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水道局のシステムが不正アクセスで遠隔操作される

ニュース 2021.02.17 水道局システムに不正アクセス、飲料水の苛性ソーダ約100倍に設定変更、フロリダ州

米フロリダ州ピネラス郡当局は、2月8日(現地時間)、オールズマー市水道局の水処理システムを制御するコンピューターシステムに、何者かが不正侵入し、同市の水に含まれる水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)の量を基準値の約100倍に設定変更していたと発表した。

オペレーターが異常に気づき、すぐに設定を戻したため被害はなかったとしている。

水酸化ナトリウムは、排水管の腐食を防ぐために使われる排水管洗浄液の主成分であり、通常の濃度はごくわずかなもの。水が市民の水道口に届くまでには、濃度の上昇を検知する仕組みも施されており、心配はないという。しかし、仮に、100倍の濃度のまま水道口に到達すれば、市民数千人に深刻な健康被害が及んだ可能性がある。

リモートワーク常態化で、遠隔操作の不正アクセスに違和感もたず

事件は、2月5日午前8時に発生した。

水処理施設のオペレーターが、システムが遠隔操作されていることに気がついた。しかし、昨今のリモートワーク増加の影響から、上級管理官が遠隔操作を行うこともあったため、異常だとは思わなかったという。

その後、午後1時半、オペレーターが再度リモートアクセスされているのを発見。水酸化ナトリウムのレベルが変更されたことも確認したため、事故を回避することができた。

この不正侵入が、米国内、国外、どちらからなのかは判明しておらず、現在、郡保安官は、FBI、シークレットサービスと共に犯罪捜査を開始している。

不正アクセスに利用されたのは、人気ソフトウェア「Time Viewer」

米Reutersによると、この不正アクセスには、「TeamViewer」というソフトウェアが使用されていたという。

このソフトは、外部にあるパソコンを、自分のパソコンから操作できるため、オンライン会議やWebセミナーなどで活躍する。日本を含む世界25億台以上の端末にインストールされているといい、現在、最大4500万台の端末がオンラインで稼働している商品だ。

高度な技術が使われたサイバー攻撃というわけでもなく、それ故に、警戒が必要な事案だ。不正アクセスなどのサイバー攻撃は、身近なところで起こるということを再認識し、警戒を強め、対策を徹底していく必要がある。

【関連リンク】

・浄水システムに不正侵入、苛性ソーダ濃度100倍に設定 米フロリダ州(CNN)
https://www.cnn.co.jp/usa/35166249.html

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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