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「ながら運転」の厳罰の強化。運転しながらのテレビはどれくらい危険なのか?

トピックス 2022.05.23 「ながら運転」の厳罰の強化。運転しながらのテレビはどれくらい危険なのか?

「運転中でも少しぐらいならカーナビでテレビを見ても大丈夫だろう」と思っていませんか?もしそう考えているのであれば、今すぐやめましょう。

なぜなら、近年、運転中にカーナビやスマホを操作する「ながら運転」が要因の交通事故が多発しているためです。事故によって、多くの負傷者や死者が出ています。

たった数秒カーナビやスマホをさわるだけで、あなたが事故の加害者になるかもしれないのです。

しかし、「ながら運転の対象範囲はどこまでなのか」「食事や化粧をしながらの運転は大丈夫なのか」と詳しくわからない方も少なくないでしょう。

今回は、ながら運転の違反対象や罰則、スマホをさわらない方法を紹介します。

あなたが「ながら運転」による事故を防げるよう詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

携帯電話での通話やカーナビ、スマホの注視が「ながら運転」の対象

「通話」と「画像の注視」が「ながら運転」の対象

道路交通法によると、「通話」と「画像の注視」が「ながら運転」の対象です。

「通話」はスマホを含む携帯電話やトランシーバーなどの無線機での通話が対象です。片手や両手での電話が交通違反に該当します。

「画像の注視」は、カーナビでのテレビやスマホの画面を見て運転することを意味します。タッチパネルの操作に関しても違反対象です。

「注視」の定義は、法律上で明記されていません。一般的に2秒以上が注視であるといわれています。

しかし、1秒スマホを見ただけでも、警察から違反と判断されるかもしれません。

「注視」の定義

そのため、運転中にカーナビやスマホを見るのは絶対にいけない行為だと認識してください。

なお、赤信号で車が停まっているときのスマホ操作は対象外です。法律上では自動車が動いている時のみ違反行為となります。

しかし、マナーとしてさわらない方がいいでしょう。カーナビやスマホに集中しすぎて、周りに迷惑をかける可能性があるためです。

例えば、スマホをさわっている間に、いつの間にか青信号になっていたという経験はないでしょうか?

後ろの車にクラクションを鳴らされて、青信号になったことに気付いたという方もいると思います。

停車中にスマホをさわるのはやめましょう

このように、カーナビのテレビやスマホに集中してしまうと、交通状況の変化に気づけません。

そのため、違法ではなくても、停車中にスマホをさわるのはやめましょう。

運転中の飲食や化粧は「ながら運転」の対象ではない

運転中の飲食や化粧は「ながら運転」の対象ではない

運転中にごはんを食べたり、化粧をしたりするのは「ながら運転」の対象ではありません。タバコを吸いながらの運転も対象外になります。

ただし、道路交通法では、安全運転の義務について記載されています。

安全運転の義務とは、交通状況に応じて、他者を巻き込む事故を起こさないよう速度と適切な操作方法で運転することを意味します。

つまり、片手で食べ物を持ったり、化粧品を使ったりした運転は適切とは言えません。

運転だけに集中することが大切

「ながら運転」は基本的に片手での運転です。危険が生じた場合、両手で運転するよりも操作しにくくなります。

さらに、運転以外に集中しすぎて、交通状況の認識が遅くなることもあるでしょう。

もし食事や化粧の最中に人や車に衝突したら、安全運転義務違反で罰則を受ける場合もあります。

「ながら運転」の対象でなくても、事故を起こせば違反行為になるため、運転だけに集中することが大切です。

「ながら運転」は死亡事故を招くほど危険な運転

「ながら運転」は死亡事故を招くほど危険な運転

「ながら運転」は死亡事故を招くほど危険な運転です。スマホゲームアプリ「ポケモンGO」による死亡事故について、記憶に残っている方もいるでしょう。

2016年10月に運転中ポケモンGOをしていたトラック運転手が、横断歩道を渡っていた小学生をはねた事故です。はねられた小学生は、9歳という若さでこの世を去りました。

他にも、スマホを使用しながらの運転による交通事故は少なくありません。

警視庁のデータによると、2020年のながら運転の交通取り締まりの件数は30万件もありました。

スマホゲームアプリ「ポケモンGO」による死亡事故

さらに、ながら運転が要因の事故は1,283件あり、その内死亡事故は20件もあります。

2020年といえば、2019年12月に「ながら運転」を厳罰化した次の年です。

2018年と2019年では、「ながら運転」の事故が2年とも2,500件以上起きました。その内死亡者数は2年連続で40名以上を超えています。

2020年と比較すると半減しましたが、まだまだ減っていないのが現状です。

「ながら運転」は免停の可能性もある

現在の「ながら運転」の罰則

現在の「ながら運転」の罰則を見てみましょう。罰則は「保持」と「交通の危険」の2種類があります。

「保持」は、運転中にスマホを片手で持っていたり、カーナビやスマホを見つづけたりした場合にかかる罰です。

普通車の場合、反則金として18,000円を支払わなければなりません。
また、点数3点が付きます。

過去の交通違反と合わせて6点以上になった場合は、6か月以下の懲役又は10万円以下の罰則が科せられます。

「交通の危険」

「交通の危険」は「ながら運転」中に事故を起こした時に与えられる罰です。

ただちに刑事手続きとして処理されます。罰則は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。点数も6点付与されるため、一発で免許停止となります。

たった数秒間カーナビのテレビやスマホを見ただけでも、重い罰則を受ける可能性があるので注意しましょう。

「ながら運転」をしないための対策3選

ハンズフリーキットという機器を車内に装着

「運転中に使ってはいけないけど、さわりたくなってしまう」という方もいるでしょう。

そのような場合、スマホをさわらないための工夫が必要です。ながら運転を防ぐ方法を3つ紹介します。

1つ目は、ハンズフリーキットという機器を車内に装着する方法です。

ハンズフリーキットは、スマホとBluetoothでリンクさせることで、スマホを音声で操作できるようになるアイテムです。

ハンズフリーで通話ができるため、安全性が高くなります。

最近では、ハンズフリーで通話できるカーナビも販売しているので、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、道路交通法には触れませんが、条例違反になる地域があるので注意してください。

運転中にスマホの通知が来ないよう設定する

2つ目は、運転中にスマホの通知が来ないよう設定する方法です。スマホをさわってしまう理由として、「通知が気になるから」という方もいるでしょう。

通知しない設定にすれば、スマホを気にせず運転に集中できます。

現在、スマホが運転中であると判断した時だけ通知が来なくなるように設定できる機種があります。

また、ながら運転を防止するアプリがあり、簡単な設定をするだけで運転中の通知をなくせるのです。メッセージが頻繁にくる人におすすめです。

AI搭載のドライブレコーダー

3つ目は、AI搭載のドライブレコーダーを取り付けて、ながら運転を警告してもらう方法です。

AI搭載のドライブレコーダーには、車内を撮影するカメラが搭載されています。

「ながら運転」すると、車内カメラの映像をもとにAIが解析して、あなたに注意をしてくれるのです。

注意を受けることで、スマホをさわることをやめ、事故のリスクを減らせます。

今回は3つの対策を紹介しましたが、それでもさわってしまうのであれば、スマホを手に届かないところに置きましょう。

後部座席などに置けば、運転中は届かないので、確実にながら運転をやめられます。

終わりに

手に届かないところに置くことも有効

今回は「ながら運転」について紹介しました。

ながら運転は携帯電話を持ちながらの通話や、カーナビやスマホの注視が対象になります。

飲食や化粧をしながらの運転は対象外です。しかし、もし事故をした場合、罰則を受ける可能性もあるため、基本的にやってはいけません。

ながら運転は死亡事故になるリスクもあります。2020年には、1,000件以上の取り締まりがあり、20人もの死者が出ました。

ゲームをやりながら運転した結果、小学生を跳ねて死なせてしまった事故も起きています。

ながら運転をすると、一発免停の可能性があるので、あなたにとっていいことはありません。

ながら運転を防ぐ対策は、「ハンズフリーキットの使用」や「運転中のみ通知オフにする方法」、「AI搭載のドライブレコーダーの装着」があります。

もし難しいのであれば、手に届かないところに置くことも有効です。

あなたが楽しく快適なカーライフを送れるよう、ながら運転は絶対にやめましょう。

【参考サイト】

やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html

ながら運転防止対策にはなにがある?おすすめのながら運転防止グッズを紹介
https://www.goo-net.com/magazine/knowhow/accessories/46169/

iPhone「ドライブモード」の設定のやり方。運転中の通知をオフにする
https://sumahosupportline.com/iphone-drive-mode/

今月配信されたアプリ「eGUARD」が「ながら運転」を抑止!
https://tabi-labo.com/293097/wt-eguard

「ながら運転絶対にやめて」ポケモンGO死亡事故から5年、遺族訴え
https://www.asahi.com/articles/ASPBV7RM2PBVOIPE00D.html

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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