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「その投稿、ステマかも」SNSで増え続けるステマを見抜く方法とは。

トピックス 2021.12.10 「その投稿、ステマかも」SNSで増え続けるステマを見抜く方法とは。

芸能人やスポーツ選手など、テレビでしか見れなかった人たちがSNSやYouTubeを本格的に使う時代。

お気に入りの著名人が更新する写真や動画を毎日チェックしている人も多いのではないでしょうか?

しかし、中にはさりげなく自然な投稿だと見せかけて、商品やサービスを紹介する「ステマ」が問題となっています。

この記事では、最近のステマ事情について詳しく解説します。

飲食にショッピング、身近に潜むステマの罠。その手口とは。

飲食にショッピング、身近に潜むステマの罠。その手口とは。

SNSやYouTubeが私達の生活に浸透する一方で「ステマ」が問題となっています。

「ステマ」という言葉は頻繁に耳にしていても、本来の意味やどのような行為を指すのか、はっきりと分からない方も多いのではないでしょうか。

「ステマ」とは「ステルスマーケティング」の略で「消費者に対し、広告であることを隠しながら行う販売促進活動」

「ステマ」のパターンは主に2種類。その手口と代表的な事件についてご紹介します。

1. なりすまし型

業者が一般消費者になりすまして口コミや評価を書くタイプ。

業者が利用者になりすまして特定の飲食店に好意的な書き込みをしていたり、ライバル企業に対し悪口を書き込む行為もこのタイプにあてはまります。

食べログ事件

なりすまし型の発端となったのは、2012年1月初旬に発覚した「食べログ事件」。「食べログ」は飲食店からの広告ではなく、その店の利用者が書き込む口コミや点数、それを基にしたランキングの掲載が売りの飲食店サイト。

そのサイトで、飲食店に好意的な評価を投稿し、ランキングを上げる見返りに39社が金銭を受け取っていたことが明らかになり、大問題となりました。

2.利益提供型

社会的に影響力のある芸能人やスポーツ選手、有名ブロガーなど「インフルエンサー」と呼ばれる人に報酬を渡して宣伝を依頼するタイプ。

「ステマ」の中には、無報酬で宣伝を行う場合もありますが「宣伝であることを隠して行われた宣伝行為」であれば「ステマ」に該当します。

ペニーオークション詐欺事件

「ペニーオークション」とは、インターネット上でオークションが行えるWEBサイト。

入札の都度、手数料がかかるにも関わらず、参加者が入札しても落札できない仕組みになっていたことから、事実上詐欺に当たるとして捜査の手が入りました。

さらに、2012年12月には、多くの参加者を集めるために、複数の芸能人に報酬を支払い、ブログを通して「激安で落札できるオークションサイト」という趣旨の発信を依頼していたことが発覚。

事件発覚後には、複数の芸能人が「詐欺そのもの」に関与していないことを証明するためにステマ投稿を認める事態にまで発展。実際に名前が挙がった芸能人は8人でしたが、20人以上ともされています。

どんな投稿がステマになるの?ステマを見分けるポイントとは。

どんな投稿がステマになるの?ステマを見分けるポイントとは。

あなたが閲覧している大好きな有名人やインスタグラマーのSNSでもステマが行われているかもしれません。

ステマと気が付かずに商品やサービスを購入し、後から後悔しないためにも、どのような投稿がステマに該当するのかを知っておくことが重要です。

1.広告であることを隠している

商品やサービスを過度に奨励しているにも関わらず「広告活動であることを明言していない」ケースはステマに該当します。

通常の広告と見分けがつきにくかったとしても「メーカーの公式アカウント」からの発信であれば、消費者は「広告」であるとすぐに判断できます。

また、それ以外の場合にも「広告」という表記をしたり、メーカーから直々に商品やサービスを提供されたことを明らかにしたりしていれば「ステマ」には該当しません。

2.実物より「著しく」良いものと錯覚させる

広告では、商品やサービスの特徴や利点をアピールするのは当然ですが、実物よりも「著しく」優れたものであるかのように錯覚させる行為もステマに該当します。

実際に利用して良いと感じた部分をレビューすることは問題ありませんが、過度に購入を煽るような投稿を行うとステマになります。

3.実物にはない機能や効果を表記する

ステマが問題視される理由のひとつに「商品やサービスの中に含まれていない機能や効果を表記」していることが挙げられます。

明らかに虚偽の内容を拡散していた場合には、法律に抵触する可能性もあります。

4.業者が利用者として拡散する

商品やサービスを提供するメーカーの企業が、一般の利用者と偽って、高評価やおすすめの投稿を行うことも、ステマで用いられる方法のひとつ。

この場合、会社関係者が明らかに広告活動として行っているにも関わらず、利用者に一切告知していない点が問題となります。

社会的信用とイメージを失墜させるステマが存続し続ける理由とは。

社会的信用とイメージを失墜させるステマが存続し続ける理由とは。

「ペニーオークション事件」や「食べログ事件」から約10年。これらの事件に関与した企業と芸能人は、社会的信用を失墜し、非常に大きなダメージを受けました。

しかし、現在もあらゆる商品やサービスでステマが横行しています。なぜステマはなくならないのでしょうか?

広告費用が抑えられる

一般的に、商品やサービスを正規の方法で宣伝広告する場合、利用する媒体にもよりますが数十万円から数千万円かかります。

さらに、知名度や好感度が高い芸能人を起用すれば、飛躍的に認知度を向上させることが可能ですが、広告費も数倍から数十倍にも跳ね上がります。

しかも、芸能人の広告起用には契約の時点で明確な契約期限があり、期間内に回収出来なければ宣伝広告だけで赤字になりかねません。

一方、ステマは、数十万円から数百万円の報酬で芸能人自身の媒体で宣伝広告してもらうことができます。期限に関係なく、芸能人の影響力から自然発生的な拡散も望めるので、業者にとっては、非常にコストパフォーマンスの高い宣伝方法であると言えるでしょう。

企業側の認識不足

以前はブログが多かったステマですが、現在はInstagramなどのSNSが主流。その背景には、商品やサービスの購入を検討する際に、Googleなど検索エンジンよりもTwitterやInstagramを20~30代の若者が頻繁に利用するようになったことが考えられます。

そのため、多くの企業はSNSマーケティングに注力していますが、歴史の浅いメディアであるため、企業側の認識不測により、意図せず「ステマ」を行っているケースもあります。

明確な法的措置がない

アメリカでは「広告における推薦及び証言の使用に関するガイドライン」、イギリスでは「不公正取引から消費者を保護するための法律」によってステマは規制されています。

一方、日本では「景品表示法」に抵触する疑いがある場合には、消費者庁による調査が行われ、違反行為が認められた場合は、ステマを行った事業者に対し「措置命令」が行われ「課徴金の納付」を命じられる場合もあります。

しかし、ステマを行ったからといって、その事業者が直ちに法的責任を負うということは原則としてありません。

「ステマはなくならない」瞬時にステマを見破る方法とは。

「ステマはなくならない」瞬時にステマを見破る方法とは。

広告費用が抑えられる上に宣伝効果が高い「ステマ」。

日本では明確な法的措置がなく、SNS広告に対する企業側の認識不足もあり、「ステマ」は私達の生活に溢れています。

「ステマ」と気が付かないで商品やサービスを購入し後悔しないために、以下のポイントをチェックし、ステマを見破る確かな目を養いましょう。

1.投稿者のアカウントやIDをチェックする

疑わしいと思われる「口コミ」を発見した場合、投稿者のアカウントやIDをチェックし、その人が他の商品やサービスをどのように評価しているか確認しましょう。

ステマに使われるアカウントは、作成されてから間もない可能性が高いため、他の商品への口コミが全くない場合もあります。

2.情報の具体性をチェックする

ステマの場合、実際に商品やサービスを利用していないため、表現が抽象的になる傾向があります。

ですから、本当に使ったことがある人でしか分からないようなことに触れられているかどうかがポイント。

抽象的な形容詞や広告の謳い文句をそのまま使用した口コミはステマの可能性があります。

3.URLをチェックする

商品やサービスに関するURLが複雑で長いアフィリエイトリンクの場合はステマの可能性が高いでしょう。

同時期に同じような投稿が増えるので、検索結果を時系列でチェックすることでステマであることに気付く場合もあるのでおすすめです。

終わりに

インターネットやSNS上の口コミや投稿を鵜呑みにしない。

大好きな芸能人やインフルエンサーのSNSを毎日チェック。飲食店や買い物する際には、口コミの評価をもとに決定。そんな私達の生活には数多くのステマが溢れています。

ステマを行なっていることが世間に知られた場合、企業や依頼された芸能人は、社会的イメージや信用が失われるリスクがあります。

しかし、企業にとって宣伝の費用対効果が大きく、明確な法的措置もないためステマが氾濫しているのが現状。

ステマであることに気付かずに、商品やサービスを購入し後悔しないためには、ステマを見破る確かな目を養うことが重要です。

日々の生活の中で、インターネットやSNS上の口コミや投稿を鵜呑みにするのではなく、少しでも怪しいと感じた時には、投稿者のアカウントや商品のURLをチェックすることがステマから身を守ることにつながるでしょう。

【参考サイト】

消費者庁 景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/violation

ステマの何が問題なの?ステマの法規制8つのポイントを弁護士が解説
https://topcourt-law.com/advertisement/stealth_marketing_law

ステルスマーケティングの問題点と見破る方法
https://fuhyotaisaku-law.com/basic-term/stealth-marketing-about

「ステマ」って何?その実態や問題点、事例についてわかりやすく紹介します!
https://sogyotecho.jp/stealth-marketing/

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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