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SNSの検閲

トピックス 2021.02.05 SNSで検閲が行われている?アメリカ大統領選挙によるSNS利用状況の変化とは?

2020年のアメリカ大統領選挙では候補者による発信などソーシャルメディア(SNS)が今まで以上に活用されるとともに、支持者や対立する陣営間など様々な形でSNSが利用されました。

そして、SNSの提供を行っているサービスの運営者による検閲とも取れる行為に対して疑問が広がると、トランプ大統領の支持者を中心に既存のサービスとは異なる新しいSNSの利用が進んでいます。

今回の記事では大統領選挙を巡ってSNS上で起きた騒動や新しく利用者が増えているSNSを巡る動向についてご紹介します。

2020年のアメリカ大統領選挙でのSNSを巡る動き

アメリカ大統領選挙とSNS

2020年のアメリカ大統領選挙ではトランプ大統領の発信をはじめ、多くの情報がSNSを介して飛び交いました。

その中で問題視されたのが、公平性が必要とされる選挙の中でSNSの運営による検閲行為があったと指摘されている点です。具体的にはSNSやその運営者が、自分が支持する団体に有利になるように候補者のSNS上の発言に警告を表示させたり、候補者に関するスキャンダルといった一部の情報へのリーチを意図的に抑制する動きが行われていました。

こうした事態を受けて昨年10月にはアメリカの上院で公聴会が開催され、グーグル、ツイッター、フェイスブックの3社のCEOが証人として招聘されましたが、いずれの会社も特定意見を検閲する意図は無かったとのコメントをしています。

その後、1月6日にアメリカ連邦議会議事堂への乱入事件が起こると、投稿が暴力行為を扇動する恐れがあるとして、ツイッター社はトランプ大統領のアカウント(@realDonaldTrump)を12時間ロックし、8日には該当アカウントを永久停止するという異例の対応を実施しました。また、ツイッター社と同様に、フェイスブック社もトランプ大統領のアカウントを無期限に凍結することを発表しています。

新しく支持されるSNSとは?既存のSNSとは何が違うの?

新しく利用が進むSNS

SNSにおける検閲の問題が起きたことを受けて、トランプ大統領の支持者側で新しいソーシャルメディアの利用が進みました。

その1つがParler(パーラー)いうサービスです。パーラーの大きな特徴は、言論の自由を掲げていることで、犯罪行為を除いて一切の検閲を行わないことをサービスの方針として掲げています。

また、投稿がサービス規約に沿っているかどうかの判断を、アメリカの司法制度を模してサービス利用者から選ばれる陪審員によってジャッジを行う仕組みがあることも特徴の1つです。加えて、パーラーは利用するユーザーの情報保護も強く謳っており、こうした背景からパーラーの利用者は大統領選挙期間に数百万人規模まで急増しています。

一方で、パーラーは過激な言論を増幅させているといった見方も存在しており、6日の連邦議会への乱入事件後には暴力行為の扇動や危険につながるコンテンツが行われているとしてグーグルとアップルが両社のアプリストアからパーラーを削除する事態となりました。

さらに、パーラーに対してサーバーを提供していたアマゾンは、暴力を扇動する投稿を取り締まっていないことが利用ポリシーに違反しているとして、米西部時間の10日深夜にサーバーの提供を終了するなど、パーラーに対する規制が急激に進んでいます。

SNSとの正しい付き合い方を見直そう

SNSの利用の仕方

SNSを巡るこうした一連の出来事は、多くの人が日常的に利用を行っているSNSの公共性公平性自由について大きな波紋が広がる状況を呼んでいます。

SNSを利用した情報のやり取りが増え続けている今、SNSの運営者による規制や取り締まりの在り方については、SNSは公平性が求められる公共性の高いサービスであるべきなのか、それとも運営の意向に沿ったコントロールが行われることは妥当であるのかといった議論の余地がある状況です。

これはそれぞれの人の立場によって意見の分かれるところもありますが、私たちユーザーとしては、自分たちが望むSNSのあり方を考えるとともに利用しているSNSについては最低限の利用ポリシーを把握しておくことが大切になります。

少なくとも個人の主張をSNS上で行うことはユーザーの自由であるものの、利用規約に沿っていない場合には投稿の削除やアカウントに対する規制が行われることを十分認識しておく必要があるでしょう。

終わりに

大統領選挙に合わせてSNSで検閲が行われた今回の出来事が注目を集めているのは、SNSがより多くの人によって利用されるプラットフォームになったことが理由の1つです。

今ではSNSは選挙についての情報収集や世論調査、メディアの報道などにも密接に関係する存在となり、よりデジタル化が進むこれからの社会で大きな影響力を持っていることは疑いようがありません。

SNSがすっかり私たちの生活の一部となっているからこそ、私たちも今後のSNSとの向き合い方や利用方法について一度考える機会を持つことが重要ではないでしょうか。

【関連リンク】

・米上院、Twitter・Facebook両トップの召喚承認 バイデン氏問題で(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65355070T21C20A0000000

・ツイッター「特定意見を検閲する意図ない」 米大統領選(NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201118/k10012717971000.html

・トランプの娘イヴァンカも始めた、右派「検閲なし」SNSの人気が急上昇|(Newsweekニューズウィーク日本版)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/11/sns-41.php

・ツイッター社、トランプ氏の個人アカウントを永久凍結 各社がSNSパーラーを凍結や削除(BBC NEWS JAPAN)https://www.bbc.com/japanese/55583622

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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