トピックス 2021.10.01 Googleドライブの安全性とは?5つのセキュリティ対策と3つの注意点を解説
テレワークの普及によって、会社に出社しなくても自宅やカフェなどで働ける環境が整ってきました。今までは会社に行くことが当たり前で、重要なデータを社内システムに保管していることが多かったのではないでしょうか。
テレワークの導入は簡単なことではありません。会社以外のネットワークで仕事を行うため、セキュリティ面に課題があります。さらにコミュニケーションを取る機会が少なく、情報の共有がしづらいです。
そこで、クラウドストレージサービスの必要性が高まってきています。
クラウドサービスは、インターネットが接続できれば、どこからでもアクセスできます。データをアップロードするだけで、複数人にリアルタイムでの共有が可能です。
複数人が同じデータを同時に編集できる機能もあります。そのため、同じ会議室に集まらなくてもスムーズな業務ができるようになりました。
この記事では、Googleが運営しているクラウドストレージサービスの「Googleドライブ」について解説していきます。利用する上で気をつけることも解説していますので、テレワークの参考にしてみてください。
Googleドライブの特徴
まず、Googleドライブの基本知識を簡単に説明します。Googleドライブとは、Googleが運営しているクラウドストレージサービスで、ワープロソフト・表計算ソフト・プレゼンテーションソフトウェアなどの機能を提供しています。
さらに、画像や動画などさまざまなデータの保存が可能です。保存したデータは複数人への共有ができます。
そのため、働く場所に関係なくデータにアクセスできたり、一元管理できるなどのメリットがあるでしょう。テレワークにとって、非常に役立つサービスです。
Googleドライブは基本的に、Googleアカウントがあれば容量15GBを無料で使えます。15GB以上を使いたい場合は「Google One」へのアップデートが必須になります。
Google One(クラウドストレージサービス)のプランは以下のとおりです。
● 保存容量100GB 月額250円/年額2,500円
● 保存容量200GB 月額380円/年額3,800円
● 保存容量2TB 月額1,300円/年額13,000円
またGoogleには、クラウド型グループウェアサービス「Google Workspace(旧:G suite)」があります。Googleドライブ以外にGmailやGoogleカレンダーなどのアプリケーションを1つに統合したサービスです。
プランは以下のとおりです。
● Business Starter:月額680円(ユーザーあたり)
● Business Standard:月額1,360円(ユーザーあたり)
● Business Plus:月額2,040円(ユーザーあたり)
● Enterprise:料金は営業担当にお問い合わせください
上記のプランの中で最も利用者が多いのが、Business Standardになります。
ご自身の利用用途に合わせて最適なプランを選択しましょう。
※2021年9月現在の料金を掲載しています。
Googleドライブを安全に利用するための5つのセキュリティ対策
Googleドライブは、データをアップロードすれば簡単に共有できますが、本当に安全に利用できるか気になる方も多いのではないでしょうか。
インターネットに接続できる環境であれば、誰でもアクセスできます。第三者にデータを盗み見される可能性が高いです。そのため、セキュリティ面に不安を感じる方もいるかもしれません。
Googleドライブには5種類のセキュリティ対策が可能です。
1. データの暗号化をする
2. 閲覧権限を設定する
3. 2段階認証を設定する
4. バックアップを取得する
5. フリーWi-Fiを使用しない
1つ目はデータの暗号化です。暗号化とは、データを第三者に見られても中身がわからない状態にする方法です。簡単に解読できないため、不正に盗み見されるリスクを軽減できます。
Googleドライブの利用が含まれている有料のビジネスツール「Google Workspace(旧:G suite)は、データを暗号化する機能が含まれているのです。重要なデータの保存はGoogle Workspaceにすれば、第三者への情報漏洩を防げます。
2つ目は閲覧権限の設定です。Googleドライブには「編集権限」と「閲覧権限」を設定できます。編集権限とは、保存しているデータを編集できるようにする権利です。閲覧権限は、自分以外の方がデータを見られる権利です。
基本的に何も設定しなければ自分しかアクセスできないため、第三者にデータが流れることはありません。
3つ目は2段階認証です。ログインを2段階に分割する方法です。例えばID/パスワードの入力に加えて、認証コードの入力を行うのです。悪意のあるユーザーの不正アクセスを防ぎます。
Googleでは、セキュリティ対策で2段階認証を推奨しています。Googleドライブでも設定が可能です。
設定手順は以下のとおりです。
1. Googleアカウントのアクセス
2. ナビゲーションパネルで「セキュリティ」を選択
3. 「Googleへのログイン」の中にある「2段階認証プロセス」「使ってみる」を選択
4. 画面の指示に沿って進めて完了
4つ目は「データのバックアップ」をすることになります。Googleドライブはクラウドストレージなので、運営会社の障害によってデータが消失する可能性があります。障害はいつ発生するかわかりません。
またリアルタイムで編集・保存ができるため、操作ミスでデータが消失するリスクもあります。
常にバックアップを取得する必要があるでしょう。クラウドにバックアップを取得しても、障害があれば対処ができません。USBやHDDなどの外部媒体が安全です。
5つ目はフリーWi-Fiは使わないことです。フリーWi-Fiは利用するのに、パスワードの入力がありません。誰でも利用できる状況のため、不正アクセスされるリスクが高いです。
Googleドライブはインターネットに接続できればアクセスできるので、一度不正アクセスがあれば、何度も侵入されるでしょう。
できる限りフリーWi-Fiを利用して、Googleドライブを開かないようにするのが重要です。
Googleドライブを利用するときの3つの注意点
Googleドライブは非常に使い勝手の良いサービスですが、知っておきたい注意点があります。注意点を把握していないと、仕事に影響が出る可能性があるでしょう。
Googleドライブの注意点は以下のとおりです。
● 容量制限がある
● Googleで障害があると利用できない
● 共有設定次第で、情報漏洩の可能性がある
1つ目は容量制限です。Googleドライブは無料で使用できる容量が15GBまでです。上限に達すると、データの保存ができません。不要なデータを削除する手間がかかるので注意が必要です。データを削除しても空き容量がない場合は、有料版へのアップデートを検討しましょう。
2つ目は、Googleで障害があると普及するまで利用できないことです。どのクラウドサービスでも同じですが、自社でサービスを運用していないので、障害が発生すると何も対策ができません。業務に支障が出ることもあります。
例えば、米国時間2020年12月14日にGoogleでシステム障害があり、全世界数十億人が約50分間GmailやYouTubeなどのサービスにアクセスできなくなりました。
他には、日本時間2021年3月23日にAndroidの大規模障害が発生し、GmailやLINEなどのアプリケーションが正常起動できなくなりました。
システム障害は最悪の場合、データが全て消失する可能性も少なからずあるでしょう。Google側の障害を考慮した社内運用が必要です。
3つ目は共有設定にあります。Googleドライブでは、URLを知っている全てのユーザーに公開ができます。関係者以外にURLを共有してしまうと、不正アクセスの原因につながります。共有する相手を慎重に選ぶ必要があるでしょう。
終わりに
テレワークの普及によって、クラウドストレージの必要性が出てきました。ICT総研の調査によると、クラウドストレージサービスの市場規模は年々上昇していくと予想されています。
さまざまなクラウドストレージサービスがある中で、最も多く利用されているのが「Googleドライブ」です。さらに、顧客満足度も1位となっています。
Googleドライブの特徴には、ワープロソフトや表計算ソフトなどの機能を使用できる点です。さらに、さまざまなデータの保存にも対応しており、リアルタイムで共有できることも特徴になります。テレワークで会社外にいても、効率よく仕事するために役立つでしょう。
また、セキュリティ対策を行うための設定が十分にあるため、安全に利用できます。特にデータの暗号化と閲覧権限設定は、第三者からデータの盗み見を防ぐのに効果的です。
Googleドライブを活用して、仕事を効率よく行いましょう。
【参考記事】
Google One(Google)
https://one.google.com/about?hl=ja
GoogleWorkspace(Google)
https://workspace.google.co.jp/intl/ja/pricing.html
Googleアカウント ヘルプ(Google)
https://support.google.com/accounts/answer/185839?co=GENIE.Platform%3DDesktop&hl=ja
2020年 クラウドストレージサービス市場動向調査(ICT総研)
https://ictr.co.jp/report/20200608.html/
Googleドライブを安全に使うための6つのセキュリティ対策(Norton)
https://japan.norton.com/google-drive-security-11539
グーグル、大規模障害の詳しい経緯を公表--システム移行時のミスが原因
https://japan.cnet.com/article/35164342/
Google、3月のAndroid大規模障害について原因と対策を報告
https://japanese.engadget.com/google-android-webview-040534922.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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