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自動車を盗むリレーアタックについて

トピックス 2020.07.03 車を狙うリレーアタック。手口と対策、知っていますか?

最新の車に導入されている機能の1つにスマートキーと呼ばれるものがあります。

キーを持っていれば車に近づくだけでドアを開けてくれ、乗り込めばエンジンをかけてくれる大変便利な機能です。

しかし、このスマートキーを狙ったリレーアタックという手口での車両盗難が発生しています。

もともとヨーロッパで多い手口だったのですが、近年、日本国内でも確認されていますので、被害に遭うことのないようにその手口と対策を確認し、あなたの大切な愛車を守りましょう。

スマートキーの仕組み

スマートキーのイメージ

スマートキーが生まれる以前には、キーのボタン操作で電波を飛ばしてドアの開閉を行う「ワイヤレスドアロック」や「キーレスエントリー」と呼ばれる遠隔操作方法がありました。

「スマートキー」はワイヤレスドアロック、キーレスエントリーをさらに進化させた仕組みで、常に微弱な電波を発信しているキーを持って自動車に近づくと、自動車内に設置された受信機がスマートキーの電波を検知して、ドアロックを解除するという仕組みです。

この際、ボタンを押したりするアクションが不要なため、手に荷物を持っている時などにもとても便利な機能だといえます。

また、盗難対策としてイモビライザーという技術とも連動しており、セキュリティをおざなりにした機能ではありません。

リレーアタックの手口

リレーアタックの手口

リレーアタックという手口は、スマートキーが常に微弱な電波を発信している特徴を利用したもので、以下の手順で実行されます。

1. 特殊な受信機でスマートキーの電波を受信する
2. 受信した電波の識別情報をコピーする
3. コピーした識別情報を車の受信機に発信する
4. 車のロックが解除される

また、別の特徴としてリレーアタックは複数人グループで犯行に及んでいるようで、電波の受信役と開錠役、そしてその間を中継する役に分かれているようです。

盗難後、車は別のスマートキーで動作するよう改造されたり、解体して部品として海外へ販売されてしまうケースが存在するといわれます。

最近では「コードグラバー」というスマートキーのコピーを作成する機器を悪用する手口も新たに確認されているため注意が必要です。

リレーアタック対策としてできること

リレーアタック対策

リレーアタックはスマートキーが微弱な電波を発し続けていることを利用した手口です。

普段鍵を持ち運ぶ際などにスマートキーの微弱な電波を止めたり、電波をさらに弱くすることリレーアタックを行う犯罪者が受信できないようにすることが対策となります。

レクサスやトヨタの車では節電モードにすることで微弱電波を飛ばないように設定できる他、それ以外のメーカーでもディーラーに行けばスマートキーの電波発信を止めることができます。

しかし、電波発信を全て止めてしまうと、スマートキーの利点も利用することができなくなってしまいます。

そこで、鍵の保管法の工夫として、金属製の缶リレーアタック対策がされた市販のスマートキーケース内にスマートキーを入れることで電波を傍受されづらくすることができます。

家の中にあるカギを狙った犯行もあるようなので、家の中での鍵の保管にも気を付ける必要があります。

他にもスマートキーだけに防犯対策を行うのではなく、ハンドルロックそのほかの盗難防止装置をスマートキーと組み合わせて利用することでリレーロック対策をすることが可能です。

終わりに

便利な機能が生まれると犯罪者はその機能の隙を狙った手口を考えてきます。

サイバーセキュリティと同じように、車の盗難対策も犯罪者とのいたちごっこの面があり、企業が作った便利な機能だからといって過信することなく、セキュリティ面の課題や対策に目を光らせておくことが大切です。

【関連リンク】

・リレーアタックとは?スマートキーの車を狙う犯行手口・盗難対策(グーネット)
https://www.goo-net.com/magazine/108624.html

・「リレーアタック」による車盗難対策・防止方法(チューリッヒ保険会社)
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-relay-attack/

・お問い合わせ・よくあるご質問 リレーアタックによる車両盗難に対する応急対策はあるか(トヨタ自動車)
https://faq.toyota.jp/faq/show/188?site_domain=default

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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