体の免疫力を高めるためにも重要なことです。

新型コロナウイルスの治療法

新型コロナウイルスの治療法

現在、新型コロナウイルスにおける治療法は、重症度によって異なりますが、対処療法が中心になります。

対処療法とは病気の原因を取り除くのではなく、病気によって起こる症状を和らげたり、なくしたりする治療法のことです。

例えば、熱があれば解熱剤を投与する、軽度の呼吸苦であれば酸素投与を行う、といったものになります。

軽症の場合、対処療法を行いながら経過観察を行うことで、自然に症状が快方に向かうこともあります。

日本で使用できる新型コロナウイルスの治療薬は、8種類です。(2022年2月10日時点)

症状や重症度に応じて、中和抗体薬、抗ウイルス薬、ステロイド薬、免疫調整薬の投与を行い、重度の呼吸障害がみられる場合は、集中治療室での治療や、人工呼吸器が必要になることもあります。

花粉症の治療法

花粉症の治療法

花粉症の症状を我慢することはつらいことです。中には仕事や日常生活に支障が出る人も少なくありません。しかし、花粉症には、対処療法と根治療法の2種類の治療方法があります。

対処療法

・点眼薬、点鼻薬などを用いた局所療法
・内服薬などによる全身療法
・レーザーなどによる手術療法

根治療法

・舌下免疫療法
・原因抗原(花粉)の除去と回避
・アレルゲン免疫療法

花粉症の症状が起こり始めたごく初期の段階では、鼻粘膜にまだ炎症が進んでいないため、この時期に治療を開始すると粘膜の炎症の進行を止め、花粉症の重症化を防ぐことができます。

症状を抑えるためにも、花粉の飛び始めに、早めに対処することが重要です。

早い段階で花粉症の治療をすることは、花粉症の症状を抑えることができ、また症状が治まるのを早める効果があります。

症状を抑えることで、目や鼻に触れる頻度を減らすことができ、自身がコロナウイルスに感染する危険性から身を守ることができます。また、花粉症の人がコロナウイルスにかかっている場合、くしゃみを抑えることで、周りにコロナウイルスをまき散らすことを防ぐことができるのです。

そういった点でも、早い段階での花粉症の治療が、コロナウイルスを広げない社会的にも有効な手立てだといえるでしょう。

新型コロナウイルスなのか、花粉症なのか分からない時

新型コロナウイルスなのか、花粉症なのか分からない時

花粉症は突然発症することもあり、くしゃみや身体のだるさなど、なんらかの初期症状が現れた時、新型コロナウイルスなのか花粉症なのか、自身で判断が難しい場合もあると思います。

その時は、いつからどのような症状があるのか、どんな時にひどくなるのかをメモしておくことが大切です。そして、マスク着用など、周りの人にうつさないように心がけ、症状に変化があったり、長引いたりする場合は、自己判断せずに医療機関や地域の相談窓口に相談しましょう。

病院を受診する前には必ず電話で、いつからどのような症状があるのか伝え、病院の指示に従います。

特に花粉症の人は、例年と違う症状がある場合は、受診の際に新型コロナウイルスの可能性があるかもしれないということを伝えましょう。

終わりに

一人ひとりが意識し気をつけて行動することで、自分自身と周りの人たちを守ることができる

少しずつ暖かくなるこの時期、大勢の人を悩ます花粉がピークを迎えます。

新型コロナウイルス感染症もまだまだ油断できない状況下であり、花粉症と新型コロナウイルスの両方の対策をとること、そして、花粉症と新型コロナウイルスの症状の違いを知ることが重要です。

オミクロンの症状は花粉症の症状と似た点があり、判別が難しいですが、花粉症で発熱することはほとんど無く、また新型コロナウイルスの症状で目のかゆみがでることはまれです。

しかし、自己判断が難しい時は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

花粉症の方は花粉が本格的に飛散する前に治療を開始することで、症状を抑え、重症化を防ぐことができます。

症状を抑えることは、コロナウイルスから身を守るための予防になり、また、くしゃみなどの症状を抑えられることで、周りにコロナウイルスをまき散らさないようにすることができます。そのため早期に治療を開始することが重要です。

花粉症対策も新型コロナウイルス対策も、一人ひとりが意識し気をつけて行動することで、自分自身と周りの人たちを守ることができるのではないかと思います。

【参考サイト】

オミクロン株の症状と酷似…悩ましい花粉症シーズン本格化(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20220218-OYT1T50152/

花粉症とコロナの違いは?花粉症の原因や治療・対策についても解説(ひまわり医院)
https://www.soujinkai.or.jp/himawariNaiHifu/hay-fever/

専門家“オミクロン株と花粉症似た症状飛まつ抑える対策を”(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220216/k10013487011000.html

新型コロナウイルス感染症情報(メディカルノート)
https://medicalnote.jp/covid19

平成22年度花粉症対策(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun/ippan-qa.html

新型コロナウイルス感染症流行中の花粉症対策について(一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)http://www.jibika.or.jp/citizens/covid19/kafunsho.html

承認済の新型コロナウイルス治療薬(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000888699.pdf

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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