トピックス 2020.06.19 「現金プレゼント」ツイートって何が目的? リツイートしても大丈夫?
ツイッターを利用していると現金プレゼント企画として「総額100万円プレゼント!」といったツイートを見かけることがあります。
とても気になる内容ですが、そのようなツイートに気軽にリプライしたり、リツイートやフォローを行なって大丈夫なのでしょうか?
今回の記事では「プレゼントキャンペーン」を行なっているツイートについて、その目的や反応してしまった場合に起こりうることなどを解説していきます。
「現金プレゼント」ツイート、そもそもの始まりは?
2019年の1月、ZOZO創業者の前澤友作氏が100人に100万円計1億円をお年玉としてプレゼントする企画をツイートすると大きな反響を呼び、ツイートは550万件以上のリツイートされるなど幅広く拡散されました。
その後、実際に当選したという人による報告があるなど、さらなる話題を呼びましたが、これに続くかのように、多くの著名人による現金のプレゼントが企画、実施されています。
さらに2019年9月には青汁王子こと三崎優太氏の100万円を180人にプレゼントするツイートがあったことも記憶に新しく、繰り返される現金プレゼントツイートは、今やツイッター上ではよくある光景ともいえる状態になっています。
ツイートをリツイートすることで何が起こるのか?
現金プレゼントのツイートに対し、フォローとリツイートするだけだからと、軽い気持ちでリツイートする人は、SNSが浸透している若い世代を中心に多くいるようです。
それではこの現金プレゼントのツイートにリツイートした場合、どういったことが起こりうるのでしょうか?
こういったプレゼント企画は、話題作りや認知度の向上を目的として行なっている人がいる一方で、悪意あるユーザが仕組んだお金儲けの一環で行われている場合も少なくありません。
現金プレゼントをうたってツイートを行い、フォローやリツイートを集める行為は、現行の景品表示法や規制の対象とはなっておらず、ツイッターの規約としてもガイドラインに従っていればアカウント停止などに繋がるものではありません。
しかしながら、応募をしても実際に現金を手に入れることができないばかりか、サイバー犯罪に繋がっているケースが数多く存在しているのです。
それでは、プレゼント企画ツイートが不正行為に利用される3つの手口を見ていきましょう。
誘導による詐欺行為が行われる場合
インターネット上の誘導により、プレゼント企画を行ったアカウントが利益を得る行為をさせられてしまいます。
一例としては、「当選したので登録金を振り込んでください」といった直接的に現金を振り込ませるような誘導の他に、プレゼントを受け取る条件としてプレゼント企画者が利益を得られるサイトへの登録をさせたり、情報商材を販売するサイトに誘導して不要な商材を買わせるといった被害も出ています。
情報略取が目的の場合
一度怪しい情報に反応した人であれば、今後もサイバー犯罪のターゲットとして狙いやすいユーザのリストとして、ユーザ情報が広められてしまう危険性があります。
リツイートを行ったユーザの情報を集めて、サイバー犯罪のターゲットリストとして売買されることもある他に、先ほど紹介した誘導型の手口と合わせて、情報を盗み取ることを目的としたサイトに誘導して個人情報を取られてしまう手口もあるようです。
アカウントの転売
フォローやリツイートなどユーザの関連付けが多くあるSNSのアカウントは、ユーザへの発信力があるためビジネスにも利用可能です。
このため、プレゼント企画によりフォローやリツイートを集め、ユーザを集めたアカウントは高額で取引されている場合もあります。
「現金プレゼント」ツイートには、どう対応方法したらよいか?
現金プレゼント企画といったツイートをフォロー、リツイートしても、本当に現金が得られるかどうかは実際のところ未知数です。
プレゼント企画がある前からその人のことを知っていた場合など、本当に信じられる相手と判断できるなら場合などもありますが、そういった企画を装って様々な手口でお金儲けをしようとしている人がいることを心に留めておきましょう。
また、前澤氏や三崎氏のときにも見られたのは、便乗アカウントと呼ばれる偽アカウントです。
便乗アカウントはプレゼント企画を行なった人になりすましていますが、偽アカウントからお金がもらえることはまずありえないため、取り合ってはいけません。
一度漏れてしまったユーザ情報や個人情報はリストとして売買され、ばら撒かれてしまうことも多いため、現金プレゼント企画などのツイートには本当に信頼できる場合を除いて反応しないことが一番の対策です。
終わりに
前澤氏のお年玉の件については、2020年にはさらに人数を増やし100万円を1000人に配る企画が行われました。
お金が振り込まれたという情報もインターネット上にはいくつかありますが、一方で分割払いになったり、支払予定が勝手に変更され、先伸ばしされているなどの情報が雑誌の記事となったこともあるようです。
現金がもらえるというのは夢のような話ですが、「ただより高い物はない」ということわざ通り甘い話には裏があるものですので不要なトラブルのタネには近づかないことをオススメします。
【関連リンク】
・追跡!謎の“現金プレゼント”(NHK)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200304/k10012313141000.html
・前澤友作「お年玉企画」100万円が“遅配”していた 当選者から疑問の声(文春オンライン)
https://bunshun.jp/articles/-/37318
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock