ニュース 2021.03.15 IBM、高速処理可能なハイブリッド型クラウドサービス提供開始
米IBMは、3月1日(米国時間)、「IBM Cloud Satellite」の提供を開始したことを発表した。これを受け、日本IBMも、3月2日、報道機関向けに説明会を開催し、同報告を行った。
同社によれば、IBM Cloud Satelliteは、ユーザーが、自社のハイブリッド型クラウドサービスを、オンプレミス、クラウド、エッジなど様々な環境で稼働することが可能で、柔軟に展開することができる。
エッジ領域では、米Lumen Technologies社と連携しており、18万か所のエッジロケーションで、カメラやセンサーなどのデータをAIやIoTなどのアプリケーションを介して、ほぼリアルタイムで高速処理することなどが可能になるとした。
IBM Cloud Satelliteで、65社以上のエコシステム・パートナーと協業
IBMは、この取り組みにおいて、Cisco Systems、Dell Technologiesなど65社を超えるエコシステムパートナーと協業し、連携。2021年の施策としては、業界特化型サービスの提供やエコシステムの強化などを掲げた。
業界特化型サービスでは、通信業界向けをはじめとして、2021年は、金融業界向けサービスに力をいれる。金融機関で求められる特有の機能「Hyper Protect Crypto Service」や、「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度」(ISMAP)認定の年内取得が目標。
福井大学病院の医療情報システムで、国立大学病院初のパブリッククラウド採用
日本IBMは、3月2日、福井大学医学部付属病院が、4月開始予定で、電子カルテシステムを米IBMのパブリッククラウド「IBM Cloud」へ移行することを発表しているが、放射線画像データのような医用画像は非常に大きなデータ容量を必要とするため、「IBM Power System」を含む既存のオンプレミス環境を利用するという。
同社によれば、電子カルテシステムを含む医療情報システム(CIS)へのパブリッククラウド採用は、国立大学病院では日本初。
業界特化型を視野に入れたハイブリッド型クラウドサービス導入強化は、すでに着々と進んでいるようだ。
【関連リンク】
・プレスリリース:IBM Cloud Satellite 提供開始によりエッジを含むあらゆる環境でお客様のセキュアなクラウドを実現(日本IBM)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000046783.html
・福井大学病院、電子カルテをクラウドに 米IBM製採用(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK031QP0T00C21A3000000/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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