ニュース 2021.10.21 日本年金機構、業務委託先から97万人に別人の「年金振込通知書」を送付
日本年金機構は、10月6日、別人の年金支払額などを記載した「年金振込通知書」を97万2,000人に送付した不祥事が発生したことを明らかにした。
同機構によれば、誤って送付されたのは、愛知県、三重県、福岡県の3県53市町村の10月分通知書。はがきの内側に記載された年金額が別人のものとなっているが、内側に氏名等の個人情報は記載されていため、この誤送付により、個人情報が洩れることはないという。
6日以降の発送作業は一旦中止し、正しい通知書を10月11日に改めて送付。年金支給日の10月15日には、正しい金額が支給される。
厚労省の職員不足が仕事を増やす、業務委託先への業務切り分けに問題か
日本年金機構は、今回の不祥事の原因を業務委託先の印刷工程でミスがあったためとしている。
印刷工程のどの段階でミスが発生したのかについては、10月6日時点では原因を調査中であり、原因を分析したうえで、職員の処分など必要な対応についても検討するという。
しかし、同機構のずさんな管理体制は繰り返されている。厚生労働省は、慢性的な職員不足ともいわれていて、今回ミスがあったのは外部の業務委託先だった。さらに、同様の委託先は9社あるという。
業務委託で人手不足を補うのは必要な手段ではあるだろう。しかし、個人情報を扱う重要な工程が外部に託されている点は、再考の余地がありそうだ。
【関連リンク】
・過去にも相次ぐ年金不祥事 厚労省分割論拡大も(時事ドットコムニュース)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021100601109&g=eco
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
