トピックス 2019.10.21 有効にしても大丈夫？ネットで見かける「クッキー」の仕組み

最近ではWebサイトなどにアクセスしたら「続行するにはCookieの利用に同意してください」というポップアップが現れ、どうすればよいのか悩んでしまったという人も少なくないと思います。

今回はそんなCookie（クッキー）の仕組みについて、分かりやすくご紹介します。

Cookie（クッキー）はWebサイトへのアクセスを行なった際に、サイト側が同じ人が再訪してきたときにわかるように、訪問者のデバイスに残していくデータのことです。

この情報を使うことによって、Webサイトを訪れたユーザーが同一ユーザーであるかないかを識別することができます。

会員制のサイトで一度ログインした後にブラウザを閉じてからもう一度そのサイトを訪れた時にログイン情報が残っていたり、ショッピングサイトでカートにしまった商品が次にカートの中身を表示した時にそのままになっているのもCookie（クッキー）を利用しているからできることです。

ちなみにCookie（クッキー）の名前の由来は、サイトを訪れる人よって違うデータを保存することから、お菓子の中におみくじが入っている「フォーチュン・クッキー」から取ったとしている説やお菓子のクッキーのようにウェブサーバーに食べられてしまうからという説がありますが正確な語源は分かっていません。

Cookie（クッキー）には上記のような便利な機能を持っているのですが、プライバシー面やセキュリティ面で注意をしておかなければならない点もあります。

Cookie（クッキー）はWebサイトだけでなく画像などをクリックした際にも設定が可能なため、バナー広告の画像を使ってユーザーのデバイスにクッキーを保存するとユーザーのアクセス履歴を追跡することができてしまうのです。

こういったCookie（クッキー）の利用手法は、ユーザーのアクセス履歴を追跡することから「Tracking Cookie（トラッキングクッキー）」と呼ばれており、プライバシーを侵害しているという風に考える人も一定数存在します。

ヨーロッパでは、プライバシー保護の観点からCookieを利用するサイトはCookie（クッキー）使用の目的やその管理方法などをユーザーへ伝えるように定める法規制が2018年に行われました。

Cookie（クッキー）の設定を変更したり削除する方法はブラウザによって異なるので、ここではGoogle ChromeとSafariについて解説します。

１．Android スマートフォンまたはタブレットで、Chrome アプリを開きます。

２．右上にあるその他アイコン   から「設定」をタップします。

３．「サイトの設定」 ＞「Cookie」をタップします。

４．「Cookie」を有効または無効にします。

Cookie（クッキー）を削除する場合、「設定」＞「履歴」から「閲覧履歴データの削除」をタップして遷移します。遷移したら「期間」から削除したい期間を選択して、「Cookieと他のサイトデータ」にチェックが入っていることを確認して削除します。

AndroidのCookie（クッキー）削除画面

SafariでCookie（クッキー）をブロックするかどうかの設定を行うには「設定」>「Safari」の順に選択し「すべての Cookie をブロック」をタップします。

iPhoneのCookie（クッキー）設定画面（出典:Apple）

履歴やCookie（クッキー）を消去するには、「設定」>「Safari」の順に選択し、「履歴と Web サイトデータを消去」をタップします。

Cookie（クッキー）を削除しても、閲覧履歴を残しておきたい場合には、「設定」>「Safari」>「詳細」>「Web サイトデータ」の順に選択し「全Webサイトデータを削除」をタップすることで対応が可能です。

Cookie（クッキー）は便利な反面、セキュリティに関するちょっとしたリスクがあることも頭に入れておきましょう。

これをきっかけに、普段はあまり考えることのないネット上でのプライバシーについて考えてみるのもいいかもしれません。

【関連サイト】

・ユーザーの同意確認に関するサイト運営者（パブリッシャー）および広告主向けガイド（cookiechoices.org）
http://www.cookiechoices.org/intl/ja/

TEXT：セキュリティ通信 編集部
PHOTO：iStock