トピックス 2020.05.22 新型コロナウイルス関連のネット詐欺にご用心
大きな災害や問題、世界的ニュースが発生するたびに、それに便乗するネット詐欺等のサイバー犯罪が発生しています。
そして今回の新型コロナウイルスに関する状況でも、やはり便乗したサイバー犯罪が大量に発生しています。
不安な気持ちを抱えていたり、パニック状態に陥ってしまうと、デマや詐欺などのトラブルに巻き込まれやすくなってしまいますので、落ち着いて対応を行うことをいつも以上に心がけましょう。
社会的な問題の発生に便乗して現れるサイバー犯罪
昨今では災害やスポーツなどのイベントがある度に、必ずといっていいほどそれらに便乗したサイバー犯罪が発生しています。
最近では東京オリンピックのチケット販売サイトに扮したフィッシングサイトが見つかったり、昨年の台風によって被災した際は義援金を募る詐欺サイトの存在などが確認されました。
インターネットの特性を悪用した犯罪はもはや日常的な頻度として起こっているため、私たちは常にその動向に注意を払っておかなければいけません。
今回の新型コロナウイルス に限らず、日常的にサイバー犯罪の対処を習慣づけておくことが、根本的な意味での対応策となります。
新型コロナウイルスに関連して発生した手口とは
それでは新型コロナウイルス関連で確認されたサイバー犯罪の手口を見てみましょう。
まずはどのような手口があるか知ることで、自分の身の回りに存在するサイバー犯罪のリスクを認識できることが大切です。
新型コロナウイルスにまつわる情報を端緒としたフィッシングサイトへの誘導
これは専用のサイトで各種情報の入力を促し、個人情報を取得してサイバー犯罪につなげる手口です。新型コロナウイルスに関連し、下記のような内容のフィッシングメールが確認されています。
・マスクの購入に当選したと連絡するメール
・運送業者を装いマスクの無料送付確認を依頼するメール
・WHOからの連絡を装うメール
・テレワークでよく使うツールの招待メールに見せかけたメール
・新型コロナウイルス対策給付金の手続きに見せかけたメール
・厚生労働省をかたる偽サイト、偽アンケート
感染マップや感染症状の特定をうたった不正なアプリの配布
こちらは新型コロナウイルスに関する情報の提供や聞き取りを目的に、メールなどでアプリや文書ファイルを送り付ける手口です。
しかし、実際にはアプリや文書にそのような機能はなく、インストールするとランサムウェアなどのウイルスインストールされてしまいます。
新型コロナウイルス対策給付金、還付金を装った振り込め詐欺
新型コロナウイルス に感染する詐欺では、フィッシングによる情報の盗み取りだけでなく、実際に現金を振り込ませる事例も発生しています。
ネット詐欺を避けるためには
新型コロナウイルスに関連するものに限らず、ネット上の詐欺行為を避けるための対応は基本的には大きくは変わりませんので、それらから身を守る方法について1つ1つ確認していきましょう。
ネット詐欺の手口を知り詐欺行為の傾向を見極める
特に新型コロナウイルス関連では新たな手口が次々と発生しているため、ニュースをしっかりと把握しておくことが被害を防ぐ上で有効です。
また、官公庁などの組織がメール、SMSで情報の入力をさせることは考えにくいため、そのような依頼を受けた場合は必ず確認を行いましょう。
情報の発信元を確認する
メールやサイトの発信元や作成者、運営者が信用できるかどうか確認することがネット詐欺を避けるための基本動作です。
メールならばメールアドレスが正当なものかどうかを確認します。URLへのリンクならば、そのURLは信用できるものなのかが確認対象です。
アプリの場合は、インストールを行う前にそのアプリを配布しているサービスが信用できるかどうかを確認しましょう。
メールやSMSのリンクは不用意にクリックしない
不審なメールは開かないことが一番です。また開いてしまったとしても、添付ファイルを開いたり、実行したりしないようにしましょう。
また、メールであってもショートメッセージなどであっても、記載されたリンクにジャンプする場合は、そのURLが正当かどうかをよく見極めましょう。
OS、セキュリティソフトを最新の状態に保つ
各種のアップデートを適用し、OSやセキュリティソフトを最新の状態に保ちましょう。OSやセキュリティソフト側で脆弱性への対応がとられていればそれだけで被害を防げる場合もあります。
怪しい情報の拡散者にはならないように
SNSを利用する際は、必ず情報の発信元を意識して確認し、官公庁発信の情報など信頼のできるもの以外の拡散は控えましょう。善意で拡散したとしても、情報が誤っていればそれによって誰か他の人に被害が出てしまう場合もあります。
終わりに
時事ニュースに便乗して発生し続けるネット詐欺。世界的な感染症の拡大にまで便乗してくるのは悪質極まりないですが、サイバー犯罪者は私たちの心に生まれた隙を狙っています。
慌てたり不安になっていたりすると付けこまれてしまいますので、落ち着いて対処することが大切です。
【関連リンク】
・特別定額給付金(仮称)の概要(総務省)
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyoumukanri_sonota/covid-19/kyufukin.html
・新型コロナウイルス感染症に関して厚生労働省を装った詐欺にご注意ください。(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00004.html
・新型コロナウイルスに乗じた犯罪(一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター)
https://www.jc3.or.jp/topics/newmodel_coronavirus.html
・給付金詐欺に注意を 啓発強化へ―高市総務相(時事通信社)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042100583&g=soc
・新型コロナ理由にATM誘導 還付金詐欺で注意喚起―大阪府警(時事通信社)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020040801198&g=soc
・新型コロナウイルスを題材とした攻撃メールについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09393.html
・新型コロナウイルスに便乗した架空の“マスク販売広告メール”にご注意!(速報第2弾)(独立行政法人国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20200312_1.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
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