トピックス 2019.08.09 SNSやショートメッセージでの懸賞詐欺にご用心
ツイッターでは「このアカウントをフォローしてこのツイートをリツイートした方のうち○○名様に△△をプレゼントします!」という懸賞ツイートがよく流れてきます。
本当に行われているプレゼント企画がある一方で、一部にはなんとなく怪しいキャンペーンが行われていることもまた事実です。
今回はそんな懸賞にまつわる詐欺の裏側に迫りたいと思います。
そのプレゼント企画、主催者側のメリットは?

ツイッターで行われるプレゼント企画のほとんどは、企画を実施しているアカウントをフォローしたうえでキャンペーンの対象ツイートをリツイートすることが条件になっています。
応募する側からすれば、フォローとリツイートだけで簡単に応募できる手軽さが魅力的ですが、企画を主催するアカウントに主だったメリットが見当たらない場合には問題があることも多く注意しなければいけません。
こういったプレゼント企画は、サイトやアプリ、雑誌などのアカウントのフォロワーを増やしたり、それらの商品の認知度を高めるためなどに行なっています。
そのため、ツイッターの応募企画でも宣伝するものが不明な状態でプレゼントキャンペーンを行なっている場合は怪しんでおくに越したことはありません。
プレゼント詐欺でよくある被害のパターン

プレゼントへの応募がフォローとリツイートだけでいいのなら特にデメリットは無いと思うかもしれませんが、応募後のよくあるパターンとして想定される出来事をいくつかご紹介します。
個人情報の流出
プレゼントを受け取るための条件として、メールマガジンや特定のサイト、LINE@などへ登録をするよう指示されます。
この登録作業によって主催者側は紹介料を得ているため、登録を行なっても賞品が送られてくることは基本的にありえませんし、場合によっては大量の広告メッセージが送られてきたり、メールアドレスが悪用されたりしてしまいます。
住所や電話番号などの流出
さらに流出してしまう可能性のある個人情報にはメールアドレスだけでなく、ご自身の住所や電話番号も含まれます。
賞品発送のために住所や電話番号などの情報を教えても、賞品が送られてこないどころか、自分の住所や電話番号が不正にリスト化され悪用されてしまいかねません。
プレゼント企画がどこか怪しいと感じた場合には、局留めや営業所留めで商品を発送してもらえるようにお願いするというのも有効な方法です。
現金被害
なかには賞品の送料を負担するように指示を受け、現金を振込んだり送料分のギフトコードを送るように促される場合がありますが、それでもやはり賞品は送られてこないでしょう。
被害額は少額です済むパターンがほとんどですが、場合によっては賞品の送料をクレジットカードで支払うよう求めてくるようなケースもあります。一度カード番号を教えてしまうと不正利用されてしまいかねませんので、不用意にカード情報を教えることが無いよう十分気をつけましょう。
ショートメッセージを使った「スミッシング詐欺」にも併せて注意を

当選詐欺についてはツイッターを利用したもの以外にも手口が多様化しており、携帯電話の番号あてにメッセージを送る「SMS(ショートメッセージサービス)」を利用した方法も確認がされています。
「SMS」と「フィッシング詐欺」を組み合わせて「スミッシング詐欺」と呼ばれるこちらの手法では、企業や団体になりすまして「配当金がある」「利益の還元を行なっている」などとメッセージを無作為に送信します。
メッセージ内には指定のURLにアクセスするようリンクが記載されていて、詐欺サイトへの登録や不正アプリのダウンロードを促される場合や、メッセージに記載の電話番号に連絡することで言葉巧みに金銭を騙し取られてしまう場合があります。
懸賞詐欺にあわないために気をつけるポイント

それでは、正式なプレゼント企画と懸賞詐欺を見極めるために有効なポイントをいくつかご紹介します。
公式マークの無いアカウントには要注意
「〇〇プレゼント企画【公式】」などとアカウントに書いてあるのに公式マークが無い、公式サイトなどにリンクされていない場合には、第三者が公式を装っている可能性がありますので十分に注意しましょう。
また、アカウントIDが意味のない文字の羅列になっている場合なども疑ってかかった方がよいでしょう。
個人の行う懸賞企画は普段の発信内容に注目
懸賞企画には企業や団体が行うもの以外に、個人の方が行なっているものもあり、こちらは危険か危険でないかの見極めが重要になります。
個人アカウントが行うプレゼント企画の場合には、そのアカウントが普段どのような発信を行なっているかをよく確認し、プレゼント企画以外の通常の投稿をしているかという点を確認しましょう。
当選実績があるか
企業であっても個人であっても、繰り返し懸賞企画をツイートをしているにも関わらず、当選実績がまったく確認できない場合については応募を避けることを考えた方が無難です。
しっかりと懸賞企画を行なっているアカウントであれば、当選結果の発表をきちんと行なったり、当選者の当選報告ツイートなどを「いいね」や「リツイート」することで健全に運営を行なっていることを示しています。
終わりに
冷静になって考えればフォロー&リツイートするだけで高額な商品を得られるなんてうまい話がそうそうないことは分かるはずですが、詐欺を行う側も次から次へと手を替え品を替え、今でも被害に遭う人があとを絶ちません。
本物と詐欺の見分け方をしっかりと頭に入れておくとともに「タダより高いものはない」と改めて注意しておくことが大切です。
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
