トピックス 2021.10.25 進む日本のDX化!デジタル庁発足で私たちの生活はどう変化するか
2021年9月1日にデジタル庁が発足され、政府が主導となって本格的に日本のIT化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)化が始まります。
IT化・DX化が本格的に進むことで、私たちのライフスタイルも大きく変わっていくことが予想されるでしょう。
この記事では、デジタル庁発足に変化する私たちのライフスタイルについて深掘りしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもデジタル庁とは
デジタル庁のWebサイトを参照すると、デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDXを大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後5年で一気呵成に作り上げることを目指す、との記載があります。
そしてデジタル庁は、次の5つの施策で日本のDX化を推進していきます。
● 徹底したUI・UX/国民向けサービスの実現
● マイナンバー・マイナンバーカードなどデジタル社会の共通機能の整備・普及
● データ戦略
● 官民をあげた人材の確保・育成
● 新テクノロジーを大胆に活用・調達や規制の改革
デジタル庁が目指すデジタル社会の姿
2020年2月に日本政府から発行された「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」によると、「デジタル化によって多様な国民がニーズに合ったサービスを選択でき、国民一人ひとりの幸福に資する、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を進める」との記載があります。これがデジタル庁の目指すデジタル社会の姿です。
このデジタル社会実現のために、日本政府は次の3つのポイントを掲げています。
● 国民の幸福な生活の実現
● 誰一人取り残さないデジタル社会の実現
● 国際競争力の強化、持続的かつ健全な経済発展の実現
1つ目は、「国民の幸福な生活の実現」です。
徹底した国民目線でユーザーの体験価値を創出し、多様な高価値のサービスが選択可能となることで生活の利便性を向上させ、国民がゆとりと豊かさを実感し、幸福な生活を実現していくことに寄与します。
また、地域社会で高度情報通信ネットワークの利用・データの活用により住民福祉を向上。マイナンバーカードなどデジタル社会の共通機能の整備・普及を進めます。
災害などにも迅速・的確に対応可能な安全・安心な暮らしを実現します。
2つ目は、「誰一人取り残さないデジタル社会の実現」です。
誰もが参加でき、個々の能力を創造的・最大限に発揮できるデジタル社会の形成を目指し、徹底した国民目線で、ユーザーの体験価値を創出します。
特にアクセスのしやすさ、年齢・地理的条件や経済的状況などに基づく格差の是正を推進します。
さらに、全ての国民が、公平・安心・有用な情報にアクセスする環境を構築、デジタル社会がもたらす価値を丁寧に説明してデジタル化を浸透させていく方針です。
3つ目は、「国際競争力の強化、持続的かつ健全な経済発展の実現」です。
デジタル化によって、事業者のDX推進、多様なサービス・事業の創出、労働者が能力を有効に発揮できる多様な就業機会の創出に寄与します。
また、データの多様化・大容量化や、IoT、AI、クラウドコンピューティングなどの技術進展を背景に「リアルタイム性」「ダイナミック性」「リモート性」を備えたサービスの創出を図っていきます。
そのために必要な、データ活用のためのルールなどを整備して規制を見直していく予定です。
デジタル庁発足による私たちの生活の変化とは
デジタル庁がデジタル化を推進していくにあたって、最初のカギは「マイナンバーカード」だとされています。デジタル庁発足の記者会見などで、マイナンバーカードを積極的に活用していくとコメントが出ています。
マイナンバーカードその他行政機能のデジタル化において、今までは省庁の縦割り意識が強く、難航を極めていましたが、今回のデジタル庁発足で、日本政府は縦割りの壁を突破しようとしています。
同時に、デジタル化の隙を突くようなサイバー攻撃に対するセキュリティ対策も進めていくと発表されました。
2021年8月現在で、すでにマイナンバーカードは健康保険証として使えるようになっていて、今後は運転免許証の代替やスマートフォンへの機能搭載なども検討中です。
今後の私たちの生活の変化については、下記のような内容が予想されています。
● 市役所や税務署などでの行政手続きオンライン化
● オンラインで健康診断の結果確認を簡素化
● 国家資格証のデジタル化
● 免許更新手続きの簡素化
● 各種給付金や補助金の申請のオンライン化
1つ目は、「市役所や税務署などでの行政手続きオンライン化」です。引っ越しなどの際に、税務署、年金事務所、市役所などを巡回し、何度も同じような情報を記入し届け出るといった手続きの簡素化が予想されます。
例えばマイナンバーカードを利用することによって、各種申請の手続きがオンライン化し、わざわざ窓口に出向かなくても一度申請をするだけで対応は完了です。
あとは行政機関内で更新されたデータが必要な箇所に自動反映されていきます。
企業活動においても、年末調整書類や各種控除の証明書対応などが大幅減少することや、給与担当者が行う税務署や地方自治体への届け出窓口が一本化されるなど、事務作業の効率化が期待されています。
2つ目は、「オンラインで健康診断の結果確認を簡素化」です。マイナンバーカードと健康診断結果を連携させることにより、マイナポータルから健康診断結果の確認ができるようになります。
オンラインでの健康診断の結果確認は、国民・患者視点に立ち、国民が自らのニーズに応じて、生涯にわたって自らの健診情報等を閲覧・活用できる環境を整備することを目的として計画されました。
病院側からも健康診断結果が容易に確認できるようになるため、保険や診療など、健康診断結果に付随するサービスが利用しやすくなります。
3つ目は、「国家資格証のデジタル化」です。医師や看護師といった国家資格証のデジタル化が開始される予定です。国家資格証のデジタル化で行政機関などは正確な資格情報の管理が可能になり、人材確保の施策なども実施できるようになります。
また、資格者は各種届出時に添付書類の省略が可能となるとともに、マイナンバーカードの電子証明書を活用して資格を証明、提示できるようになります。将来的には、届出の手続き自体を不要とすることも検討されているのです。
4つ目は、「免許更新手続きの簡素化」です。今までは免許更新手続きのために免許センターや警察署へ出向いていましたが、マイナンバーカードを利用して、免許の更新手続きをオンラインで利用できるようになります。
マイナンバーカードと運転免許証が一体化されることで、免許証更新時の講習もオンラインで実施でき、煩わしい手続きもオンラインで全て完結させることが可能です。
また引っ越しなどによる住所変更の際に、自治体と警察の双方に住所変更を届け出る必要がなくなります。
5つ目は、「各種給付金や補助金の申請のオンライン化」です。デジタル改革関連法の成立により、マイナンバーに関連付けて給付金の給付ができるようになりました。
このことにより、マイナンバーカードのデータを参照することで、必要な人に速やかに給付金が届くようになります。
これまでは、各自が自身で給付金の対象かどうかを調べる必要がありましたが、その調査も不要になる予定です。
オンライン申請が主流となることで、審査する側もデータを速く的確に処理できるようになります。
終わりに
デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、デジタルの利活用により暮らしやすい社会を目指す組織です。
デジタル庁が目指すデジタル社会は「誰一人取り残さない、人に優しい」デジタル社会とうたわれています。
デジタル庁が目指すデジタル社会の形成にあたり、マイナンバーカード関連の対応を中心に各種施策が進められていて、私たちの暮らしはどんどん便利になっていきます。
今後のデジタル庁の実施していく施策に期待しましょう。
【参考サイト】
・スローガンは「GASU」。「デジタル庁」の新設で私たちの生活はどう変わるのか?(DocuSign, Inc.)
https://www.docusign.jp/blog/path-to-launch-digital-agency-in-japan
・「デジタル庁」創設でどう変わる? 私たちの働き方 (株式会社大塚商会)
https://www.otsuka-shokai.co.jp/media/soumu/news/syakaihoken-roumushi/column-34.html
・デジタル庁新設で日本版DXはどう進む?(株式会社ブレインパッド)
https://www.brainpad.co.jp/doors/news_trend/digital_agency/
・デジタル法可決で生活にどんな変化がある? デジタル改革関連法とは(株式会社ビスカス)
https://www.all-senmonka.jp/moneyizm/74943/
・デジタル庁は「何に」「どのように」取り組むのか? 5つの重点施策とは (ビジネス+IT)
https://www.sbbit.jp/article/cont1/60240
・健診・検診情報を本人が電子的に確認・利活用できる仕組みの在り方参考資料
https://www.mhlw.go.jp/content/12600000/000639832.pdf
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
- tag