トピックス 2022.05.24 玄関ドアスコープ、外からの盗撮相次ぐ。対策方法は?
ドアスコープ(ドアにあるのぞき穴)から盗撮される被害が多発しているのをご存じでしょうか?
本来、ドアスコープは外から見えないような構造になっているので「盗撮できない」と思う人もいるでしょう。
しかし、単眼鏡という道具を使えば、簡単に部屋をのぞけてしまうのです。
現在、ドアスコープから部屋を盗撮する方法がネットで拡散されています。そのせいで、自宅での着替えをのぞかれたり、盗撮されたりなどの被害に遭う女性が少なくありません。
このような被害に遭わないためにも、盗撮されない対策を行うことがあなたにとっても重要です。
そこで今回は、ドアスコープの盗撮について、実際にあった事件や手口の詳細、のぞかれないための対策を紹介します。
あなたが被害を回避できるよう徹底的に解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ドアスコープからの盗撮被害が全国で広がっている
現在、ドアスコープからの盗撮被害が相次いでいます。
例えば、2021年8月、京都府で女性の着替えを盗撮した男性が逮捕されたニュースがあります。男性は市販で売られている単眼鏡を使ってドアスコープをのぞき、スマートフォンで盗撮しました。
警察によると、男性と女性は面識がなかったそうです。男性は2020年9月から盗撮を始め、200点に及ぶ女性の動画や写真を所持していました。
同じ時期に、大阪でもマンションに住む女性を盗撮した男性が逮捕されています。男性は、女性の跡をつけて住んでいる場所を特定し、ドアスコープから盗撮を行いました。
女性は盗撮されていることに気づき、室内から男性を撮影したことで逮捕できました。男性は他にも、同じマンションに住んでいる女性2人を盗撮していたそうです。
他にも、2019年の8月に、福岡県でドアスコープからのぞきをしていた男性が逮捕されています。さらに、2020年8月には、新潟県長岡署の巡査がのぞきをしたとして捕まった事件もありました。
このように、全国でドアスコープを利用した盗撮やのぞきの被害が多々あります。
しかし、ニュースで取り上げられているのはほんの一部にすぎません。外で音を立てずに盗撮される可能性が高く、気づかずに被害に遭っている人もいるでしょう。
最悪の場合、盗撮された動画が流出することもあります。そのため、ドアスコープからの盗撮は非常に怖いものだと考えた方がいいでしょう。
ドアスコープから盗撮する方法がネットで拡散されている
ドアスコープからののぞきや盗撮が相次いでいる理由として、ネットに盗撮する方法が拡散されていることがあげられます。
上記のニュースで捕まった男性の中にも、「ネットで方法を知った」と供述した人がいました。
ネットで拡散されている方法を簡単に紹介すると、単眼鏡を用いてドアスコープからのぞくという方法です。
単眼鏡とは、コンパクト型の望遠鏡のことです。コンパクトで持ちやすいことから、アウトドアや登山で使われています。
近くのものを拡大して見れるメリットもあり、美術鑑賞やスポーツ観戦で利用している人も多いです。
単眼鏡の中には、リバースドアスコープというアイテムもあります。家の中に侵入者がいないかをドアスコープからのぞいて確認するための防犯グッズとして販売されています。
しかし、単眼鏡を悪用することで、ドアスコープから盗撮が簡単にできてしまうのです。
ドアスコープは、そもそも何も道具を使わなければ、外から部屋を見ることはできません。
ドアスコープに使われている魚眼レンズが、部屋側からしか焦点が合わないようになっているためです。ですので、外に誰か来たとしても、あなたは相手から見られずに外の様子を確認できます。
一方、単眼鏡も魚眼レンズが使われています。
ドアスコープと単眼鏡は両方とも魚眼レンズが使われているため、のぞきをするのは一見難しく感じるかもしれません。しかし、とても簡単にできてしまうのが事実です。
実は、ドアスコープと単眼鏡はお互いのレンズが逆向きになっており、重ねると光の屈折が相殺されてしまいます。そのため、普通のガラスのように見えてしまい、部屋をのぞけてしまうのです。
また、単眼鏡はあらゆるものを拡大して見られるように作られているため、ピントを調節できます。ですので、調節できる範囲内であれば、どの家のドアスコープでも焦点を合わせてのぞくことができます。
単眼鏡はネット通販でも2000円程度で買えてしまう商品です。つまり、誰でも手の届く価格で簡単に盗撮が行えてしまうのです。
ドアスコープを取り外して盗撮される可能性も
単眼鏡を使う以外にも、ドアスコープを外から取り外してのぞくことができます。
古いマンションやアパートでは、ねじで止まっているだけのドアスコープが少なくありません。そのため、ペンチなどの工具でくるくる回せば簡単に外せます。
外すことでドアに穴ができ、その穴に小型カメラを入れることで、盗撮もできてしまいます。
気づく人もいるかもしれませんが、カメラが小さいため、気づかない人も少なくありません。ですので、いつの間にか着替えを盗撮されるという可能性が大いにあります。
ドアスコープを通しての盗撮を防ぐ方法3選
盗撮やのぞきの被害に遭わないためにも、対策をしておきましょう。今回は3つの方法を紹介します。
1つ目は、室内側にドアスコープのカバーを取り付ける方法です。
現在、ドアスコープ用のカバーが多数発売されています。カバーをしてのぞけないようにし、誰か来た時だけカバーをスライドして外をのぞけるアイテムです。
ネット通販でも1000円以下で購入できるため、手軽に対策が行えます。デザイン性の高いものや有名キャラクターの形状をしたカバーもあるため、インテリアとしても利用できるでしょう。
カバーを購入しなくても、カレンダーを代用する方法もあります。他にも、ガムテープなど家にある物でドアスコープを塞ぐことができるので、いろいろ試してみてください。
2つ目は、外から取り外せないドアスコープに交換する方法です。外側から回しても空転して取り外しにくいドアスコープが売られています。
設置も簡単です。ねじを締めるのと同じようにドアスコープを回しながら固定するだけです。
ただし、賃貸の場合、大家さんの許可が必要かもしれません。相談して、問題がなければ交換してみてください。
3つ目は、防犯カメラを設置して犯行を防ぐ方法です。
防犯カメラを設置することで、不審な人が近づけなくなるため、盗撮される可能性を低くしてくれます。万が一盗撮された場合も、犯人を特定できるので、すぐ逮捕に繋げられます。
また、防犯カメラ付きのドアスコープに交換することも有効です。
外で動きがあると、ドアスコープ内にあるセンサーが反応し、防犯カメラが作動します。そのため、万が一盗撮されても、普通の防犯カメラ同様、犯人の特定ができるでしょう。
終わりに
現在、ドアスコープを通しての盗撮が全国で多発しています。
2021年8月頃に京都府と大阪府それぞれで、ドアスコープから単眼鏡を使って女性宅を盗撮した男性が逮捕されました。
他にも、福岡県や新潟県でドアスコープからのぞきをして逮捕された男性がいます。
しかし、これらの事件は氷山の一角です。ドアスコープから室内をのぞかれても気づきにくいため、いつのまにか盗撮されている場合もあります。
1人暮らしの女性を狙っていることが多く、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
単眼鏡を使ってドアスコープから盗撮できるのは、それぞれのレンズの向きが逆であることが原因です。
それぞれのレンズを重ねると屈折が解消され、普通のガラスのようになり、のぞけてしまいます。
また、古いマンションやアパートでは、ドアスコープを外から取り外せるケースも少なくありません。取り外された後、穴に小型カメラを差し込むことで簡単に盗撮されてしまいます。
そのため、部屋の中を盗撮されて、不快な思いになることや傷つくことがないよう対策が必要です。
具体的な対策として、ドアスコープ用カバーの取り付けや、外から取り外せないドアスコープに交換する方法があります。家に近づけないようにするために、玄関前に防犯カメラを設置するのも1つの手段です。
あなたも安心して暮らせるよう、今すぐドアスコープの盗撮対策を行ってみてはいかがでしょうか。
【関連リンク】
・玄関ドアスコープ、外からの盗撮相次ぐ…単眼鏡悪用手口がネット拡散
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220207-OYT1T50182/
・ドアスコープから着替え中の女性を盗撮疑い、42歳男を再逮捕 スマホに写真や動画200点
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/620260
・のぞき疑い34歳巡査部長逮捕
https://jp.reuters.com/article/idJP2020081801002611
・ドアスコープ「外からのぞける」 内側から目隠しなど自衛を
https://mainichi.jp/articles/20191007/k00/00m/040/041000c
・リバースドアスコープとは?犯罪から身を防ぐためにすべきこと
https://secual-inc.com/navi/2021/11/30/2021113026/
・ドアスコープからも行われているのぞき対策の必要性について
https://www.alsok.co.jp/person/recommend/1013/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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