トピックス 2019.12.23 デジタルネイティブの時代を生きる「ミレニアル世代」と「Z世代」の価値観とは?
団塊の世代、新人類世代、団塊ジュニア、就職氷河期世代、ゆとり世代。
人々が活動を続ける中で、一定の層を世代という言葉でくくると共通した傾向が見られることが多いです。
最近では、生まれてから物心がつく頃にはインターネットをはじめとしたIT技術やパソコン、スマートフォンといったIT製品が普及した環境に育ったデジタルネイティブ達が登場してきています。
ミレニアル世代(Y世代)、Z世代といわれるこれらの世代は、同じデジタルネイティブな世代の中でも、ネットやテクノロジーの利用の仕方には異なる傾向がみられます。
今回の記事ではそんな新しいデジタルネイティブ達の特徴を確認し、その傾向を説明します。
最初のデジタルネイティブ。「ミレニアル世代」とは?
ミレニアル世代とは1980年代~1995年ごろに生まれた2000年代に成人・社会人となる世代を指し、別名「Y世代」とも呼ばれます。
インターネットなどのIT技術、PC、スマートフォンなどのIT製品に囲まれた環境で育った人々をデジタルネイティブと言いますが、ミレニアル世代は初めてのデジタルネイティブにあたります。
彼らは前の世代よりも情報リテラシーに優れていて、IT製品の利用やインターネットでの情報検索、SNSでの情報の発信・共有など最新の技術と馴染みやすいようです。
ミレニアル世代は個人主義といわれたりもしますが、これまでの世代よりインターネットやSNSで多くの個人のありように触れていることから多様性に寛容である一面も見られます。
SNSでつながることにより社会的な問題に興味を持ち、ボランティア活動などに積極的に参加していることも特徴の1つです。
前世代より収入が減っていることも影響して「モノ」より「コト」を重視する傾向があり、シェアリングサービスにもあまり抵抗がありません。
デジタルネイティブの完成系?「Z世代」の特徴
Z世代の定義は1995年以降に生まれた現在の若年層です。第2次大戦後に生まれたX世代、20世紀終盤に生まれたミレニアル世代(Y世代)の次の世代ということでZ世代と名づけられています。
Z世代もまたミレニアル世代と同様にデジタルネイティブです。
社会のIT化が進み環境もバージョンアップされているため、よりデジタルに造詣が深く、スマホやタブレットといった機器を自分の一部のように自由に使いこなし、利便性の裏側にある危険性にも気づいています。
Z世代はブランドよりも「モノの本質」に価値を見出す傾向があるのも特徴で、ブランドネームよりも、自分が使用するうえで本当によい製品やサービスを選ぶ価値観の人が多い傾向にあります。
ただ頑ななのではなく、革新的なものやコンセプトに対しては抵抗なく興味をもつようです。
ミレニアル世代、Z世代とテクノロジーの進化
デジタルネイティブが誕生した当初は、Y世代とZ世代をひとくくりにして「ミレニアル世代」と呼ばれていました。
しかし、生まれた頃からインターネットをはじめとするデジタルに囲まれて育ったZ世代はY世代とはまた違った感性を持つのではないかと考えられたことで、ミレニアル世代(Y世代)とZ世代に分けられた経緯があります。
ミレニアル世代(Y世代)はデジタル機器やサービスが生まれ、普及するのを身近に見てきた世代です。技術の革新を肯定的にとらえ、生活に取り入れることでより良い生活を求めてきたといえます。なによりインターネットの登場で大きく世の中が変わるのを一番鮮烈に体験した世代なのではないでしょうか。
Z世代はデジタル機器やサービスに生まれた時から囲まれていた世代です。より便利になり高速化したインターネットを基盤として、スマートフォンを手にSNSで関係性を築くことをごく自然なこととして捉えています。
その一方で、Z世代は身近にあるデジタル機器の使いすぎを自覚し、SNSの不用意な投稿で個人情報が流出するリスクがあることも知っているなど、危機管理意識が高いこともデジタルに囲まれて育ったためなのかもしれません。
デジタルネイティブ世代が前の世代と大きく異なる点
デジタルネイティブ世代の若者はインターネットやSNS上で人々との関係性を持つ中で自己を持つことと多様性を認めることを前世代より強めていっているのかもしれません。
特にZ世代では社会問題について仲間と意見を交わす機会が多いといわれています。
Instagram、Twitter、FacebookなどのSNSで情報を得て、自分の意思を表明することができ、様々な人々とつながることで多様性を認めるライフスタイルを自然に会得していったと考えられます。
また、ミレニアル世代(Y世代)はバブル崩壊の影響を受けて将来的な収入の減少が見込まれたため安定を求めた保守的な価値観が強い側面がありました。保守的な価値観は社会制度に守られることを前提としていたため、将来に対し楽観的な考え方を示す割合が多いともいわれています。
一方のZ世代は、より現実的な視点を持っていて「家や車を持ち安定した職業について・・・」という旧来の価値観やスタイルには興味を持たないようです。
「誰もが目指すべきスタイルなどはなく、ユニークであることを恐れない、完璧なことを求めない」
そんなスタイルにZ世代は憧れているようです。
終わりに
IT機器とインターネットが生まれ、普及していく過程、そして普及した後の社会で育った人々が大人になろうとしています。
デジタルの洗礼を受けた人々は新たな価値観に基づいた文化や社会をこれから作り上げていくのでしょう。
そういったデジタルネイティブの中でもさらに複数の世代が生まれ、別々の傾向が見られることは大変興味深いことです。
これからの世の中を動かしていくのは、彼らであり彼女たちなのですから。
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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