ニュース 2020.06.28 ホンダ、サイバー攻撃で操業停止していた工場を再開
ホンダは6月12日、サイバー攻撃で停止していた国内外の工場全てが復旧したことを発表した。これまでのところ、顧客の個人情報や開発情報などの漏えいは確認されていないとしている。
ホンダによると、6月8日午前9時頃から外部からのサイバー攻撃によってコンピューターサーバーへのアクセスのほか、社内システムや電子メールの利用などに障害が起きたとのこと。
日本でも完成車の検査システムが不調になり、車を生産する3工場の一部で出荷を一時見合わせた。さらに海外の工場では、イギリスのスウィンドン工場のほか、北米、トルコ、イタリアなど9つの工場が影響を受けて生産を一時停止していた。
ホンダの社内調査によると、同社のサーバーが外部からサイバー攻撃を受けたことが原因で社内のネットワークにコンピューターウイルスが広がったとみられ、ある決まった時間にサーバーにアクセスした社員のパソコンでウイルスへの大規模な感染が確認されているという。
使われたのはランサムウェア
今回使われたコンピューターウイルスは、パソコンなどを使用不可能にし、元に戻す見返りに金銭を要求するメッセージが画面に現れる「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるものとみられる。
平成29年には「WannaCry(ワナクライ)」と呼ばれるランサムウェアが世界中で大規模な攻撃を仕掛け、日本でもホンダのほか、日産自動車や日立製作所などが被害を受けた。
新型コロナウイルスの影響でテレワークなどを開始し、社外から会社のネットワークに接続する機会も増えているなかで、企業を狙うサイバー攻撃の脅威が高まっている。
新型コロナウイルスの関係で急遽テレワークを開始した企業などではサーバーが脆弱な場合も多く見られており、特に注意が必要だ。
【関連リンク】
・サイバー攻撃受けたホンダ、世界の工場復旧(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200612-OYT1T50263/
・ホンダへのサイバー攻撃 社内ネット中枢を狙った新たな手口(NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200615/k10012471271000.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock