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中古スマホの購入時に注意したい、いわくつき端末「赤ロム」の見分け方

トピックス 2021.06.11 中古スマホの購入時に注意したい、いわくつき端末「赤ロム」の見分け方

スマートフォンは今や、私たちの生活にとって、なくてはならないものになりつつあります。

たとえば、総務省が発表した「令和2年版 情報通信白書|情報通信機器の保有状況」によると、我が国における2019年のスマホ保有率(個人)は67.6%にのぼっています。

また、2020年秋に政府が発表した携帯電話料金の値下げ方針により、大手携帯電話会社を中心に携帯電話料金の見直しが進んだ結果、スマホ導入時の敷居がさらに低くなりつつあります。それに伴い、中古スマホを含む中古端末市場もますます活性化することが予想されます。

中古スマホの中には、ネットワーク利用制限がかけられている「赤ロム」という端末が存在するのをご存知でしょうか?

せっかく購入したスマホが利用制限により使えなかった、という事態は避けたいものですね。

そこでこの記事では、赤ロムの前提知識となる黒ロムや白ロムについて確認した上で、購入しようとしている中古端末が赤ロムなのかどうかをご自身で確認する方法について詳しく解説します。

記事の後半では、より実用的なトピックとして、赤ロムとSIMロックの関係についても触れます。

赤ロム・黒ロム・白ロムとは?

赤ロム・黒ロム・白ロムとは?

携帯電話の購入時に「赤ロム」のほかに「黒ロム」や「白ロム」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

赤ロムの見分け方について解説する前に、これら3つの言葉の意味について簡単に確認しておきましょう。

スマートフォンやガラケーを含む携帯電話は通常、携帯電話端末にSIMカードを差し込むことによって起動します。

SIMカードというのは、電話番号などの契約情報が入っている記憶装置ですが、SIMカードが入っている状態の端末は「黒ロム」と呼ばれます。私たちが日頃通話に使っているスマホやガラケーのほとんどが、この黒ロムに該当します。

SIMカードという電話番号などの契約情報が入っている記憶装置

日本で携帯電話サービスが開始されたのは1987年(昭和62年)ですが、その当時は、SIMカードではなく端末内のロム(ROM; Read-only memory)に直接契約情報が書き込まれていました。そのことにちなみ、端末に契約情報が入っていることを「ロムが黒い」と表現するようになったそうです。

SIMカードが入っている状態の黒ロムに対し、SIMカードが入っていない状態(=契約情報が真っ白な状態)の端末は「白ロム」と呼ばれます。白ロムはSIMカードを抜くことで契約情報を初期化した状態の中古端末が販売されるようになってから生まれた言葉です。

中古端末として白ロムを使う場合にはSIMカードを別途購入し、端末に差し込むことで起動することができます。

赤ロム

しかしながら、SIMカードを差し込んだにも関わらず、一部の機能が使えない端末が存在します。これが「赤ロム」です。

赤ロムとは、電話回線を提供している会社(通称・キャリア)から「ネットワーク利用制限」がかけられている端末を指します。赤ロムを起動するとディスプレイに赤色のアンテナが表示されることから、赤ロムと呼ばれるようになりました。

キャリアからネットワーク利用制限がかかる原因としては、元利用者による代金未払いのケースや盗難品であるケース、犯罪グループなどに使用されたケースなどが考えられます。

キャリアからネットワーク利用制限がかかる原因

中古端末として赤ロムを購入した場合、利用できる機能はWi-Fiとオフラインでの用途に限られます。キャリア回線を利用する通話やSMS(電話番号を利用したショートメッセージサービス)などを利用することはできません。

また、ネットワーク利用制限は、大手携帯電話会社(MVO;移動体通信事業者)の回線網を借りることで、サービスを展開している格安携帯電話会社(MVMO; 仮想移動体通信事業者)の端末にも適用される点には注意しましょう。

2021年4月現在、国内で自社回線(キャリア回線)を持つ携帯電話会社はNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイルの4社です。

国内で自社回線を持つ携帯電話会社

これら4社以外は、いずれかのキャリア回線を借りることでサービスを提供しているため、使用元の回線においてネットワーク利用制限がかかった場合、その影響を受けます。

たとえば、ソフトバンク回線においてネットワーク利用制限がかかっている端末の場合、ソフトバンク回線を使用するY!mobileの利用も制限されます。

ここまでで解説した黒ロム・白ロム・赤ロムの違いについて、以下の表にまとめます。

 

黒ロム

白ロム
(※SIMカードが別途必要)

赤ロム

通話

×

SMSなど

×

Wi-Fi

オフライン機能

 

赤ロムを見分ける方法

赤ロムを見分ける方法

ここからは、中古端末購入時にご自身で赤ロムを見分ける方法について解説します。

購入しようとしている端末が赤ロムなのかどうかは端末の外見を見ただけでは判別できませんが、次の3ステップで確認することが可能です。

● ステップ1.端末識別番号を確認する
● ステップ2.IMEIを各社の照会ページで検索する
● ステップ3.IMEI照会結果を確認する

ステップ1.端末識別番号を確認する

携帯電話販売店の店頭や販売店のウェブサイトなどで「IMEI(International Mobile Equipment Identifier)」と呼ばれる15桁の端末識別番号を確認し、番号を控えておきます。

該当端末をすでに使用中の方でしたら、電話画面を開き「*#06#」を入力することによっても表示可能です。

ステップ2.IMEIを各社の照会ページで検索する

各携帯電話会社が用意しているIMEI照会ページにて、ネットワーク利用制限がかかっている端末を確認することができますので、ステップ1でメモしておいたIMEIを入力し、検索します。

参考までに、国内大手4社のIMEI照会ページへのリンクを以下に掲載します。

ステップ3. IMEI照会結果を確認する

IMEI照会結果を確認する

IMEIを入力すると、以下のいずれかが表示されます。✖が表示された場合は赤ロムに該当しているので、購入時には注意しましょう。

◯:ネットワーク利用制限がかかっていない
△:現在は制限がかかっていないが、今後かかる可能性がある
✖:ネットワーク利用制限がかかっている
―:そのIMEIが存在しない(入力ミス)

IMEI照会結果の一例

IMEI照会結果の一例

こちらはIMEI照会結果の一例です。このような画面が表示された場合、照会した時点では該当端末にネットワーク利用制限がかかっていません。

購入後に赤ロムであることが発覚した場合の対処法

購入後に赤ロムであることが発覚した場合の対処法

購入しようとしている中古端末が赤ロムかどうかは上述の3ステップで確認することができますが、万が一、購入後に赤ロムであることが発覚した場合には、一体どうすれば良いのでしょうか?

購入済みの中古端末が赤ロムであった場合、まずは購入元に問い合わせてみましょう。販売店によっては、同等機種との交換や返金などの保証が受けられる場合があります。

また稀ですが、購入時点ではネットワーク利用制限がかかっていなかったにも関わらず、購入後に赤ロムに変更されるケースが報告されています。そのような場合にも、購入元から保証を受けられるケースが多いです。

ただし、メルカリなどの個人間取引やネットオークションなどで落札した場合には、保証に対応していない場合が多々あるので注意が必要です。

中古端末の購入時には、保証内容をあらかじめ確認した上で、携帯電話専門店などの正規ルートで入手することをおすすめします。

赤ロムとSIMロックの関係

赤ロムとSIMロックの関係

ここまで解説してきた通り、赤ロムはネットワーク利用制限が課されている端末のことですが、中古端末購入時に「SIMロック」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

赤ロムは特定のキャリア回線の利用が制限される状態であるのに対し、SIMロックは特定のSIMカード以外の利用が制限される状態を指します。

そのため、ネットワーク利用制限がかかっていない白ロムを購入したとしても、SIMロックがかかっていて利用できない場合があります。

一方、ネットワーク利用制限がかかっている赤ロムを購入したとしても、SIMロックが解除されている状態であれば、他のキャリア回線や海外などで使用できる場合もあります。

SIMロックは、条件によっては携帯電話会社に依頼することで解除できるほか、はじめからロックがかかっていない状態で販売されている「SIMフリー」という端末も存在します。

なお、赤ロムは通常、SIMロックの解除を受け付けてもらえません。そのため、SIMロックの解除を希望する場合には白ロムを購入するか、ネットワーク利用制限がかかる前に解除する必要があります。

終わりに

中古携帯電話購入時に注意すべき「赤ロム」

この記事では、中古携帯電話購入時に注意すべき「赤ロム」について解説しました。

赤ロムは、支払い延滞などの理由でネットワークの利用が制限されている「いわくつき端末」であるが故に、さまざまなトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

そのため、中古スマホを安全かつ快適に活用したいのであれば、原則として「SIMフリーもしくはSIMロック解除済み」の「白ロム」を選択するのがおすすめです。

中古スマホの購入時には、本記事で紹介した赤ロムの見分け方や注意点などをぜひ参考にしてみてください。

【参考リンク】

令和2年版 情報通信白書|情報通信機器の保有状況(総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252110.html

黒ロム(格安SIM用語辞典)
https://bicsim.com/yogo/mobile/kurorom.html

携帯電話・懐かしのあの端末、平成の歴史を写真で振り返る (ダイヤモンド・オンライン編集部)
https://diamond.jp/articles/-/180183#

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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