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テレワークは定着するか一過性か、東京都「テレワーク推進リーダー」設置制度を開始

ニュース 2021.12.28 テレワークは定着するか一過性か、東京都「テレワーク推進リーダー」設置制度を開始

テレワークの導入を働き方の選択肢として推進する日本国内の企業は、2020年に急増した。

IDCが2021年5月に発表した調査によれば、2019年にテレワークを導入した企業は62万社で、実施率は16.3%だったが、翌年2020年には、導入企業は161万社に増え、実施率も42.6%まで上昇している。

しかし、IDC Japanでは、この数字は2022年までには縮小していくとみているという。

事前の準備なく、国や自治体の要請に従って、勢いでテレワークに入った企業などは、テレワークを上手く機能させることができなかった可能性もある。

テレワークを諦めている・考えていない企業の社内事情とは

テレワーク導入の波に乗ることができないまま、自社にはテレワークは無理だと諦めている企業も多い。

特に、限られた少ない人数で業務を行う中小企業にとっては、新しい業務体制を構築するのは困難で、自らが必要性を感じたときにはじめて必然となり、推進可能となると考えられる。

外部からの要請では、対応に臨める労働力、知識やアイデア、資金も準備ができておらず、気持ちはあっても術が無い、といったところだろう。

総務省が2020年に、地方公共団体向けに実施した「テレワーク導入状況に関する実態調査」によれば、都道府県の政令市では多くの企業がテレワークを導入済みである一方で、人口101人以上の市区町村では、導入率3割以下、人口100人以下の市区町村では、導入率1割以下だった。さらに、半数以上の組織が、今後もテレワークを「導入する予定はない」「未定」と答えている。

東京都「テレワーク推進リーダー」の役割と設置効果を考える

中小企業の多くがテレワークの導入を考えない理由には、「情報セキュリティの確保に不安」「導入コストがかかる」「現場業務はテレワークに馴染まない」などがあがっている。

現業に関わる人々だけで働き方を変えることは、困難というより無理なのだろう。

従業員は、情報セキュリティに詳しいわけではなく、導入コストが確保できているわけでもない。また、窓口業務などを他の方法に変えるなど、考えたこともないはずだ。

これは、東京都でも状況は同じで、コロナ禍でテレワーク対応の必要性を理解した中小企業であっても、急場しのぎで始めた対策は続けにくい。

東京都は、こうした状況下、各職場にテレワークの導入推進を担う「テレワーク推進リーダー」を設置する制度を開始した。

対象となる中小企業は、「テレワーク東京ルール」実践企業宣言を行っている都内企業で、リーダーは感染拡大などの緊急時において、東京都の要請内容、支援情報を社内で周知するなどの役割を持つという。

また、同リーダーを設置した都内の中小企業で、定められた実施率を達成した場合には、かかった経費のうち最高50万円をテレワーク推進強化奨励金として支給する方針。

テレワーク東京ルールの実践企業宣言を行っている企業は、元々テレワークに前向きだ。テレワークの導入推進にも積極的に協力できるだろう。

しかし、テレワークを導入する予定がないと答えた多くの中小企業へのアピールにはならない可能性が高いのではないだろうか。後者に対しての対策をどう考えていくのか、今後も注目していきたい。

「テレワーク推進リーダー」の登録申請は、12月22日からオンライン受け付けを開始している。

【関連リンク】

・「テレワーク推進リーダー」制度の開始(東京都)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/12/06/09.html

・「テレワーク東京ルール」実践企業宣言とは?(東京都産業労働局)
https://www.telework-rule.metro.tokyo.lg.jp/guideline/

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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