ニュース 2021.01.18 仏、クッキー無断追跡で米グーグル、米アマゾンに罰金支払い命令
フランスのデータ保護機関「情報処理および自由に関する全国委員会(CNIL)」は、12月10日、Webサイト利用者の同意を得ないまま閲覧履歴「クッキー」を取得していたとして、米Googleに1億ユーロ(約126億円)、米Amazonに3500万ユーロの罰金の支払いを命じたと発表した。
発表によると、2社は利用者の興味に合う広告を表示する「ターゲティング広告」を掲載する目的で、ユーザーの許可を得ないまま、サイトの閲覧履歴を追跡していたという。
仏AFP通信によれば、2社は不服を表明。両社とも9月には自動収集を止めたが、説明が足りない状態が続いているため、CNILは3カ月以内の改善を求めている。
日本の大企業は、個人情報保護の世界基準に大幅な遅れ
クッキーは、WebサーバーからユーザーのWebブラウザに送られるユーザーデータを保存しておくファイル。
会員登録したサイトのユーザーIDなどは、クッキーで保存されており、ユーザーは再びID入力をしなくてもサイトにアクセスが可能になるなど、利便性の向上にも役立つ。
そのため、欧州企業では8割強、米企業は3割弱が「クッキー」情報の利用にユーザーの同意を得るためのバナー表示を実施して、利用を継続している。
しかし、株式会社ベクトルの子会社であ るPriv Tech株式会社が、2020年7月から9月、国内上場企業2,001社と国内外の企業を対象に「クッキー利用に関する同意バナー表示傾向」調査を実施したところ、日本の大企業でのバナー対応は、僅か4.75%に留まることが分かったという。
日本企業の個人情報保護への甘さが明らかになったといえる。
【関連リンク】
・個人情報保護法違反でグーグルに1億ユーロの罰金(フランス)(JETRO)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/12/fd3aa70ab0fd7681.html
・クッキー利用に関する同意バナー表示 国内大企業の4.75%に留まる ーPriv Tech「同意バナー表示傾向」調査ー(Priv Tech)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000054657.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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