ニュース 2021.11.08 訪問看護のICT化で、看護師の直行直帰・地域包括ケアなどをアシスト
介護現場では、従来の紙媒体に替わる、ICTの活用が進められている。
介護職員は、介護のほかにも看護記録を取り、行政に提出する書類作成、保険請求時の書類作成など、介護履歴を明らかにしておくための記録業務も多い。
紙媒体を活用している場合には、一人の看護記録を提出先別に何度も記入するケースもあり、作業は非効率的だ。
また、訪問看護では、多くの場合、看護師が1人で現場を訪問するという。介護から看護記録の記入、医師や関係事業所との連携など、様々な業務を1人でこなす必要があり、業務の効率化は喫緊の課題といえる。
こうしたなか、介護保険、福祉システムの開発と販売を手掛けるコンダクト(石川県金沢市)は、訪問看護業務の記録を効率化するクラウドサービス「QOCORO訪問看護」を開発し、提供を開始した。
看護師は、在宅看護の際、持参したタブレット端末などで、看護記録を入力することができ、医師や関係事業所との連携もタブレットから直接行うことができる。介護保険の請求システムとも連動しているため、入力した看護記録をそのまま保険請求資料として提出することも可能だ。
介護のICT化、リアルタイムで共有できる介護現場の声
コンダクトの「QOCORO訪問看護」で実現できるのは、事務の効率化だけではない。
事務の効率化に加え、看護師は、事業所に寄ることなく自宅との直行直帰や在宅勤務も可能になる。
さらに、看護のために訪問した利用者宅から、事業所、患者、患者の家族、医師、地域事業所などと一度に情報共有できるコミュニケーションアカウントも作成できるため、コミュニティとの情報連携もスムーズに行える。
人手の足りない介護業界において、地域包括ケアなど、周囲の人たちとともに介護者を支えるシステムづくりは欠かせない。介護現場の声をリアルタイムでコミュニティと共有できる手段があれば、地域包括ケアなどの活動も進めやすくなるだろう。
介護士、看護師も働きやすくなり、介護される人は地域によって支えられる機会を増やすことができる。ICT化に寄せられる期待は大きい。
【関連リンク】
・訪問看護の記録を効率化 石川企業のクラウドサービス(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC059PM0V01C21A0000000/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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