Sony
Sony
コロナ禍で大人気の「Uber Eats」や「出前館」。デリバリーアプリのセキュリティリスクとは?

トピックス 2021.11.24 コロナ禍で大人気の「Uber Eats」や「出前館」。デリバリーアプリのセキュリティリスクとは?

アプリを起動して数回タップするだけで、自宅まで出来たてご飯を届けてくれるUber Eatsを始めとする便利なデリバリーアプリ。

しかし、一人暮らしの女性などは、住んでいる場所や自宅にいる時間帯などを他人に知られることになってしまい、不安を感じてしまうことも多いのではないでしょうか?

個人情報が他人に知られてしまうことで、ストーカー被害や様々な事件に巻き込まれてしまうかもしれません。

この記事では、Uber Eatsを始めとしたデリバリーアプリのセキュリティリスクについて考えます。

拡大を続けるデリバリー需要。快進撃を続けるUber Eatsと出前館の沿革と今期の業績。

拡大を続けるデリバリー需要

コロナ禍の影響で外食を控える人が増えるなか、宅配によって料理を提供する「デリバリー」の需要が高まっています。

JMR生活総合研究所が2021年4月に実施した調査によれば「コロナ禍で初めてデリバリーを利用した人」は全体の17%。さらに「利用が増えた」が19.8%「今後も利用したい」が27.3%。

特に、お店に直接電話しなくてもスマートフォンの「デリバリーアプリ」から簡単に注文ができることも「デリバリー」人気を後押ししています。

「デリバリーアプリ」のなかで最も好調なのが「出前館」と「Uber Eats」。

楽天デリバリーやウォルトなど27チェーンを対象に行われた調査では「出前館」の認知が前回調査が行われた2020年4月の47.9%の5位から72.9%の1位、「Uber Eats」の認知も41.7%の7位から70.9%の2位と僅か1年で大きく飛躍しました。

「Uber Eats」と「出前館」の業績について

「デリバリーアプリ」には、複数の飲食店が加盟している「総合型」と、ピザやファミレスなど飲食チェーン店が直接運営している「専門型」の2種類があます。

「Uber Eats」と「出前館」はどちらも「総合型」。両サービスの沿革と今期の業績についてまとめました。

Uber Eats

Uber Eats (ウーバーイーツ)はサンフランシスコに本社を置く「ウーバー・テクノロジーズ」が2014年に始めたフードデリバリーサービス。

日本では、2016年に「UberJapan株式会社」によってサービスを開始。2021年9月末には、47都道府県全てを網羅。加盟店は95,000店を超え、第8期決算の純利益は126%と好調な業績が続いています。

出前館

1999年創業。2020年3月には LINEと資本・業務提携を結びました。2021年3月には加盟店が60,000店舗を突破。8月の期第3四半期(9-5月期)決算の売上高は前年同期比171%。

流通取引総額オーダー数(GMV)、加盟店舗数、アクティブユーザー数、全てにおいて前年同期比で大幅に上回り、配達機能を持たない店舗の配達を代行する「シェアリングデリバリー」のGMVは前年から約4倍増加。サービス提供対応地域は5月末時点で44都道府県まで広がっています。

好調な業績の一方で増加する相談件数と事件。その内容とは。

好調な業績の一方で増加する相談件数と事件

コロナ禍の影響でデリバリーが好調な一方、さまざまな問題が発生しています。

国民生活センターと全国の消費生活センターが運営するPIO-NETに寄せられた「インターネットを利用した食事宅配」に関する相談件数が、2019年度の95件から2020年度は259件で2.7倍の増加。

相談内容は「アプリ上では料理が届いているのに実際には届いていない」「サイトに掲載されていた料理と違うものが届いた」「配達員の対応が不適切だった」などアプリの不具合から配達員の態度まで多岐に渡ります。

しかし「デリバリーアプリ」のシステムの不具合や配達員への苦情だけでなく、警察沙汰になってしまうような恐ろしい事件も発生しています。

「デリバリーアプリ」の恐ろしい事件内容

スタンガン事件

2021年5月、Uber Eatsの配達員が釣り銭の受け渡し方を巡って口論となり、所持していたスタンガンを客の顔や胸などに複数回押し当て、怪我をさせたとして逮捕されました。

警察の取り調べに対し、配達員は「男性から暴行を受けたので反撃した」とコメントしています。この事件では、Uber Eatsの配達員が配達中にも関わらず「スタンガン」を所持していたことに対して利用者からは驚きと不安の声があがっています。

強制わいせつ未遂事件

2021年1月、帰宅途中の女子高生に後ろから近づき「おとなしくしろ」と言ってスタンガンを突きつけ暴行しようとした強制わいせつ未遂の疑いで、Uber Eatsの配達員が警視庁に逮捕されました。

周辺の防犯カメラには配達バッグを背負って自転車で走り回る容疑者の姿が映っていることから、出前を請け負う傍らで、女性を物色したことが伺えます。

この事件はスタンガン事件のように、配達先で起こった訳ではありません。しかし、配達員のなかに性的犯行を行う人もいるという事実は利用者にとってショックだったのではないでしょうか。

「個人情報がバレてしまう?」デリバリーアプリに潜むセキュリティリスクについて

デリバリーアプリに潜むセキュリティリスクについて

アプリを簡単に操作するだけで、美味しい料理を届けてくれる「デリバリーアプリ」。

コロナ禍の影響もあり、業績が拡大を続ける一方で、利用者による苦情や相談件数が激増し、身の危険を感じるような傷害事件も発生しています。

デリバリーアプリ利用の際に想定されるセキュリティリスクについてまとめました。

1.見知らぬ人を家に招き入れる危険

「デリバリーアプリ」を利用する場合、当然、誰かに料理を届けてもらうことになりますが、利用者側から配達員を指定することはできません。玄関先とはいえ、見知らぬ人を自宅に招き入れることになります。

例えば、Uber Eatsの配達員は業務委託契約で契約を結ぶため、雇用契約はUber Eatsとの間にありません。面接や採用試験もないため配達員になる敷居が低く、比較的簡単に配達員として働く事が可能。

そのため「配達員の素性が分からない」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

実際には、Uber Eatsの配達員は登録の際に身分証の確認と顔写真の登録がなされています。利用者からの評価制度も導入されているので、問題が起こることは稀でしょう。

しかし、デリバリーに限ったことではありませんが、玄関先から中に侵入される危険もあり、特に女性の一人暮らしの方は注意が必要です。

2.住所などの個人情報を知られる

「デリバリー」を頼む場合には、自宅の住所を知らせて配達してもらわなければなりません。ストーカー被害やインターネットなどで住所が流出してしまう危険があります。

警視庁のデータによれば、強制性交等の性犯罪が発生しているのは多くの場合、屋外ではなく室内。2019年に東京都内で発生した強制性交等を場所別に見ると、住宅の割合は過半数の51%を占めています。

「デリバリーアプリ」を使用する際には、できるだけ個人情報を知られないような対策が必要です。

デリバリーアプリに潜む危険を回避し安全に利用するための方法とは

デリバリーアプリに潜む危険を回避し安全に利用するための方法とは

デリバリーアプリを使用する際には、できるだけ個人情報を知られないような対策が必要です。

可能な限り、個人情報を守りながら、安全にデリバリーサービスを受けるポイントをまとめました。

1. マンションの場合はエントランスで受け取る

デリバリーアプリにチャット機能がある場合、「エントランスで受け取りますので、着いたらメッセージを送ってください」と記入すれば、部屋番号を知られることなく料理を受け取ることができます。

チャット機能で連絡を取り合えば、自分の電話番号が相手に知られてしまうことはありません。

2. 外で受け取る

デリバリーアプリのサービスにもよりますが、自宅以外の場所を指定できるのであれば、戸建ての場合、オフィスや公園など自宅から少し離れた場所を設定すれば、住所を知られることありません。

コンビニやスーパーの前など配達員がわかりやすいような場所を指定すれば迷わず到着することができるでしょう。

3. 部屋まで来てもらい、顔は見せずに受け取る

ドアを少しだけあけて、手だけだして受け取るという方法もあります。配達員に失礼だと思う方もいるかもしれませんが、カード払いにしておけば現金のやり取りも発生しないので問題ありません。

テレビに出ているような芸能人など自宅を知られたくない場合にこの方法を使うケースもあるので、顔を見られたくない方は試してみるのもおすすめです。

4. 玄関前に置いてもらう

カード払いやオンライン決済で支払いが完了している時には、玄関前に置いてもらうのも有効な方法。

チャット機能に「到着したら玄関前に料理を置いておいてください。配達が完了したらメッセージをください。」と記入しておけば、配達員と顔を合わせなくても料理を受け取ることができます。

5. 誰かがいるときに注文する

一人の時は注文せず、誰かが一緒にいるときだけ「デリバリーアプリ」を利用する、というのもおすすめです。その場に男性がいるのであれば、男性に受け取ってもらうと良いでしょう。

また、女性の1人暮らしで、どうしても注文する必要がある場合には、防犯対策として男性用の靴を玄関先に並べておくことをお勧めします。

終わりに

安心安全なデリバリーサービスの利用

コロナ禍で急成長を遂げた「デリバリー」事業。気軽にスマートフォンから注文できる「デリバリーアプリ」が人気を集めています。特に、「出前館」と「Uber eats」はこの1年で大きく業績を伸ばしました。

その一方で、アプリの不具合や配達員への苦情など相談件数も倍増し、配達員の逮捕者が出るような事件も発生しています。

「デリバリーアプリ」を利用する際に最もリスクになるのは、見知らぬ人が自宅に来て住所が知られてしまうこと。特に、女性の1人暮らしはストーカーやわいせつ事件に発展する可能性もあります。

このようなリスクを回避するためには、自宅以外の場所で受け取ること。玄関先の置き配や顔を見せずに手を伸ばして受け取る方法もおすすめ。一人暮らしの女性は男性のいる時に注文するか、玄関先などに男性がいることを匂わせることが重要です。

「デリバリーアプリ」のチャット機能を上手に活用し個人情報を守ることが、危険を回避し、安心安全なデリバリーサービスの利用につながることでしょう。

【参考サイト】

第39回インターネット消費者取引連絡会 (テーマ:フードデリバリーサービス) 国民生活センター 報告資料
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/internet_committee_201225_0003.pdf

JMR生活総合研究所「出前館」「Uber Eats」、コロナ下で認知拡大
https://www.jmrlsi.co.jp/trend/mranking/04-distribution/mranking339.html

コロナ禍の「デリバリーサービス需要」など、同じ消費行動でも価値観により差異が見えた定量調査の結果
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000045892.html

フードデリバリーサービスの 動向整理
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/assets/caution_internet_201225_0001.pdf

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

あなたの大切なパソコン・スマホを守ります!
世界が認める総合ウイルス対策ソフト

カスペルスキー

この記事を気にいったらいいね!しよう

セキュリティ通信の最新の話題をお届けします。

ページトップ