ニュース 2020.09.24 コロナに便乗したサイバー攻撃が増加 フィッシングサイトへ約297万人誘導
サイバーセキュリティ大手のトレンドマイクロは8月31日、2020年上半期(1〜6月)のセキュリティ脅威動向を分析し取りまとめたレポートを発表した。2020年上半期は、新型コロナウイルスに便乗した様々なサイバー攻撃が多数確認されたという。
同社によると、フィッシングサイトへ誘導されたユーザーは国内で約297万人となり、2019年下半期(7〜12月)の約185万人と比べると1.6倍に増加したとのこと。この数値は2016年の観測以来過去最高であった。
これは新型コロナウイルス感染拡大に伴い、PCやスマートフォンを使ってオンラインで買い物をする人が増加するなど、インターネット端末を利用する機会が増えたことが原因と考えられる。
不正サイトへの誘導も約14.6倍に増加
新型コロナウイルス関連の不正サイトへの誘導数は全世界で1〜3月の4万7,610件であったことに比べ、4〜6月には69万5,738件と約14.6倍に増加している。
国内のマスク不足に便乗したマスク販売の詐欺メールや、10万円給付に便乗した偽メールなどメールを利用した脅威も同様に増加。海外では新型コロナウイルスに関する話題を悪用して法人を狙ったビジネスメール詐欺も確認されている。
世界的にみて、ランサムウェア攻撃数は減少傾向にあるが、国内法人からのランサムウェア被害報告件数は37件で、2019年下半期の17件より増加しており、日本も法人をターゲットとしたランサムウェア攻撃の影響を受けていると言える。
同社では組織での対策として、パスワードの複雑化や多要素認証の導入など認証強化や脆弱性の対策を取ると共に、万が一の侵入に備えて社内システムの認証強化やファイルのバックアップを行うことなども重要だとしている。
【関連リンク】
・日本と海外の脅威動向を分析した「2020年 上半期セキュリティラウンドアップ」を公開~フィッシングサイトへ誘導された国内の利用者数は約297万人~(TREND MICRO)
https://www.trendmicro.com/ja_jp/about/press-release/2020/pr-20200831-01.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock