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インターネットサービスの利用規約、全部読んでいるユーザーは一体何%?利用規約を読まないリスク

トピックス 2021.11.19 インターネットサービスの利用規約、全部読んでいるユーザーは一体何%?利用規約を読まないリスク

インターネット上のサービスに登録する際に、必ずといってもよいほど同意が求められる利用規約。

サービスを利用する上で大切なことが書いてあるのは間違いありませんが、実際に全て読んでいるユーザーはどのくらいいるのでしょうか。

公正取引委員会が2021年4月に2,000人を対象に実施した調査によれば、利用規約を全て読んで同意するユーザーは、わずか5.5% 。

何度もスクロールしなければいけないほど膨大な文章の全てを読むのを面倒に感じるのは仕方がないかもしれません。

しかし、利用規約を読まなかったことでトラブルが発生するケースもあります。

この記事では、利用規約の重要性について解説していきます。

なぜ利用規約は必要なの?インターネット利用規約に記載される内容とは

「利用規約」とは

「利用規約」とは、利用者に対して、サービスを提供する事業者が利用上のルールをまとめたもの。

頻繁に目にするのが、アプリケーション等をダウンロードする際に、利用規約の画面が表示され、それに「同意する」または「同意しない」を選択する形式。「同意する」を選択しなければ、ダウンロードできません。

ダウンロード以外では、SNS、クラウド型サービス、マッチングサービスなどのインターネットサービスにおいても「利用規約」の同意が条件となっています。

一般的に利用規約に記載されている内容は次の通りです。

● 利用規約を変更する方法
● サービス内容の説明
● 利用する際のルール
● 利用料金と支払方法
● コンテンツの権利帰属について
● 利用する際の禁止事項
● 規約違反に対する罰則
● 損害賠償について
● 免責について
● サービスの中止、変更、終了について
● 裁判管轄について

サービス提供者にとって「利用規約」は必要不可欠

利用規約は、法律上絶対に作成しなければならないというものではありません。

しかし、ユーザーとトラブルで裁判になった際に、対応の正しさを証明する根拠になるためサービス提供者が作成します。

例えば、ユーザーの不適切な投稿に対して削除する必要が発生した場合、利用規約に「投稿が法令に違反し、事業者が不適切と判断した場合には、利用者の了解を得ることなく削除することができる」と規定しておけば、事業者の判断で削除することが可能。

サービス提供者にとって「利用規約」は、ユーザーとのトラブルを未然に防ぎ、サービス内の秩序を保つためにも必要不可欠なものです。

利用規約を完全に読んでいるのは5.5%!大多数が利用規約を飛ばし読みしている?

公正取引委員会による実態調査

何度も画面スクロールが必要になるほど、難解な法律用語が並んでいる利用規約。最後まで読まずに同意してしまう人が多いのではないでしょうか。

2020年4月、公正取引委員会による「検索エンジン・SNSプラットフォーマーに関する独占禁止法・競争政策上問題となるおそれのある取引慣行等」の実態調査が行われました。

この実態調査の中では「利用規約のあり方」が注目され、利用者が、規約の存在を認識し、読み終えて同意するという工程をどの程度自覚的に行なっているのか、または行なっていないのかの調査を、2,000名規模のアンケートによって実施しています。

多くのユーザーは飛ばし読みしかしていない

アンケートの結果では、利用規約を全て読んで同意しているユーザーは全体の5.5%、2,000人中わずか110人。「利用規約」に関して認知はしているがところどころしか読んでいないという層が、合計72%。

多くのユーザーは、利用規約を認知し目は通してはいるものの、飛ばし読みしかしていないことが判明しました。

読まなくて大丈夫?利用規約の安易な「同意」に潜むリスクとは

利用規約の安易な「同意」に潜むリスク

多くの日本人が利用規約を完全に理解することなく、飛ばし読み程度で「同意」している実態が分かりましたが、利用規約を読まないことによるリスクはないのでしょうか?

「利用規約を読まないことによるリスク」で問題となった事件についてご紹介します。

コインチェック580億円流出!事業者は「賠償する責任を一切負わない」

コインチェック580億円流出!

2018年1月26日未明、不正アクセスにより仮想通貨取引所のコインチェックが顧客から預かるほぼ全ての通貨、約580億円が流出する事件が発生しました。

この事件では、利用規約にコインチェック側が「賠償する責任を一切追わない」と記載されていたことから大きな問題となりました。

しかし、ユーザーと事業提供者間におけるBtoC取引は、事業者の損害賠償責任の全てを免除する規定は消費者契約法に抵触するものとして無効(同法8条1項1号及び3号)。

そのため、最終的には、保有していた約26万人全員に日本円で返金されました。

ただ、コインチェックが「無効」となる可能性があることを知りながら、敢えて「賠償する責任を一切追わない」と利用規約に記載したのであれば「利用規約に同意したのだから仕方がない」と一定数のユーザーが諦めることを狙った可能性もあると指摘されています。

コインチェック以降も同様の事件が相次いで発生

コインチェック以降も「Zaif70億円ハッキング」など同様の事件が相次いで発生しています。

今回は無事返金されましたが、インターネット上で高額な取引をする際には、安易に利用規約に同意するのではなく、規約を隅々まで読んだ上で、法律に抵触していないか、万が一損害が出た場合の補償なども細かくチェックしておかなければ、気が付かないうちに大きな被害を受ける可能性があります。

「事業者側の過失でも責任は負わない」モバゲーの利用規約に苦情殺到

モバゲーの利用規約に苦情殺到

2020年11月、ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するモバゲーの利用規約について、東京高裁は一審に続き、不当な免責条項に当たるとの判断を示しました。

モバゲーの利用規約には「当社の措置によりモバゲー会員に損害が生じても、当社は、一切損害を賠償しません」と記載されています。

そのため、システムトラブルによる二重課金や、アイテム購入後の大幅な性能変更など、モバゲー側の過失や債務不履行が想定される事態でも責任を負うことはありません。

さらに、会員同士でやり取りするチャット機能の利用規約では「他の会員に不当に迷惑をかけた」「会員として不適格」とDeNAが判断した場合、利用停止や会員資格の取り消しができると規定。

お金のやり取りが発生するサービスでは必ず利用規約を読む

そのため、「課金をしたばかりでサイト内に2万円が残っているのに突然利用停止となった」「システム障害による損金なのに返金しないと言われた」など多くの苦情が国民生活センターに寄せられました。

消費者団体「埼玉消費者被害をなくす会」は、このような苦情を踏まえ、モバゲーの条項が消費者契約法に違反すると訴え、DeNA側は規約の一部の差し止めを命じられました。

今回のモバゲーのような問題は、通販サイトやネットゲーム事業者などインターネット関係の企業を中心に広がっており、規約違反を理由に有無を言わさず利用停止に追い込まれ、泣き寝入りするユーザーも多いようです。

課金するゲームのように、お金のやり取りが発生するサービスでは必ず利用規約を読み、明らかにユーザーに不利な項目がないかを事前に必ずチェックしなければ思わぬ損害を被ることになるでしょう。

後悔しても手遅れ?私達の日常生活に潜む「利用規約」を読まないことによるリスク

日常生活に潜む「利用規約」を読まないことによるリスク

私たちの日常生活に深く浸透しているインターネット利用規約。多くのインターネットサービスやアプリ、ソーシャルメディア(SNS)で頻繁に「同意」を求められます。「利用規約」を読まなかった場合、どのようなリスクが発生するのでしょうか。

利用規約に従う義務が発生する

膨大な利用規約の全文を読んで内容をすべて把握することは困難ですが、「利用規約」は利用者とサービス提供者の間に契約合意を形成するもの。「同意する」を選んだ以上、規約に従うことが求められます。

明らかに悪質なケースを除いて、ユーザーが、利用規約を読まずに同意した後で「そんな契約をした覚えばない」と反論するのは難しいでしょう。

一度同意した利用規約が「変更」される

利用規約は「理由の如何を問わず本規約をいつでも任意に変更することができる」などの規定が入っているのが一般的。

このようなケースでは、ユーザーが気付かないうちに規約が変更され、それまで可能だった操作などが突然できなくなることも。そのため、一度同意した利用規約の「変更」にも注意しなければいけません。

SNSに投稿したコンテンツの知的財産権が奪われる

最もトラブルになりやすいのが知的財産の帰属。例えば、自分が撮った写真や動画をSNSに投稿する場合、その著作権がどこに帰属するのかは「利用規約」をよく読んで、注意深く確認しておきましょう。

Instagramでは「利用者がサービス上で、またはサービスを通じて投稿するいかなる利用者のコンテンツについても、(Instagramは)その所有権を主張しません」と記載されています。

しかし、「アプリ上の写真や文章はすべてサービス提供側に帰属する」と利用規約に記載されている場合、利用者が撮影したり執筆した写真や動画、文章などのコンテンツは、すべてサービス提供者のものになってしまうので注意しましょう。

個人情報を収集される

利用規約のなかには、個人情報保護を盛り込んでいるものがあります。GoogleやFacebook、Amazon、Appleなど多くの大手サービス事業者は、利用者のメールアドレスやID(指紋)、位置情報、デバイス情報、個人情報やデータを収集しています。

これらの情報は、第三者に共有される可能性が全くないとは言い切れません。個人情報の悪用が懸念される場合には、収集した情報をどのように利用するかなどを「プライバシーポリシー」を通じてチェックしておくことをおすすめします。

これだけは必ずチェック!リスクを回避する4つのポイント

リスクを回避する4つのポイント

アカウントが停止される基準

安心してインターネットサービスを使い続けるために、最も気を付けるべきポイントのひとつが「アカウントの停止基準」。

長期間継続してきたソーシャルメディア(SNS)などのアカウントが突然停止した場合、築き上げたコミュニティを失うだけでなく、親しい人達との連絡が途絶えてしまう可能性もあります。

例えば、Instagramの「利用規約」では「他人へのなりすましや不正確な情報の提供は禁止」などに加えて、「コミュニティガイドライン」では「テロリズムや組織的犯罪、煽動集団を支援、性的サービスの提供、個人間での銃火器やアルコール、タバコ製品の売買、ならびに違法薬物または処方薬の売買」を禁止。

従わない場合は、警告なくアカウントが無効になる可能性があります。法令違反につながる内容だけでなく、サービスの理念に反する行為が規定される場合があるので、長期的にサービスを利用するためには、細かく内容を把握する必要があります。

金銭に関するルール

PayPayや楽天Edyなどのお財布ケータイやフリマアプリなど金銭のやり取りが発生するサービスの場合、以下の項目は必ずチェックしましょう。

お金を支払うタイプの場合
 ・支払い金額の計算方法
        ・支払い期限
        ・支払い遅延時のペナルティ(遅延利息等)
        ・購入したポイントから支払う場合は、そのポイントの有効期限
        ・返品・返金を受けられるルール

 お金を受け取るタイプの場合 
              ・受け取り金額(売上金)の計算方法
              ・入金される期限(入金日、振込手数料、振込最低売
              ・売上の取消ルール
              ・受け取り金額がポイント化される場合、失効期限

退会・解約ルール

サービスによっては、退会・解約時に「進行中の取引がある場合は解約できない」など規定があるかチェック。 

支払いが発生する場合に関しては、年契約の途中解約は可能か、違約金の支払いは発生するのか、月契約の場合はいつまでに解約を申告すれば良いかなど必ず確認しましょう。

著作権に関するルール

インターネットサービス上のコンテンツをユーザー側が使用する場合、コンテンツには著作権が発生するため、以下の点を確認しておく必要があります。

1. 商用利用して問題ないか?
収益が発生しないプライベートでの使用なら問題ありませんが、広告収益が発生するブログやSNSなどへの利用は、商用利用にあたると考えて問題ありません。

使用する際には、翻案権や、著作者人格権に基づく同一性保持権などに関する規定を必ず確認しましょう。

2. コンテンツの著作権が侵害されないか?
投稿コンテンツが「投稿したサービス以外にも掲載・公表される可能性がないか」、もし、ある場合は「どこに掲載・公表されるのか」をチェック。

投稿コンテンツの著作権を、企業側に譲渡しなければならない、と記載されていた場合、譲渡に同意した場合は、前述の掲載・公表の範囲を明示していなくても、企業側が自由に利用できることになります。

終わりに

安易に同意せず、ルールのチェックを習慣付ける

私達の生活に深く浸透しているインターネット利用規約。多くのアプリケーション、ソーシャルメディア(SNS)は「利用規約」に同意しなければ使用できません。

公正取引委員会によるアンケートでは、利用規約を全て読んで同意しているユーザーは全体の5.5%。利用規約は長文で難解な法律用語が並んでいるため最後まで読まないユーザーが大多数を占めています。

しかし、利用規約を読まずに同意した場合、投稿したコンテンツの知的財産権がサービス提供者に奪われたり、個人情報を収集されるなど多くのリスクが潜んでいるかもしれません。万が一、トラブルが発生した場合、利用規約に同意したために泣き寝入りせざるを得ないケースもあります。

インターネットサービスを快適に利用し、リスクを回避するためにも、「利用規約」を読まずに安易に同意するのではなく①アカウントが停止される基準②金銭③退会・解約④著作権に関するルールのチェックを習慣付けましょう。

【参考サイト】

公正取引委員会(令和3年2月17日)デジタル・プラットフォーム事業者の取引慣行等に関する実態調査(デジタル広告分野)について(最終報告)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2021/feb/210217.html

利用規約を全部読んで同意するユーザーは何%??公正取引委員会「デジタル広告の取引実態に関する中間報告書」
https://www.cloudsign.jp/media/20200604-kiyaku-zenbu/

安易な同意はダメ!「利用規約」を読まないことによるリスク
https://otonanswer.jp/post/7160/

利用規約、ちゃんと読んでる? 「泣き寝入り」を避ける最低限のポイント
https://getnavi.jp/digital/283444/

日本経済新聞 モバゲー規約、二審も「不当」利用停止の賠償応じず
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65858300V01C20A1CC1000/

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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