トピックス 2022.05.13 カフェ、電車の中であなたのスマホがのぞかれている。プライバシーフィルターの重要性について解説。
電車でのスマホやカフェでのPC作業はセキュリティ面で危険な行為です。
公共の場所でスマホやPCに集中していると、不特定多数の人に画面をのぞかれる可能性があるためです。
もし友達とのメッセージやSNSをのぞかれた場合、個人情報を知られてしまう恐れがあります。
また、カフェでPCを使って仕事をしていた時に画面を見られていたら、機密情報の漏洩になりかねません。
しかし、プライバシーフィルターを用いている人やのぞき見対策をしている人はほとんど見受けられないのが現状です。
今回は、スマホののぞきによる危険性やプライバシーフィルターの重要性、のぞきの対策方法について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
他人からスマホをのぞかれている可能性は高い

あなたがスマホを操作している間、多くの人にのぞかれている可能性があります。
ソフトバンクが2015年に「通勤・通学に電車やバスを利用するスマートフォンユーザー500人へのスマートフォン利用実態調査」という調査を実施しました。
その結果、77.0%の人が電車やバス内で他人のスマホをふと見てしまった経験があると判明しました。さらに、13.6%の人ががっつり見てしまった経験があったのです。
また、他人のスマホを見たときに目に映った内容についての回答を見ると、「LINEやメッセージアプリなどの友人や知人のメッセージ」「配偶者や恋人とのメール」「友人や知人とのメール」などがあがりました。他にも「Facebook」などを見てしまった人もいます。

この調査から、多くの人が通勤・通学中に他の人のスマホを見ていることがわかります。
電車と同様に、カフェにものぞき見による情報漏洩のリスクがあります。
レンタルオフィスなどのワークスペース提供会社「リージャス」が行った調査によると、世界100か国の経営者約2万人に最もビジネスの情報が漏れてしまう場所について聞いた結果、「カフェ」をあげていました。
また、機密情報を漏らしてしまう行為について、第3位に「ノートパソコンを肩越しにのぞき込まれる」ということがわかりました。
つまり、世界中の会社のトップがカフェでののぞき見を危険視しているのです。

のぞき見による機密情報の入手は、簡単なうえに、成功率が非常に高いです。
アメリカの化学・電気素材メーカーの3Mがのぞき見によるハッキングの実験をしたところ、91%の確率で盗み見できました。
そのうち52%がスクリーンによるのぞき見で、ログイン情報などの機密情報を盗めました。
このことから、電車やカフェでののぞき見による情報流出は誰にでもありうることで、対策をする必要があります。
プライバシーフィルターを取り付けることがのぞき対策になる

スマホやPCをのぞかれない対策として、プライバシーフィルターを取り付けるという方法があります。
プライバシーフィルターとは、液晶画面などに貼り付けるフィルターのことです。ルーバーという遮光部がストライプ状に並んでいる構造が特徴です。
フィルターを取り付けると、正面からは見えますが、上下左右からのぞくと遮光機能によって画面が見えません。スマホやPCを外で使用しても他人からのぞかれるリスクが減るため、安心して操作できます。
ただし、プライバシーフィルターによっては正面からも見えにくい場合があります。自宅などの誰からものぞかれない場所では、かえって邪魔になるかもしれません。

その場合、マグネット式のプライバシーフィルターがおすすめです。取り外しが簡単なため、個人情報を保護したい時だけ利用できます。
他にも、プライバシーフィルターとして利用できるスマホアプリがあります。画面の色や柄、明るさを調整することで、フィルターのように見えにくくなるのが特徴です。無料アプリもあり、気軽に使えます。
プライバシーフィルターを使うことで、個人情報や機密情報を守れるのでぜひ使用してみてください。
プライバシーフィルター以外の対策もしてリスクを最小限に

プライバシーフィルターは上下左右からは見えにくくなります。
しかし、電車であなたの背後に立っている人がいた場合は、あなたと同じ方向、つまり、正面からのぞけてしまう可能性があります。
プライバシーフィルターの構造上、正面の画面を遮るのは不可能なので、別の対策が必要です。
対策として、できるだけスマホの画面を暗くしましょう。画面を暗くすることで、後ろからでは画面が見えづらくなるため、のぞかれるリスクを軽減できます。
電車でスマホを使うのであれば、人に囲まれないように壁側に立ちましょう。
電車の窓ガラス付近に立つのはおすすめできません。窓ガラスにスマホ画面が反射して映り、ガラス越しにのぞかれてしまう可能性があるためです。

「そこまでして見る人はいないだろう」と思うかもしれませんが、実は意外と多いのです。
ソフトバンクの調査によると、「他人のスマートフォンの画面の内容を見た・見えてしまったのはどのようなシチュエーションからでしたか」という質問に「自分が立っているときに窓ガラスが反射して」と回答した人が11.2%いました。
そのため、窓ガラスから個人情報を盗まれるリスクもゼロではありません。できるだけ映らないよう壁に立ってスマホを操作しましょう。
また、ログイン方法の設定を生体認証や2段階認証に変更することも有効です。
生体認証はあなたの指紋や顔でログインを行えます。そのため、他者から不正アクセスされることはありません。

二段階認証はIDやパスワードを入力した後に、ログインごとに毎回変更するワンタイムパスワードの入力が求められる認証方法です。
ワンタイムパスワードには、SMSに送られるタイプと認証アプリを用いたタイプがあります。
どちらのタイプもあなたの使用しているデバイスでしかパスワードを見れません。
そのため、二段階認証を設定することで、万が一ログインIDが流出しても不正アクセスを防げます。
終わりに

現在、多くの人が外でスマホを使用していますが、カフェや電車で操作していると誰かにのぞかれる可能性があります。
電車内では友人や知人、恋人や配偶者のメッセージなど、個人情報を見られるリスクがあります。
カフェで仕事をしている人の場合、取引先のメールなど、機密情報を見られてしまい、悪用される恐れがあるため非常に危険です。
知らない人にスマホ画面をのぞかれないためにも、対策を行いましょう。
対策として、プライバシーフィルターを取り付ける方法があります。フィルターの構造によって、上下左右からスマホをのぞかれないため、セキュリティが向上します。
スマホアプリのフィルターを利用しても問題ありません。
他にも「スマホの画面をできるだけ暗くする」や「電車は窓ガラスがないところに立つ」「IDやパスワードを使ったログインは避ける」ことがのぞきや情報漏洩を防止する対策になります。
あなたの情報が流出しないためにも、普段から周りを気にしながらスマホを使うことを心がけましょう。
【関連リンク】
通勤・通学に電車やバスを利用するスマートフォンユーザー500人へのスマートフォン利用実態調査
https://www.softbankselection.jp/privacy_enquete/
Global Visual HackingExperimental Study: Analysis
https://multimedia.3m.com/mws/media/1254232O/global-visual-hacking-experiment-study-summary.pdf
情報漏洩リスクが高い場所、日本は「電車の中」が最多 - 世界は「カフェ」
https://news.mynavi.jp/article/20141201-a027/
スマホの『のぞき見』防止!電車などで他人の視線から個人情報を守るための対策5選
https://time-space.kddi.com/mobile/20210405/3095
思ったよりも危険!電車内でのスマホ覗き見対策を本気で考えるべき理由
https://soraris39.com/archives/2459
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
