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自然災害や盗難によるリスクの分散化!銀行に貸金庫を借りるという選択肢

トピックス 2021.11.05 自然災害や盗難によるリスクの分散化!銀行に貸金庫を借りるという選択肢

高級貴金属、印鑑、そして通帳などは自宅で厳重に管理するものです。しかし、いざという時のために、銀行に貸金庫を借りて、安全を分散化しておくのも一つの手段。

自宅でどれほど厳重に管理しても、空き巣による被害や台風や大雨、地震などの自然災害によって自宅ごと無くなってしまう可能性もあります。

そこで、資産を分散化させる選択肢のひとつが「貸金庫」。銀行の貸金庫は比較的リーズナブルな値段で借りることができます。この記事では、銀行の貸金庫について詳しく解説します。

空き巣や自然災害によって資産を失うリスク

空き巣や自然災害によって資産を失うリスク

台風や地震などの自然災害や窃盗などの被害に見舞われた場合、自宅の資産がどのようなリスクを受けるかをまとめました。

自然災害によるリスク

日本は、海外と比較し地震や台風など自然災害が発生しやすい国。国土面積は全世界の0.28%であるにも関わらず、世界で起こったマグニチュード6以上の地震の20.5%、全世界の災害で受けた被害金額の11.9%が日本の被害。どの地域に住んでいても災害への備えは欠かせません。

記憶に新しい東日本大震災による被害額は、住宅や宅地、事務所などの建物だけで10兆4000億円。令和元年の台風19号で被災した建物は8万1235棟、全体の被害額は1兆8600億円となっています。

地震や台風によって被災した場合のリスク

万が一、地震や台風によって被災した場合、個人の財産にどのようなリスクがあるかをまとめました。

1. 電子マネーが一時的に利用できないリスク
最近はクレジットカードや電子マネーが使える場所が増えているため、現金を持ち歩かない方も多いのではないでしょうか。しかし、災害が起こると、停電により決済システムが停止してしまう可能性もあります。非常持には必ず現金を持ち出すことをおすすめします。

2. 通帳やキャッシュカードを紛失するリスク
緊急避難により、スマートフォンや現金を持ち出すのが精一杯。印鑑やカードを被災した自宅に置き忘れた場合はどうなるのでしょうか。「災害救助法」が適用される場合には、自宅が被災してしまった場合でも、預金者本人であることが確認できれば支払いに応じてもらうことは可能です。ただし、預金者本人確認が必要なので、身分証明証も紛失してしまった場合には、手続きに長い時間を要する可能性もあります。

3. 避難所生活における盗難のリスク
震災時に利用される避難所生活では、トイレや自炊の設備、感染対策など様々な問題が発生します。鍵のかかる個室がなく、プライバシーを守ることができません。そのため、印鑑や通帳など貴重品を狙った盗難が発生するリスクがあります。

窃盗によるリスク

窃盗によるリスク

日本における侵入窃盗の認知件数は、令和元年は57,808件で前年比?7.9%と17年連続で減少しています。しかし、一日当たり約79件もの窃盗が発生しており、多くの住宅が被害に遭っているのが現状。侵入窃盗の発生場所別認知件数は、一戸建住宅が43.9%と最も多く、一般事務所が13.1%、3階以下の共同住宅が10.7%となっています。

1. 窃盗された財産は刑法上は返却義務がない?
刑法上の窃盗罪では「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」という刑罰が定められています。しかし、刑法は罪を犯した者に対する国家からの刑罰を定めたものなので、窃盗した財物に関する返却の義務というものは規定されておらず、民事上のルールに則って解決されることになります。

2. 民事裁判を起こしても戻らないケースもある!
逮捕されてすぐのタイミングで、犯人に盗んだ物や現金・預貯がある場合、犯人が罪を軽くすることを目的に返還や弁済をしてもらえる可能性があります。しかし、犯人から返してもらえない場合は、民事上の請求権に基づいて被害者が犯人に対して盗まれた物の「返還請求訴訟」や「損害賠償請求訴訟」を起こすことになります。

通常は被害者が勝訴し、犯人は返還義務や損害賠償義務を負いますが、裁判所など公的機関がお金を取り立てる訳ではありません。そのため、盗まれた財産を取り戻すのは非常に難しくなります。

自然災害、窃盗、いずれにしても自宅に全ての財産を保管するのはセキュリティという観点からもリスクが高く、保管場所を分散することをおすすめします。

資産の分散化に最適な「銀行の貸金庫サービス」という選択肢

資産の分散化に最適な「銀行の貸金庫サービス」という選択肢

「銀行の貸金庫」は、都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関にある金庫を貸し出し、契約者が費用を支払って利用できるサービスです。同じ銀行内であっても、大きさや値段は異なります。

1. 貸金庫の特徴
貸金庫を利用するためには、銀行ごとに審査があります。また、貸金庫は数に限りがあるので空きがなければ利用することはできません。利用する際には、貸金庫室などに入るための入室カードや鍵、暗証番号などが必要となります。さらに、原則として金融機関に届出している契約者以外の者は貸金庫室への入室や開閉はできません。契約者本人が死亡した場合、預金同様、貸金庫も凍結されるので、中のものを勝手に持ち出すことはできません。

2.貸金庫の種類
【全自動型】
貸金庫室ではなく専用の個室ブースなどで端末を使って暗証番号などを入力。契約者の貸金庫がレールに乗って個室ブースに届くことで出し入れするタイプ
【半自動型】
自分で貸金庫室に入り、専用のカードと暗証番号、鍵を使って貸金庫に出し入れするタイプ
【手動型】
契約者と金融機関がそれぞれ鍵を持ち、金融機関の立会いのもとで手続きするタイプ

3.貸金庫に預けられるもの
不動産の権利証や預金通帳、保険証券、遺言書などの重要書類、貴重品類を預けることができます。骨とう品や金などは大きさや量によってかさばるので、貸金庫の大きさによっては無理な場合もあります。遺言書だけでなくエンディングノートや手紙、写真なども入れておくことができます。

4.貸金庫の料金
銀行の貸金庫の利用料金は、サイズによって異なります。一般的に、小さい貸金庫(5cm×25cm×40cmくらい)の場合、1ヶ月あたり1,300~1,600円ほどで利用できます。サイズが大きくなると料金も高くなります。貸金庫の利用料金は、半年払いや年払いの銀行が多く半年や1年分の利用料がまとめて口座引落しとなります。

「銀行の貸金庫」を利用するメリットとデメリット

「銀行の貸金庫」を利用するメリットとデメリット

貸金庫を利用するメリット

● 安心・安全な保管場所
貸金庫の大きなメリットのひとつが「安全性に優れていて、安心して預けられる」という点。地震などの自然災害や窃盗によって自宅の財産全てを失う可能性はゼロではありません。その点、貸金庫は金融機関内に置かれているので、自宅で保管しておくのが心配な場合には安心安全な保管先となるでしょう。

● プライバシーが守られる
貸金庫の保管品の出し入れは貸金庫を借りた人が行うため、プライバシーを守って利用することができます。さらに、他人に何を保管しているか知られることもありません。通帳や印鑑などだけでなく、長期間に渡って集めた大切なコレクションや家族には知られたくない相続関係の書類など自分のニーズに合わせて利用することができます。

貸金庫のデメリット

● 審査審査を通過しなければ借りられない
銀行の貸金庫を利用するには、事前審査が必要です。銀行口座が既に開設されており、一定の金額以上の取引額があるなど条件をクリアしなければいけません。最近は、貸金庫のニーズが高まり、空きがなくなってくると審査が厳しくなっているようです。

● 利用時間に制限がある
多くの貸金庫の利用時間は平日の日中となっていなす。土日も利用できる貸金庫は、まだ少ないのが現状。平日遅くまで働く人にとっては、仕事帰りに寄ろうとしても貸金庫が閉まっているので、不便に感じるかもしれません。貸金庫の利用を検討する際には利用時間を確認することをおすすめします。

● 銀行が被災した場合は保障されない
銀行の貸金庫そのものは、地震や火災に耐えられるよう作られています。しかし、銀行の建物自体が倒壊すれば、貸金庫に預けたものはすぐに取り出せなくなったり、利用するまでに時間がかかる可能性があります。

自然災害や泥棒に最大の備えを!上手な「貸金庫」の利用方法

自然災害や泥棒に最大の備えを!上手な「貸金庫」の利用方法

1. 宝石や高価なアートの保管

自宅にある普段あまり使う予定のない高価なものは、貸金庫に保管しておくと安心です。家の中に代々伝わる宝石や絵画、アンティークなどを保管しておけば、万が一の災害や盗難に備えられるのでおすすめです。

2. 相続に関する書類

貸金庫は相続の準備にも活用することができます。遺言書だけではなく、権利を書いたものや資産価値のあるものを保管。手続きが必要な時に、必要な書類が全て揃っていれば相続人も困ることなく円滑に手続きを進めることができるでしょう。

3.アルバムやDVDなどの思い出

貸金庫に保管しておくものは、高価なものとは限りません。大事な写真、ビデオテープ、DVDなど家族を始めとした大切な思い出をしまっておくこともできます。東日本大震災では、水や泥で汚れた写真やアルバムを救う活動を支援する富士フイルム株式会社による「写真救済プロジェクト」が進められてきました。万が一、災害が起きたとしても、貸金庫であれば「かけがえのない思い出」を守ることができます。

終わりに

「銀行の貸金庫にあるから大丈夫」という安心感

世界的にも自然災害が多い日本では、どの地域に住んでいても、防災への備えは欠かせません。

地震や台風、津波などにより被災した場合、自宅に保管していた現金や通帳、印鑑だけでなく、大切な家族や友人との写真や動画などかけがえのない「思い出」をなくしてしまう可能性もあります。また、自然災害だけでなく、空き巣に入られて盗まれた装飾品やコレクションは、二度と戻らないかもしれません。

銀行の貸金庫は金融機関内に置かれているので「安全性に優れていて、安心して預けられる」という点がメリット。万が一、窃盗や自然災害などで自宅に被害を受けたとしても、銀行の貸金庫に預けることで、大切な財産や思い出を守ることができます。

銀行の貸金庫は種類や大きさ、値段、利用時間などが異なるので、預けたいものやライフスタイルに合った貸金庫を探すことをおすすめします。ただし、貸金庫を利用するためには、既に口座が開設され、一定の金額以上の取引があるなど銀行によって条件があるので、事前に確認しましょう。

災害時には、一瞬の判断が命に関わります。「銀行の貸金庫にあるから大丈夫」という安心感は心強いお守りとなるでしょう。

【参考サイト】

内閣府 防災情報のページ
http://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h28/honbun/3b_6s_19_00.html

一般社団法人 国土技術研究センター 意外と知らない日本の国土
https://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary09

警視庁 住まいる防犯110番 侵入犯罪の脅威
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_b_1.html

日本銀行 災害時における金融上の特別措置
https://www.boj.or.jp/about/bcp/fso/index.htm/

金融庁 災害等における被災者等支援について― 金融上の措置要請 ― 
https://www.fsa.go.jp/ordinary/hisaisyashien_kinyusochi.html

【特集】実は人気の貸金庫!3つのメリットとおすすめの使い方を伝授!
https://www.boy.co.jp/kojin/kashikinko/article/1241015_9048.html

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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