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いつ起きてもおかしくない「首都直下型地震」の想定被害と防災知識

トピックス 2022.01.11 いつ起きてもおかしくない「首都直下型地震」の想定被害と防災知識

2021年10月7日、東京都や埼玉県の一部地域で、震度5強を観測する地震が発生しました。

東京都23区で震度5強の地震を観測したのは、まだ記憶に新しい東日本大震災以来はじめてのこと。10年ぶりの大きな地震に改めて「地震の怖さ」を痛感した人も多いのではないでしょうか。

また、今後30年以内に約70%の確率で発生するといわれている「首都直下型地震」ではないかと、危機感を抱いた人も少なくありません。

日本政府はこれまでに大震災で経験したことをもとに、総力を挙げて震災対策に取り組んでいます。しかしながら、地震は自然現象によるものですので、私たちができる対策としては「最大限の準備」「防災の意識を高めること」だけです。

そこで、この記事では、首都直下型地震で起こりうる被害と、その対策について深く掘り下げていきます。

「首都直下型地震」で予測される被害

「首都直下型地震」で予測される被害

昨今、懸念されている首都直下型地震。名前からして「東京を震源とする大きな地震」と認識している人も多いでしょう。

しかし、首都直下型地震とは『東京都、千葉県、埼玉県、茨城県、神奈川県、山梨県を含んだ南関東地域のどこかを震源として起こる、マグニチュード7クラスの大規模な地震』を指します。

「南関東直下地震」とも呼ばれており、内陸で起こる地震のため「直下型」と命名されました。過去に日本で起きた大きな地震「阪神・淡路大震災」と同等の被害が推測されています。

首都直下型地震で予測される建物の被害は最大で約610,000棟、最大死者数は約23,000人。電力に関しては、地震直後は約5割の地域で停電し、1週間以上も不安定な状態が続くといわれています。

また、震災時には家族の安否確認をする人が多いため通信が混雑し、約9割の通話規制が1日以上続く可能性もあるでしょう。そのような状況のなか、電話やメールで連絡を取り合うことは難しいと考えられます。

高い確率で発生する「南海トラフ地震」

ほかにも、都区部では約5割の家庭が断水。地下鉄や私鉄、在来線などの交通機関は1週間?1ヶ月と長い期間、復旧までに時間がかかるでしょう。

そして、このような甚大な被害が想定されている首都直下型地震が発生する確率は、30年以内に70%程度と非常に高い数値です(2020年1月24日時点)。

加えてもう一つ、高い確率で発生する「南海トラフ地震」。関西地方を中心とした南海トラフ地震は30年以内に70~80%の確率で発生し、マグニチュード8~9と首都直下型地震よりもさらに巨大な被害をもたらすといわれています。

地震は自然災害であり、それが起こるタイミングの正確な把握はできません。しかし、どのような被害が想定されているのかを知っておくことは、災害が発生したときに生き抜くための第一歩となるでしょう。

老朽化したビルが倒壊したり看板が落下したりする被害

もしも、大都市で大きな地震が起きた場合、どのような被害が発生するのかについて具体的にご説明していきます。

実際にどんなことが起こるのかを理解しておけば、いざというときに迅速に行動できるでしょう。

まず考えられるのは、老朽化したビルが倒壊したり看板が落下したりする被害です。大きなビルや建物が建ち並ぶ大都市では多くの危険が潜んでいます。

「地震によって命を落とす」というよりは、「地震による二次災害によって命を落とす」ケースが非常に多いことを覚えておきましょう。

誰とも連絡が取れなくなる状況

2つ目は電話やネットが繋がりにくく、誰とも連絡が取れなくなる状況です。

過去の震災経験からもうかがえますが、被災したときは電話やインターネットがなかなか繋がらず、誰とも連絡が取れなくなる状況も珍しくありません。

これは、一度に多くの人が通信を使い、回線が混雑するために起こる現象です。

また、通信施設が被災した場合にも、電話やインターネットが使えなくなる可能性があります。

そして自動車の渋滞や土砂崩れにより、道路が通れなくなる被害も予測できるでしょう。

道路が通れなくなる可能性

大地震が起こると、自動車で被害が少ない地域に移動しようとする人が多く、渋滞によって道路が通れなくなるケースがあります。

なかには自動車を乗り捨てて避難する人もいます。そうなれば、無人の自動車だけが放置され道を塞いでしまうのです。

加えて、山が近くにある場所では、土砂崩れが発生して道路が寸断される可能性も考えられるでしょう。

近年発生した大地震の恐ろしい被害

「東日本大震災」の被害

まずは、2011年3月11日に発生したマグニチュード9の巨大地震「東日本大震災」。この地震により、高さ10メートルにも及ぶ巨大津波が沿岸都市部を襲いました。

ほかにも、液状化現象や地盤沈下、ダムの決壊などの大きなダメージを受け、北海道から東京を含む関東まで広大な被害に見舞われたのです。

警察庁の発表によると死者数は15,000人を超え、行方不明者は2,500人以上もいます。交通機関は完全に麻痺し、自宅に帰れない帰宅困難者が続出しました。

政府の試算では、東日本大震災の被害総額はおよそ17兆円にものぼるといわれています。

「阪神・淡路大震災」の被害

そして、もう一つ強烈な印象を残しているのが、兵庫県南部を震源とした「阪神・淡路大震災」。

この巨大地震ではマグニチュード7.3を記録しました。死者数は6,400人を超え、約10万棟もの家屋が全壊しています。

東日本大震災ではおもに「津波」による被害が大きかったのに対して、阪神・淡路大震災では木造建物が密集する地域での「火災」が甚大なダメージを負わせました。

これらの大地震から「沿岸部に住んでいる方は必ず高台へ避難すること」、「木造建築物が密集している地域や山林の近くに住んでいる方は、すぐにその場から避難すること」などが、命を守るために重要な行動といえます。

大震災のリスクから身を守るためにすべきこと

「最低3日間、推奨1週間」の水や食料を備蓄しておく

もしも突然、大地震が発生したらあなたはどのような行動をとりますか?

事前に大地震を予測していても、常に身構えているわけではないため多くの人が動揺してしまうでしょう。

被災したときに迅速に行動できるようにするためには、日頃からシミュレーションをしたり防災グッズを準備しておいたりすることが重要です。

たとえば、政府からは「最低3日間、推奨1週間」水や食料を備蓄しておくようにと啓蒙されています。

ほかにも、ラジオや携帯トイレ、タコ足コンセント、ろうそく、マッチ、生理用品など、非常時に役立つアイテムを揃えておくと安心です。

家族で安否確認の方法を話し合っておく

また、これらの防災グッズ以外にも、下記のような点を備えておくと心配事を軽減させられます。

1つ目の備えとしては、家族で安否確認の方法を話し合っておくことです。先にもお伝えしたように、巨大地震が発生すると、すぐに電話やインターネットは通じなくなります。

そこでおすすめしたいのが、このような事態でも安定して利用できる「災害用伝言板」や「災害用伝言ダイヤル」などの無料サービスです。自分の電話番号に安否情報や伝言を録音できて、伝言を聞きたい人は全国どこからでも再生して確認できます。

これは総務省や大手キャリアなどから提供されているため、家族で使いやすいサービスを選んで事前に使い方などをチェックしておきましょう。

災害が起きたときの避難場所を決めておく

2つ目の備えは、災害が起きたときの避難場所を決めておくこと。

各市区町村で「指定緊急避難場所」「指定避難所」などが決められている場合がありますので、地域のルールに従って話し合っておくとよいでしょう。

指定緊急避難場所とは、住民の命の安全を確保するために緊急で避難する場所のこと。

一方で指定避難所とは、災害の危険性があって避難してきた住民が、災害のリスクがなくなるまで一時的に滞在する場所です。

これらは学校などの広い建物や、公民館といった公共施設などが指定されています。

「もしも災害が起きたら〇〇に集まる」などと避難場所を決めておけば、大切な家族と連絡が取れなくなってしまっても再会できる可能性が高まります。

家具の置き方を工夫する

3つ目の備えは、家具の置き方を工夫することです。

家の中で大きい家具といえば、食器棚・本棚・たんす・テレビ・冷蔵庫などですが、これらが自分の上に倒れてくると下敷きになり身動きが取れなくなってしまいます。

最悪の場合、打ち所が悪ければ命を落とす危険性も考えられるでしょう。

このため、大きな揺れが来ても家具が倒れてこないように、転倒防止の金具などを使って壁に家具を固定しておくことをおすすめします。

また万が一、家具が倒れても入り口が塞がらない配置を考えるのも重要です。

地震保険への加入も検討しておく

4つ目にご紹介する備えは、地震保険への加入も検討しておくこと

火災保険に加入している世帯は多いですが、「地震保険」にまで加入している人はそれほど多くありません。

火災保険とは、火災や自然災害によって被害を受けた家財や建物を補償する保険です。しかし火災保険の多くは、地震や噴火で引き起こされた「火災や津波などによる損害」についてはカバーしてくれません。

そのため、地震保険の加入も検討すべきですが、地震保険は単体での加入はできず、必ず火災保険とセットで加入する必要があります。詳しくは保険会社に確認してみてください。

終わりに

いざというときの準備をしておけば心配事を減らせる

今回ご紹介した震災対策は比較的安価に実行できるものばかりでしたが、ほかにも大地震が来る前に住宅の耐震性をアップさせる「耐震工事」をするのも一つの手段です。

住宅が揺れに強くなれば、首都直下型地震などの大きな災害に見舞われた際の被害をより抑えられるでしょう。

また、「備えあれば憂いなし」ということわざがあるように、いざというときの準備をしておけば心配事を減らせます

すぐに持ち出せる防災リュックを用意したり、家具を壁に固定したりといった防災行動に加えて、地震に関する正しい知識を身につけておくことも重要です。

いつ起きてもおかしくない首都直下型地震や南海トラフ地震は、音もなく私たちの暮らしに忍び寄っています。日々防災に対する意識を高めていきましょう。

【参考サイト】

・災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html

・地震では、どのような災害が起こるのか(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/jishin.html

・首都直下型地震はいつ起こる?気にしておくべき点と対策のポイント(地震の窓口)
https://www.jihoken.co.jp/kasai/jishinmadoguchi/cat1/250/

・特集 首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)‐内閣府防災情報のページ(内閣府)
http://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h25/74/special_01.html

・首都直下型地震や南海トラフ地震「いつ起きてもおかしくない」と専門家(Yahoo!ニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a0210d575b1d322d60039dcb9c9d6f728fb8e64d?page=2

・いつ起きてもおかしくない首都直下型地震から命をどう守るのか【専門家解説】(東洋大学)
https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/social/tokyo_near_field_earthquake/

・災害用伝言サービス(総務省)
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/net_anzen/hijyo/dengon.html

・第2節 地球環境・自然災害に関する予測(国土交通白書)
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r01/hakusho/r02/html/n1222000.html

・南海トラフで発生する地震(地震本部)
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kaiko/k_nankai/

・国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)(会計検査院)
https://report.jbaudit.go.jp/org/h26/YOUSEI1/2014-h26-Y1024-0.htm

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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