ニュース 2020.07.22 金融庁、金融機関のサイバーセキュリティ強化に向けてレポート発表

今回発表されたレポートは、金融機関のITガバナンスに関する実態調査・分析をまとめたレポートと事例集、金融分野を取り巻くサイバーセキュリティ対策の実態・課題をまとめたレポート、金融機関で発生したシステム障害の事例・傾向についてまとめたレポートの計4つだ。

金融庁によると、国内金融機関において、大規模なサイバーセキュリティに関する事件は起こっていないが、不正サイトに誘導して個人情報を窃取するフィッシング攻撃や不正ログイン、DDoS攻撃（ウェブサイトやサーバーに過剰なアクセスやデータを送るサイバー攻撃）に関する多くの報告がなされているという。

今後の対応として、大手金融機関に関してはサイバーセキュリティに関するリスク管理の高度化など、対策のより一層の高度化を促進する必要性が指摘されている。

中小金融機関に対しては、基礎的なサイバーセキュリティ管理態勢の維持・向上を促すと同時にサイバー演習によって事故対応能力を上げていくことが必要とのことだ。

また、金融機関で発生したシステム障害の事例については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて株価が大幅に変動したことなどから取引量が大幅に増加し、システムの許容範囲を超えたことが原因で起きたシステム障害などが新たにみられたことなどが挙げられている。

【関連リンク】

・IT・サイバーセキュリティの取組みに関するレポートの公表について（金融庁）
https://www.fsa.go.jp/news/r1/20200630.html

TEXT：セキュリティ通信 編集部
PHOTO：iStock