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住所変更しないとどうなるの?申請しないことで発生するリスクについて

トピックス 2021.10.08 住所変更しないとどうなるの?申請しないことで発生するリスクについて

メールで様々な書類がやり取り可能な時代になりましたが、クレジットカードやセキュリティに関する情報など、まだまだ郵送でしか送ることができない物もたくさんあります。

むしろ、郵送でしか送れないものほど大切なものが多く、銀行口座やクレジットカードも住所変更をしておかないと、大きなトラブルになってしまうこともあります。

特に、昨今、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが主流になり、首都圏から郊外への引越しを検討されている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、引越しをした際の住所変更について詳しく解説します。

住所変更の申請をしないことによるリスク

住所変更の申請をしないことによるリスク

住所変更を行うためには、引越し前と後に「転出届」や「転居届」をそれぞれの市町村役場に提出する必要があります。しかし、引越し前後は家の片付けや挨拶まわりなどで忙しく、住所変更の手続きは後回しになりがちなもの。もし、住所変更の手続きを行わなかった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

罰金が発生する

正当な理由なく住所変更をしなかった場合、5万円以下の過料を科されるケースがあります。多少の遅延なら口頭注意のみで済むこともありますが、出来れば避けたいもの。住民票を移動しない理由が悪質であるとみなされた場合、高額な過料を科されるおそれがあります。

公的書類が届かない

国や地方自治体からの郵便物は、住民票に書かれた住所に送られるのが基本です。住所変更を怠っていると、重要な書類を受け取れなかったり、受け取るのに時間がかかる可能性があります。

例えば、小学校に入学する予定の子供がいる家庭には、居住地域の教育委員会から「就学時健康診断通知書」、区役所から「入学期日・学校指定通知」が送られます。住所変更しなかった場合、これらの書類を受け取ることができず、入学手続きができなくなってしまいます。

公的証明書をすぐに準備できない

住民票が旧住所から変更していなければ、住民票や印鑑証明、所得証明書などが必要になった場合、旧住所の市区町村役場まで出向かなければいけません。住宅ローン契約や不動産取引、車の購入、会社への提出書類が必要になった際に、準備に時間がかかり、周囲に迷惑をかける可能性があります。

公共のサービス・補助金などを利用できない

住民票を移動をしていないと、引越し先の居住地域でのサービスを利用できません。図書館などの公的施設、ゴミ処理センターなどは、居住している住民のためのものなので、利用の際に住民票の提示を求められることがあります。

また、住宅補助や助成金も、住民票のある場所でしか申請できません。新型コロナウイルスに関連した「子育て世帯生活支援特別給付金」や「個人向け緊急小口資金等の特例(緊急小口資金)」なども居住地域の市町村で申請するので、住所変更をしていないと対象外となってしまいます。

選挙に参加できない

選挙権は、住民票に記載されている住所が適用されます。そのため、転居先の地域で選挙があったとしても、住民票を移していなければ選挙に参加することができません。

運転免許証の更新ができない

運転免許証は、取得試験を受けるとき以外にも、免許更新の際も住民票に記載されている住所の地域でしか手続きができません。そのため、もし住民票を移していなければ、免許更新のために旧住所の運転免許センターへ行かなければなりません。引越し先が遠い場合には、手間も時間もかかってしまうため、免許保持者は留意しましょう。

その他サービスで住所変更をしなかった場合のリスク

その他サービスで住所変更をしなかった場合のリスク

住所変更で最も重要なのは住民票の移動ですが、健康保険証や運転免許証、銀行口座などの住所変更を行わなかった場合にも様々なリスクがあります。

銀行口座とクレジットカードの住所変更をしなかった場合のリスク

サービスの利用が制限される
銀行口座の住所変更を行わなければ、一部のサービスを利用できなくなる可能性があります。例えば、ATMの引き出し限度額以上の金額を口座から出金する場合「取引時確認」という手続きで住所確認が必要となりますが、住所変更をしていなければ、手続きに時間がかかるのですぐに引き出すことができません。

新しいクレジットカードが手元に届かない
クレジットカードには有効期限があり、更新時期が来ると、カード会社から自宅に「更新カード」が郵送されますが、住所変更をしていなかった場合、宛先不明となった更新カードはクレジットカード会社へ返送されます。住所変更しなければ、新しいクレジットカードが手元に届かないだけでなく、カード会社からの信用を失ってしまうかもしれません。さらに、期限切れのクレジットカードはその後使用できなくなります。クレジットカードを家賃や公共料金の支払いに利用していた場合には、滞納して督促状が届くリスクも考えられます。

個人情報の漏洩
クレジットカードの住所変更をしないと、毎月の利用状況をお知らせする明細書が旧住所に送付されてしまいます。万が一、新しい居住者が利用明細書を受け取ったら、個人情報の漏洩につながりかねません。明細書の用紙に記載された利用者の氏名や住所だけでなく、クレジットカードの利用限度額や銀行口座の情報も流出するおそれがあります。

国民健康保険証の住所変更をしなかった場合のリスク

保険証の住所変更を行わないまま医療機関を受診した場合、たとえ保険料をきちんと納めていたとしても、費用は全額自己負担となります。診察内容によっては高額の支払いが発生するケースもあります。過払いが発生した場合には、保険証を新住所に書き換えた後で払い戻しを受けられますが、払い戻し期限は2年間と決められています。

マイナンバーカードの住所変更をしなかった場合のリスク

マイナンバーカードの住所変更を行わないと、本人確認の際の身分証明書や給付金のオンライン申請などのサービスが受けられなくなってしまいます。

マイナンバーカードは、引越しから14日以内に住所変更を行うことが義務付けられていますが、罰則などは特にありません。ただし、変更するまでマイナンバーによるサービスを受けることはできませんし、住所変更されないマイナンバーカードは引越しから90日で失効し、再発行には1000円の手数料がかかるので注意が必要です。

ネット通販の住所変更をしなかった場合のリスク

Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングのようなネット通販サイトは「旧住所に荷物を届けられる」というトラブルが発生してしまいます。届かないままで放置していると、宅配業者の保管期間が過ぎて店舗に戻ってしまうだけでなく、キャンセル扱いとなりキャンセル料を請求されるというトラブルにもなりかねません。

忘れないで!引越し2週間前からの住所変更やることリスト

忘れないで!引越し2週間前からの住所変更やることリスト

引越した場合には、住民票の移動だけでなく、各種サービスの住所変更が必要になります。後回しにして慌てないために、必要な住所変更を時系列に沿ってまとめました。同じ市町村内で引越す場合とそれ以外では手続きが異なりますので引越す際には確認してください。

1. 引越し1週間前までに済ませる手続き

● 「転出届」の提出
今住んでいる市区町村役場に「転出届」を提出し「転出証明書」をもらい、保管します。同じ市区町村内で引越しをする場合は、現段階の手続きは不要。

● 社会保険・国民健康保険の住所変更
社会保険に加入している場合には、雇用主が年金の手続きなどととりまとめて処理してくれますが、国民健康保険で異なる市区町村へ引越しをする場合は、引越し元で「資格喪失手続き」を行います。

2. 引越し後2週間以内に済ませる手続き

● 「転出証明書」と「転居届」の提出
引越し先の市町村役場に「転出証明書」と身分証明書、印鑑を持参して最寄りの市区町村役場に「転入届」を提出します。

● マイナンバーの住所変更
市区町村の窓口にて、マイナンバー通知カードまたはマイナンバーカードの追記欄に裏書きすることで変更が完了。転入届を出すときに、同時に済ませることをおすすめします。

● 国民年金・国民健康保険の手続き
転入届を提出する際に、国民健康保険も同時に手続きが可能です。一方、国民年金については、マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者であれば、原則、住所変更の手続きは不要です。

● 免許証・車庫証明・車検証
管轄の警察署で、免許証と車庫証明の住所変更を行います。車庫証明には、車庫の配置図などの申請書類が必要です。車検証は、新住所を管轄する運輸支局、または自動車検査登録事務所にて手続きします。車検証の手続きには車庫証明が必要なため、まずは車庫証明の取得をしておきましょう。

3. 早めに済ませておくべき住所変更

引越し後、何日以内という決まりはありませんが、住所変更しなければ思わぬリスクがあるので注意しましょう。

● 銀行口座&クレジットカード
銀行口座の住所変更をする場合は、窓口・郵送・電話・インターネットから手続きができます。窓口では、その場で住所変更届の申込書を記入して提出すれば完了。各銀行のホームページ上でも住所変更届の申込書がダウンロードできるので、印刷して記入し、郵送しても対応してもらえます。また、銀行によっては、アプリからの住所変更も可能です。ちなみに、住所変更の際に、取引をしている口座の支店まで移す必要はありません。

● 通販サイトなど、インターネットサービス
変更方法は、各サイトで確認しましょう。物販だけでなく、動画配信やお店のインターネット予約サイトなど、会員情報に住所を登録しているサービスについても順次変更するようにしましょう。

終わりに

確実に手続きを完了させる準備を整えておこう

引越しが決まると、業者の手配から荷物の梱包、挨拶まわりなどで多忙な日々が続き、住所変更などの手続きは後回しになりがちです。

特に、引越し後の転入届や、期日が決められていない金融機関やクレジットカード、インターネット通販会社の住所変更はすぐに手続きしなくても大きな影響がないので「そのうちやればいい」と思っているうちに忘れてしまう人も多いようです。

しかし、住民票の移動を忘れてしまうと、子供の学校や補助金の申請が遅れるなど大きな影響が出てしまいます。引越し後14日以内に済ませておかないと、最大5万円の過料(罰則)を受ける可能性があります。また、銀行やクレジットカードは利用制限をされることもありますし、個人情報が流出するリスクがあります。

引越しが決まったら、すぐに各種サービスの住所変更を中心とした「やることリスト」を作成しましょう。スマートフォンの予定アプリなどを活用して、確実に手続きを完了させる準備を整えておくことをおすすめします。

【参考サイト】総務省 住所の異動届は正しく行われていますか?住民票の住所変更についてhttps://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/topics081127.html

総務省 引越しワンストップサービス 実現に向けた方策のとりまとめ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/dejigaba/dai5/sankou2.pdf

引越し時に忘れがちな銀行口座の住所変更、その必要性と手続き方法とは
https://ttzk.graffer.jp/articles/28

個人情報漏れる危険も 住所変更手続き忘れずに
https://style.nikkei.com/article/DGXDZO40219850W2A400C1W05001/

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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