ニュース 2020.06.20 愛知県 新型コロナウイルス感染者の個人情報の誤掲載で賠償金支払いへ
愛知県が新型コロナウイルス感染者490人の氏名や入院先など非公開情報を県のWebサイトに一時誤って掲載した問題で、県は5月28日、氏名が掲載された396人に対して1人当たり4万円、氏名が掲載されていない94人に対しては2万円の賠償金を支払うことを発表した。
この問題は5月5日午前9時半頃から午前10時15分頃までの約45分間、県の新型コロナウイルス感染症に関するWebページに感染者情報が閲覧できる状態になっていたもの。
誤って掲載したのは、同県内発生事例1例目から495例目までの再感染者5人を除く490人分の個人情報で、患者の氏名、入院先、入院日、退院日などをはじめ、職場や家族など感染者同士の関係性を示す記述も含まれていた。
掲載に複数人での確認行われておらず
愛知県では新型コロナウイルス感染症の患者氏名、年代、住居地等の情報をExcelファイルで管理しており、同ファイルから個人情報を削除したものを新たに作成しWebページに掲載していたが、今回は誤って個人情報が載ったExcelファイルの方を公開したという。
さらにWebページの作成者と承認者が同じ人物であり、複数人での確認ができていなかった。
愛知県は今後、対象者全員にお詫びの文書と賠償金の承諾書を送付し、7月下旬以降承諾を得られた人から順次支払うとのこと。賠償金額については過去の個人情報の漏えいに関する裁判の判決を参考に決めたといい、賠償金の総額は1,772万円となる。
また、5月28日時点で誤って掲載された個人情報が転載されたり、悪用された例は確認されていないとしている。
愛知県感染症対策局の岡本範重局長は「患者や県民には、改めて深くお詫び申し上げる。再発防止に全力で努めたい」としている。
【関連リンク】
・新型コロナウイルス感染症Webページへの非公開情報の掲載に関する患者様への対応について(愛知県)
https://www.pref.aichi.jp/site/covid19-aichi/pressrelease-ncov200528.html
・愛知県 コロナ感染者の個人情報 HPに誤掲載で賠償金支払いへ(NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200528/k10012448871000.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
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