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トピックス 2019.05.17 スマートスピーカーのセキュリティが危ない?使用上のリスクと対策をご紹介

「Google Home」や「Amazon Echo」といったスマートスピーカーと呼ばれる製品の利用が徐々に広まっています。

音声によるアシスタントサービスを利用したこれらの製品は、話しかけることで音楽を再生したりニュースを聞くことができる他、照明のオン・オフといった家電の操作を行えるものまで存在します。

スマートスピーカーのアメリカでの世帯普及率は2018年41%にも達した程ですが、便利な反面その使用には様々なセキュリティ上のリスクが存在するのです。

今回は、スマートスピーカーを利用する上で気をつけたいポイントを、実際に起きたトラブル事例などを交えながら紹介していきます。

スマートスピーカーからプライバシーが漏洩する!?

スマートスピーカーから情報漏洩

スマートスピーカーの使用につきまとう大きな問題の1つはプライバシーに関するリスクです。

スマートスピーカーには常にオン状態になっているマイクが内蔵されていて、ユーザーが「オッケー、Google」や「ねぇアレクサ」と呼びかける以外にもすべての生活音や会話を聞いています。グーグルやアマゾンはユーザーが呼びかけた時以外にマイクが録音を行うことはないと発表していますが、録音をしていなくてもマイクが認識している音の情報が誤って外部に公開されてしまう可能性はゼロではありません。

実際に、2018年の5月にはアマゾンのEchoというスマートスピーカーがある家庭で行われていた夫婦の会話を録音して夫の勤める会社に送信してしまったというトラブルが発生しました。


この事件はEchoが夫婦の会話音やその他の生活音を「会話を録音してメールで送る」指示と勘違いして起こったようで、アマゾンも非常にまれな例として説明を行っています。それでも、スマートスピーカーを悪意のある第三者に乗っ取られてしまった場合には「盗聴器」として様々な情報が盗み出されてしまうかもしれません。

スマートスピーカーを悪用される可能性とは?

スマートスピーカーが悪意ある人物から攻撃を受けた場合、想定されるのは単純な盗聴だけではありません。

サイバーセキュリティを専門に扱いウイルスバスターなどのセキュリティソフトを提供しているトレンドマイクロ社は、スマートスピーカーの利用状況や位置情報から住所や生活パターンを特定することが可能だと発表しています。

また、普段再生している音楽の好みなどを把握して「あなたにおすすめの楽曲が50%オフ」といった内容のメールを送ってフィッシングサイトへ誘導するケースや、「アップデートを行なってください」といった音声を流した上で偽のメールをユーザーに送りつけるケースなどが考えられるようです。

スマートスピーカーはまだ登場したばかりの製品ですが、各メーカーがセキュリティに配慮していることもあって、現時点ではサイバー攻撃による大きな被害は発生していません。

それでも今後スマートスピーカーが今よりもっと普及していくにつれサイバー攻撃の対象となる可能性は十分ありえますから、今のうちから対策を始めておいた方が安心でしょう。

プライバシーの侵害や情報漏洩を防ぐ4つの対策

常にインターネットに接続されているスマートスピーカーを安全に使用するためには今できるセキュリティ対策をしっかりと行なっておくことが大切です。

現時点ではパソコンなどのように専用のセキュリティソフトがあるわけではありませんが、今すぐにでも始めることのできる簡単な対策をご紹介します。

使わないときは電源をオフにする

スマートスピーカーを使用しない時は電源を切ってしまうことで普段の生活情報を収集されることを防ぐことができます。特にAmazon Echoなどのようにカメラ機能の付いた製品の場合、使用時以外はカメラ機能をオフにしておくことをオススメします。

ソフトウェアは最新の状態に保つ

基本的な対策となりますが、専用のアプリなどを使ってソフトウェアを最新の状態にアップデートしておくことは忘れないようにしましょう。ソフトウェアの更新によって、新しい機能が追加されるだけでなく、セキュリティの脆弱性も改善することができます。

定期的に利用データを削除する

スマートスピーカーの多くは専用のアプリやユーザーページから使用記録を確認することができます。スピーカーを使って検索した内容や再生した音楽のリストなどの利用情報は定期的に削除しておくことで、万が一情報が漏洩した際にも被害を最小限に抑えることができるはずです。

セキュリティルーターを使う

家庭でのインターネット使用時に、普通のルーターの代わりに特別なセキュリティ対策を行うことができるセキュリティルーターの導入を考えてみましょう。

スマートスピーカーに限らず、スマートフォンやその他のIoT機器などインターネットに接続するすべての機器を外部からの攻撃や有害なサイトへのアクセスから防いでくれます。

終わりに

今回はスマートスピーカーのセキュリティ上のリスクについて取り上げましたが、目新しさや目先の便利さだけでこういった製品を購入するのではなく、利用の際にはセキュリティ上のリスクがあることをしっかりと踏まえておくことが大切です。

そうすればパソコンやスマートフォンと同じように、スマートスピーカーも私たちの生活を便利で豊かなものへ変えてくれるでしょう。

ほんの少しの手間をはらって日頃から対策を行うように心がければ、今までよりもちょっと進んだ生活を安心して手に入れることができますよ。

【関連リンク】
・アメリカでスマートスピーカーは2018年に臨界質量に到達した(世帯普及率41%)(TechCrunch)
https://jp.techcrunch.com/2018/12/29/2018-12-28-smart-speakers-hit-critical-mass-in-2018/

・アマゾンのスピーカーが夫婦の会話を録音、勝手に他人に送信(CNN)https://www.cnn.co.jp/tech/35119780.html

・スマートスピーカーのセキュリティを検証(Trend Micro)
https://www.trendmicro.com/jp/iot-security/special/20160

・スマートスピーカーへのその掛け声、本当に「OK」?https://www.mcafee.com/japan/home/security/news/076.html

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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