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SNSの事件

トピックス 2021.02.21 SNS投稿の写真から巻き込まれる事件の可能性

ツイッター、インスタグラム、フェイスブックなどSNSの流行で、自宅で撮影した料理やペットの写真、窓からの景色などをアップする方も多いことでしょう。

しかし、その何気ない1枚の写真から思わぬ犯罪に巻き込まれてしまう事例も多発しています。

今回は、ネット上に公開された写真にどのような情報が含まれていて、どのように悪用される可能性があるかについて解説致します。

SNSの写真からどのような事件が実際に起きたのか?

SNSの写真

まず挙げられるのがストーカー事件です。

アップされた写真から、居住地や勤務地、通っている学校、生活リズムを特定すると安易に待ち伏せをすることができ、そのまま自宅までついていくことも簡単です。

自宅がバレてしまえば、盗聴器やカメラを仕掛けられたり、誘拐や殺人事件にまで及ぶ可能性も低くはありません。

2019年には、ある地下アイドルが、ツイッターに投稿した写真の瞳に映っていた景色から駅を特定し待ち伏せ、自宅まで付いていき、わいせつ行為を働いたという事例もあります。

被告は、写真の中の女性の瞳を拡大し、グーグル・ストリートビューを使い駅を特定したそうです。

加えて、女性が自宅で撮影した写真や動画からカーテンの位置、間取り、太陽光の入り方などを分析し、マンションのどの階に住んでいたかも把握していたということです。

また、SNSの写真は空き巣事件にもつながります。居住地が特定された上で、「~に旅行に来ています♪」などの投稿をアップすると、その家が留守だということがわかってしまい、盗難犯罪の的となってしまうのです。

こちらも2019年、高須クリニックの高須院長が持つ愛知県の別荘で空き巣に入られ、3千万円相当を盗まれたという事例があります。

SNSの事件

もともとTwitterをこまめに更新する高須院長は、事件の以前に「帰宅なう」というつぶやきで、GPS情報が載ったまま、玄関の写真を投稿していたので、その時点でかなり危険な状態でした。

そして、高須社長はGWに入る5月3日、「明後日から台北に台湾加油しに行きます。」と投稿。5日から日本にいないことを明らかにしたところ、4日の深夜に空き巣に入られたのです。

高須院長ほど有名人ではなくても、SNSを使えば、ブランド品や車の写真などからお金のありそうなターゲットを特定することは安易です。

そこで明らかな不在をSNSで公表すれば、空き巣の標的になってしまうことは明らかです。

なぜ写真から個人情報が漏れるのか

個人情報の漏れ

デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真には、画像解像度、位置情報、撮影した日時、撮影した機器、カメラの機能設定、サムネイルなど様々なデータが記載されています。

これらの情報をまとめて「Exif情報」と呼びます。
(Exchangeable image file format の略)

これらの情報は自動的に画像データに書き込まれています。

自分でいつどこで撮ったか、どのカメラでどのような設定で撮影したのかを振り返り、確かめられる便利な機能なのですが、誤った使い方をすると、個人情報を世界中にばらまく危険性があります。

このExif情報は、SNSやブログに投稿すると、下記の方法で誰にでも見られてしまう可能性があります。(現在フェイスブックやツイッターなど大手SNSや一部のブログサービスでは自動的にExif情報は削除されているはずなのですが、一度ご自身でご確認ください。

情報の知りたい画像を保存する。

・Windows・・・右クリック→プロパティ→詳細タブ

・Mac・・・ダブルクリック→プレビューを表示→ツール→インスペクタを表示

他にもExif情報を閲覧するソフトや方法はたくさんあり、誰もが簡単にあなたの個人情報を見ることができるのです。

そして、様々な情報を含んだExif情報ですが、1番恐ろしいのが、撮影した場所を特定できるGPS機能です。

緯度、経度で表示され、グーグルマップなどを使えば、撮影された場所を簡単に突き止めることが可能です。

アップしたのが自宅の中の写真であれば、自分の住所を全世界に公開したのと同じだということなのです。

Exif情報を削除する

Exif情報

Exif情報や位置情報を知らずにSNS投稿を行っている人も少なくはありません。

気づかないまま、居住地を全世界に公開している可能性も高いのですが、Exif情報や位置情報は編集・削除することが出来ます。

まず、スマートフォンの場合は、設定でGPS機能をオフにすることをオススメします。

Androidの場合

情報バー→設定→ロック画面とセキュリティ→位置情報をオフにする

iPhoneの場合

ホーム→設定→プライバシー→位置情報サービス→カメラ→許可しないに設定する

これで撮影した写真に位置情報は残りません。

また、すでに撮影した写真の位置情報を編集、削除するには、いくつかのアプリがあります。

Androidの場合は「Exif消しゴム」、iPhoneの場合は「Photo Secure」というアプリがオススメです。

パソコンでは下記の方法でExif情報を削除することができます。

Windowsの場合

保存した画像ファイルを右クリック→プロパティ→詳細→プロパティや個人情報を削除→可能なすべてのプロパティを削除してコピーを作成(またはコピーを作成せずにデータを削除)→削除したい情報にチェックをつけてOKをクリック

MACの場合(MACの場合は画像をPNGに書き換えます)

プレビューで画像を開く→画面上部のファイル→書き出す→フォーマットをPNGにする。PNG形式の画像ではExif情報は消えています。ImageOptimなどのアプリを使用することも可能です。

その他の危険性

SNSの危険性

せっかくExif情報を削除しても、写真の内容だけで住所を特定されてしまう場合も少なくはありません。

部屋の窓から撮った景色や、間取りがわかる写真をアップすることで自宅を特定されることもあります。

窓から見える建物を解析し、距離感をグーグルマップで照らし合わせると大体の撮影地がわかります。

また、投稿日時の日の光の入り方や反射の仕方、天気などからも位置情報を想定できます。

さらに、窓から映る景色の角度、窓の形などを分析し、誰もが閲覧できる不動産サイトで的を絞れば、何階の何号室かまで分かってしまったという事例もあります。

家の中からの景色、自宅近所のお店や工事現場、通勤ルートの景色、制服、よく行く場所を頻繁にあげていると、その投稿履歴から生活パターンを推測し、この辺りで、何曜日の何時頃に行けば現れる、とバレてしまうこともあるのです。

写真を全世界にアップするということはリスクが付きまといます。

コミュニティ構築、情報収集に一役買うSNSですが、その危険性をしっかりと理解した上で安全に使いましょう。

終わりに

知識がないままSNSを使っていると、事件に巻き込まれる可能性が十分にあります。

Exif情報を知らなかったという方は、今すぐ自分の過去のSNS投稿などを確認してみてください。

ネット社会が進化すればするほど、犯罪も複雑化、多様化しています。

「自分が狙われるわけがない」と思っているほど、トラブルに巻き込まれる可能性は高いです。

この機会にSNSの使い方を見直し、安全に使っていきましょう。

【関連リンク】

・総務省 ソーシャルメディアの利用状況
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd142210.html

・Exif情報を確認・編集・削除する方法
https://ganbarustars.info/nandemo/archives/90

・何気ない投稿で個人情報がバレる?『特定厨』に気をつけろ!
https://www.onlinesecurity.jp/feature/200331.html

・ストーカー、「瞳に映った景色」で女性の自宅を特定
https://www.bbc.com/japanese/50010809

・高須院長がTwitter投稿でGW中に空き巣に入られ3千万円相当の被害にあった理由
https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashiakiko/20190508-00125292/

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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