ニュース 2020.12.02 「なりすまし不可能」な生体情報の提供開始 日立
日立製作所は、生体認証を活用して、本人認証やキャッシュレス決済を安全に実現する「生体認証統合基盤サービス」の提供を10月30日から開始することを発表した。
この基盤サービスは、日立独自の「公開型生体認証基盤 (PBI)」に、決済連携機能や入退場管理機能などを付加し、多用途に活用できるもの。
システム内に保管不要な鍵認証技術であり、クラウド上におかれた情報が漏えいした場合でも安全なほか、本人の生体情報以外では再作成ができないため、他者による成りすましもできないなど、セキュリティの高さも特徴となっている。
急成長する生体認証市場 ニーズも多様化へ
「生体認証統合基盤サービス」を活用する利点は、安全面だけではない。
利用者本人の生体情報があって初めて、情報生成が行われるため、企業側で機微情報にあたる生体情報の管理の必要がなくなる。また、ユーザー側も、よく行く店舗などで一度登録を済ませれば、ICカードやスマートフォンなど決済手段の持ち歩きも必要なくなり、当然、紛失などのリスクもなくなるのだ。
こうした生体認証市場が発展することにより、安全面の強化のみならず、企業体制や生活スタイルにも変化が起きていくのだろう。
さらに、活用ニーズも多様化している。
富士通では、手のひらの静脈による生体認証システムの普及に力を入れており、昨年3月、韓国国内線の全14空港において、身元確認搭乗サービスに手のひら静脈認証技術を提供。米アマゾン・ドット・コムも、2020年9月29日、手のひらをかざすことで本人確認できる認証システム「アマゾン・ワン」を開発したことを発表した。
認知症などが原因とされる徘徊者の身元確認に、手のひら生体認証を導入している例もあり、生体認証のグローバル市場は、2026年には、2016年の約5倍となる50兆円規模にまで成長すると言われ、今後の新たな市場創造への期待も高まっている。
【関連リンク】
・ニュースリリース(日立)
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/10/1029a.html
・生体認証統合基盤サービス(日立)
http://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/solutions/platform/environment/iBioAuthPF/index.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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