Sony
Sony
ドローンのセキュリティ対策について

トピックス 2020.04.22 ドローンのセキュリティ対策ってどうなってるの?

最近では、テレビをつければ多くの番組でドローンから撮影された映像が映し出されるなど映像分野ではドローンの活用が急速に進んでいます。

映像に限らず、運送や農業、建築といった分野でもドローンを利用したサービスが登場し始めていて、多くの分野でホットな話題として注目を集めているドローンです。

しかし、ドローンについてはセキュリティ面での技術は未だに確立されきっておらず、今回の記事では法律の整備とともに課題といわれているドローンのセキュリティについてご紹介します。

広がるドローンの用途と利用状況

ドローンの利用状況

ドローンはすでに多くの分野で利用が開始されていますが、今後広まっていくとみられる利用方法とあわせてその概要を分野別に見てみましょう。

映像

空中からの写真や動画、さらには水中用ドローンでの撮影など幅広いメディアで利用されています。また、自撮り撮影を行う「セルフィードローン」や自動で被写体を追いかけながら飛行する「自動追尾機能」がついたドローンなど一般の方でも楽しめるタイプが普及しています。

運送

運送業界ではドローンを利用したサービスの実証実験が離島や山間部を中心に始まっており、日本郵便による福島県一部区域でのドローンによる郵便局間移送ANAホールディングスによる離島間の物流実験などが行われています。

また、千葉県千葉市ではドローンによる物流の実証実験を行う「技術検討会」が設立され、アマゾンやイオン、佐川急便、ヤマトロジスティクスなど多くの民間企業が参加し注目を集めています。

農業

農業分野でも人材不足を補うべく、農薬や肥料の散布など今までは産業用の無人ヘリコプターが利用されていましたが、ドローンを活用することで大きく費用を削減することができます。

その他にも赤外線を使ってイノシシ、シカなどの害獣を検知し音や匂いで追い払う技術や空中から種まきを行うなどといった活用が見込まれているようです。

建築 / インフラ

建築の分野では、高所など人の作業が危険なエリアでの活躍が期待されています。

高層ビルやダム、橋梁など大規模工事の進捗状況を確認する他、ビルの老朽化やインフラ設備をドローンを使って点検したり、建設現場を上空から撮影して地形の測量をしたりされているようです。

エンターテイメント

ドローンとライトアップを組み合わせたショーなど、今までにない表現を生み出す道具としての活用も注目されています。東京モーターショー2019では、500機のドローンが夜空を彩るドローンライトショー『CONTACT』が開催されて大きな話題となりました。

ドローンにおけるセキュリティ上の課題

ドローンのセキュリティの課題

ドローンは操縦機器からのコントロールをWi-fiネットワークなどの無線で受けて動作しています。

また、利用方法によってはデータをクラウドなどのネットワーク上に送信することもあり、そのネットワークに外部の人間が接続した場合、そこから攻撃を受けてしまうリスクもあるのです。

データ抜き取りや改ざん

ネットワーク越しに接続された場合、ドローンに設定されている情報(撮影データ、センシングデータ、航路など)盗み取られてしまうことが懸念されます。

ドローンがクラウドなどに接続している場合は、そちらへのアクセスも起こりえますし、抜き取りだけではなくデータが改ざんされてしまうことも考えられます。

乗っ取り

ドローンの操縦のための接続に他のユーザから接続されてしまうとドローンの操縦が乗っとられてしまいます。

2019年9月には、サウジアラビアでは石油施設に対するドローンを利用した攻撃がありましたが、乗っ取られたドローンはこうした軍事攻撃テロなどに利用される恐れがあります。

また、輸送に利用されているドローンの場合は、運んでいるものも盗み取られてしまいかねません。

法令遵守

ドローンを利用する際は航空法、小型無人機等飛行禁止法、民法、電波法、道路交通法などに定められたルールや各種の条例で定められているルールに従う必要があります。

飛行禁止エリア撮影禁止エリアなども存在するため、利用者は事前に認識しておかなければなりません。

現在は国も法律の整備を進めている段階ですが、ドローンの操縦者は法律や規則を知り、決められたルールを犯さないよう気を付ける必要があります。

安全にドローンを使うには

安全にドローンを利用する

ドローンのセキュリティ対策の向上のためには、国内のドローン関連企業による機器の開発が望まれています。

というのも、中国などの海外製の製品ではスパイ行為サイバー攻撃を受ける危険性があると考えられていて、アメリカの内務省ではこういった危険性を考慮して組織内でのドローン利用行わないスタンスを取っているためです。

日本でもドローンに関連した法律・ガイドラインの策定や国内ドローン企業の発展を支援する施策が行われていますが、スマホなどのIoT向けセキュリティ技術のドローンへの応用や、ネットワーク向けのセキュリティ設定の強化が期待されています。

例えば、ドローンの操作で利用されるWi-fi接続でもSSIDとパスワード認証だけでなく、情報が漏れた場合の対策として証明書生体認証を利用する技術がすでに実証されているようです。

終わりに

ドローンのセキュリティ技術は発展途上の段階であり、実証実験を重ねてセキュリティ対策を行なっていく必要があります。

ドローンを活用した事業を行っていける企業では、ドローンのセキュリティ対策まで含めて、1つのビジネスチャンスが存在しているのではないでしょうか。

利用を行う上での安全性を担保したうえで、私たちの生活に潤いを与えてくれる技術として、ドローンのさらなる発展が期待されます。


【関連リンク】

・「ドローンセキュリティガイド」公開 ~ドローン業務活用におけるセキュリティ指標策定~(一般社団法人セキュアドローン協議会)
https://www.secure-drone.org/news/2018/20180320_drone_security_guide/

・無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html#a

・Drone Show - 東京モーターショー2019(一般社団法人 日本自動車工業会)
https://2019.tokyo-motorshow.com/event1/drone_show/

・千代田化工、工事遂行力強化に向けたデジタル技術を運用開始(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP505842_V20C19A3000000/

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

あなたの大切なパソコン・スマホを守ります!
世界が認める総合ウイルス対策ソフト

カスペルスキー

この記事を気にいったらいいね!しよう

セキュリティ通信の最新の話題をお届けします。

ページトップ