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インターネット上のコミュニケーションルールと誹謗中傷にあわないための対策とは?

トピックス 2021.10.22 インターネット上のコミュニケーションルールと誹謗中傷にあわないための対策とは?

コロナ禍でネットの利用時間が増え、それに伴ってネット上での誹謗中傷もどんどん増えてきています。

特に最近では、オリンピック選手たちへの誹謗中傷が過激化し、本格的に声をあげる人たちも増えてきています。

この記事ではネット上のコミュニケーションのルールや、もし自分が誹謗中傷にあってしまった時の対策などを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

インターネット上のコミュニケーションのルールとは

インターネット上のコミュニケーションルール

インターネット上のコミュニケーションルールには、以下のようなものがあります。この対応を誤ると、いたずらや誹謗中傷の的になってしまうこともあるので注意が必要です。

● インターネット上のコミュニケーションは自己責任である
● 個人情報を安易に記載しない
● 撮影した写真は安易に公開しない
● 他の人への不快な言動は避ける
● 法令を遵守し権利を尊重する
● メディアやSNSの特性と運用ルールを理解する
● 情報の影響力を考慮する
● 機密情報は絶対に発信しない

1つ目は、「インターネット上のコミュニケーションは自己責任である」ことです。インターネットの使用によって何か不都合があったとしても、誰も責任は負ってくれません。

自分ですべて対応する必要があるということを肝に銘じておきましょう。

個人情報を安易に記載しない

2つ目は、「個人情報を安易に記載しない」ことです。SNSやその他インターネット上で個人情報は記載してはいけません。もちろん、家族や友人など自分以外の個人情報も記載してはいけません。

個人情報が漏れると、その情報を基にした他の情報窃取や、ストーカー被害などのリスクが増大します。有名人が住所を特定され、いたずらを受けるなどの被害は後を絶ちません。

多いのは不法侵入で、マンションのコンシェルジュが知らぬ間に有名人宅に侵入したり、宅配配達員を装った男が押し入ったりと、多数の事例があります。

撮影した写真は安易に公開しない

3つ目は、「撮影した写真は安易に公開しない」ことです。撮影した写真から個人の行動範囲を特定されてしまって、トラブルに巻き込まれる事例があります。

特に自宅の窓の外など、何か風景をアップしてしまうと、自宅の位置や現在自分がいる場所を特定されてしまうリスクが高くなります。

実際に、写真に写る看板の内容や飲食店、病院などの建物から、住所や現在地などを割り出され、個人の情報を特定されてしまう例があります。

また、GPSなどによって写真に位置情報が付加されていることに気づかずにインターネット上に公開してしまうと、個人を特定されてしまうリスクが非常に高まるので、絶対に位置情報は付加しないことです。

他の人への不快な言動は避ける

4つ目は、「他の人への不快な言動は避ける」ことです。インターネットは匿名でのコミュニケーションになることも多いですが、乱暴な言葉づかいや、嘘の情報を書き込んだりすることは止めましょう。

実際に、とあるフリーアナウンサーが医療について乱暴な言動をブログに掲載し、炎上したという事例があります。

軽い気持ちで書いたことでも、相手に不快な思いをさせてしまうこともあります。また「炎上」と呼ばれるインターネット上でのケンカになることもあるため、情報発信をするときには、目の前に相手がいることを忘れずに対応しましょう。

法令を遵守し権利を尊重する

5つ目は、「法令を遵守し権利を尊重する」ことです。プライバシー、名誉、肖像権、著作権、商標権などの他者の権利や利益を不当に侵害することのないよう細心の注意を払い、関連する法令などを遵守しましょう。

例えば、ほかの人が作成した音楽や文章などには「著作権」という権利が発生します。著作物を利用したい場合は、必ず著作者から許可をもらい、著作者を明記して使用する必要があります。

6つ目は、「メディアやSNSの特性と運用ルールを理解する」ことです。インターネットは公の場であるという意識を持ち、各メディアやSNSの特性と運用ルールを把握しましょう。

メディアによりID(実名・匿名)や情報開示範囲などの運用方法が異なるため、運用ルール・文化などを理解したうえで利用することが重要です。

情報の影響力を考慮する

7つ目は、「情報の影響力を考慮する」ことです。情報発信は社会に対して少なからず影響を与えます。情報を発信する際には的確な内容で、読み手の誤解を招くことのないように実施しましょう。

ある生活情報サイトが科学的根拠に乏しい記事を投稿し、読者の誤解を招いた事例があります。また、自身に大きな影響力がないとしても、SNSで発言をみた友人が誤解をするなどの可能性があります。

何かの情報を発言する際には、根拠を持ち、なるべく誤解が少なくなるような表現で発信しましょう。

機密情報は絶対に発信しない

8つ目は、「機密情報は絶対に発信しない」ことです。場合によっては多額の損害賠償が発生することもあるため、職場などで知った守秘義務を要する情報や、意思決定の過程にある未公開情報は許可なく発信しないようにしましょう。

とある地方自治体が、新型コロナウイルスの感染者の個人情報を大量にWebサイトへ誤掲載し、多額の損害賠償金を支払うことになった事例は有名です。

誹謗中傷と批評・批判の違い

誹謗中傷と批評・批判の違い

ここまでお伝えしてきたインターネット上のコミュニケーションルールを守っていても、時には誹謗中傷を受けることもあります。

誹謗中傷と批評・批判の線引きは非常に難しいです。ただし、ある程度の判断基準はあります。

誹謗中傷を受けた時の線引きについて、YouTuberのもふもふ不動産さんと弁護士の藤吉修崇さんが対談されている動画「もふもふ不動産が誹謗中傷された体験談」を参考に、ここでは下記の判断基準について見ていきましょう。

● 内容が事実無根である
● 執拗なプライバシーの侵害
● 内容がひどい批評・批判

裁判になると、書き込みの一つひとつに対して判断をしていくので、一度の書き込みだけでも、誹謗中傷となる可能性は十分にあります。

誹謗中傷と批評・批判の判断基準

1つ目は、「内容が事実無根である」ことです。例えば飲食店で、その店に存在しないメニューに虫が入っていたなどという書き込みは、明らかに事実無根であると判断できます。

2つ目は、「執拗なプライバシーの侵害」です。自分が同性愛であることや、特殊な性癖を持っているなど、一般的に公開していない内容をインターネット上に繰り返し記載されるといったことは、誹謗中傷にあたります。

3つ目は、「内容がひどい批評・批判」です。例えばお店の食べ物が吐きそうなくらい悪かった、容姿がありえないくらいブス、など、汚い言葉を使う度を超えた批評・批判は誹謗中傷にあたります。

ただし実際の裁判の際には、誹謗中傷か意見が分かれる内容もあるので、注意が必要です。

インターネット上で誹謗中傷を受けた場合の対策とは

インターネット上で誹謗中傷を受けた場合の対策

万が一、誹謗中傷を受けた場合の対策は、以下のような方法があります。

● 誹謗中傷の内容を無視する
● 誹謗中傷の対象記述について削除依頼をする
● 警察へ相談する
● 総務省の相談窓口へ相談する
● 弁護士に相談して民事訴訟を起こす

1つ目は、「誹謗中傷の内容を無視する」ことです。感情的に反論してしまうと、炎上などに発展しかねません。SNSであれば、ミュートで誹謗中傷の投稿や相手方からの接触を遮断する方法もあります。

ブロックなど相手からわかる遮断方法を取ると、相手の感情を逆なでしてしまって更なる炎上を招く恐れもあるため、対応は慎重に実施しましょう。

誹謗中傷の対象記述について削除依頼をする

2つ目は、「誹謗中傷の対象記述について削除依頼をする」ことです。誹謗中傷の削除依頼に関しては、SNSやWebサイトの管理者へ削除依頼をする方法があります。

削除依頼をする場合には、どの部分が具体的にどのような権利を侵害しているか権利侵害を正しく主張する必要があります。

正確に把握するには一定の法律知識が必要になるため、場合によっては弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

3つ目は、「警察へ相談する」ことです。投稿内容が脅迫に近く危険である場合には、誹謗中傷の内容を確認し、犯罪行為にあたると判断されれば警察が捜査に動いてくれる可能性がありますので、警察に相談してみるとよいでしょう。

最近では、誹謗中傷の発信者の逮捕事例も多くなっています。警察に被害届を出す際は、問題になっている投稿が分かるように、書き込みのスクリーンショットやサイトのURLなどを印刷し、警察に提示することが必要です。

総務省の相談窓口へ相談する

4つ目は、「総務省の相談窓口へ相談する」ことです。近年では、日本政府もインターネット上での誹謗中傷対策へ積極的に乗り出しています。

特に総務省においては、運営する被害相談窓口「違法・有害情報相談センター」で、SNS事業者などへの投稿削除の要請や、削除を求める訴訟に向けた発信者情報の開示請求に関する方法を助言し、法務省の人権相談窓口への取り次ぎなどを対応しています。

誹謗中傷で困ったときには相談してみるとよいでしょう。

5つ目は、「弁護士に相談して民事訴訟を起こす」ことです。発信者に対して損害賠償請求をしたい場合は、発信者がどこの誰なのかをはっきりさせる必要があるため、まず「発信者情報開示請求」にて相手を特定する必要があります。

該当の投稿は、何日の何時何分なのか投稿時間がわかる形でPDF形式やスクリーンショット機能でURLと共に保存をすることが重要です。

情報開示請求をしたい場合

コンテンツプロバイダーが接続情報(ログ情報)を保存する期間は3ヵ月程度の場合が多いため、情報開示請求をしたい場合はこの3ヵ月以内にプロバイダーとの裁判を対応する必要があります。急いで開示請求の手続きをしましょう。

しかしながら、情報を開示してもらうためには裁判手続きが必要になることがほとんどで、各所に正確な書式で書面を送付する必要があるため、その先の訴訟も見据えて、可能な限り早めにインターネット上の誹謗中傷に強い弁護士へ相談しながら実施するとよいでしょう。

終わりに

安全にインターネット上のコミュニケーションを楽しむ

インターネット上のコミュニケーションのルールは、個人情報記載の禁止や不快な言動の禁止、法令遵守など非常に多岐にわたります。ひとつずつ守ることでインターネット上のトラブルリスクを下げられますが、それでも誹謗中傷の的になってしまうこともあるのが事実です。

もし誹謗中傷にあってしまった場合には、程度により無視や専門機関への相談、ひどい時には弁護士へ相談しての民事訴訟も視野に入れておくべきです。

適切な誹謗中傷の対策を知って、安全にインターネット上のコミュニケーションを楽しみましょう。

【参考サイト】

・インターネット上の誹謗中傷対策方法(アトム法律事務所弁護士法人)
https://atomfirm.com/sakujo/39047

・インターネット上の違法・有害情報に対する対応(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/hiboutyusyou.html

・ネット中傷対策強化 相談窓口と捜査を直結、官民連携も(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG23CVW0T20C21A3000000/

・Twitterに投稿した写真から『身バレ』? 原因や危険性、身元特定されない対策を解説
https://time-space.kddi.com/mobile/20200303/2855

・コロナ感染者の個人情報を「うっかり流出」、地方自治体で相次ぐ事故の理由
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/012200715/

・もふもふ不動産が誹謗中傷された体験談~菊地夏紀
https://www.youtube.com/watch?v=J0iD6qiE_IM

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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