トピックス 2019.09.24 スマホ買い替え時に気をつけたいデータの流出

古いスマホを手放すときにそれまで蓄積されたデータについて、あまり気にしないという方も多いかもしれませんが、古いスマホ内の重要な情報が流出してトラブルに巻き込まれてしまう場合も存在します。

今回はスマホの買い替え時に注意したいポイントについて見ていきましょう。古いスマホを手放すときにそれまで蓄積されたデータについて、あまり気にしないという方も多いかもしれませんが、古いスマホ内の重要な情報が流出してトラブルに巻き込まれてしまう場合も存在します。

今回はスマホの買い替え時に注意したいポイントについて見ていきましょう。

セキュリティソフト会社であるアバストが2014年に行なった調査では、何万人もの人が自身の個人情報を気づかないうちに売り渡してしまっていることが明らかになったという結果が発表されました。

アバストはオークションサイトなどでAndroidスマートフォン20台を購入し、それらの端末のデータ復旧を試みたところ、4万件以上の写真、750件以上のメールとテキストメッセージ、250件以上の連絡先、4台分の前所有者の個人情報、1件の記入済みのローン申請情報などが見つかったといいます。

しかも、気をつけなければいけないのは、いずれの端末も初期化してあったという点です。

これはスマホに限らずパソコンなどでも同じことが当てはまりますが、自分では削除したと思ったデータも、単純に削除をしただけでは端末の中に記録が残っています。

表面上は削除されているように見えるデータも、保存領域に記録が残っていると一定の知識を持っている人であれば簡単に復元することができてしまうのです。

そのため、他の人によって完全にデータを復元できないようにするには、データを「完全に」削除しなければいけません。

それでは、スマホを処分する際に「完全に」データを削除する方法について見ていきましょう。

iPhoneの場合は、独自の暗号化技術を使った端末のリセット機能が標準で備わっているため、簡単に工場出荷前の状態に戻すことができます。

このリセット機能を使うことでデータを完全に削除し、古いデータへのアクセスを不可能な状態に戻すことができるのです。

手順としては「設定」アプリから「一般」、「リセット」の順に進み、「全てのコンテンツと設定を消去」をタップすると「バックアップしてから消去」もしくは「今すぐ消去」を選択することができます。

Android端末の場合には「工場出荷前の状態にリセット」という機能がありますが、iPhoneと違って、この作業を行うだけではデータを完全に削除することができない場合があります。

それは、端末に保存されているデータが暗号化されていないケースです。

Androidのバージョンや機種によっては設定を行わなくてもデフォルトで端末の暗号化が有効になっているものも多いですが、中には暗号化が行われていない場合もあるため端末の初期化を行う前に必ずデータの暗号化が行われているか確認しましょう。

スマホの「設定」から「セキュリティ」→「暗号化と認証情報」と遷移することで端末の暗号化が行われているか確認することができるので、暗号化されていない場合にはここで暗号化を行なって端末の初期化へと移ります。

（Androidでの暗号化確認画面）

暗号化が完了したら、同じく「設定」から「バックアップとリセット」→「工場出荷状態に初期化」を選択することでスマートフォンを完全に初期化することができます。

Androidスマホを手放すときには、「暗号化」と「初期化」の両方を行って、個人情報を完全に削除できると覚えておきましょう。

新しいスマホを手にする際は、ついそれまで使っていたスマホへの意識がそれてしまいがちですが、たかが端末の乗り換えとあなどっていると自分の知らないところであなたの個人情報が悪用されてしまいかねません。

手の平サイズではあっても、パソコン1台と同じかそれ以上のデータが入っているのだということを私たちはよく頭に入れておく必要があります。

【関連リンク】

・Tens of thousands of Americans sell themse（Avast Blog）
https://blog.avast.com/2014/07/08/tens-of-thousands-of-americans-sell-themselves-online-every-day/

TEXT：セキュリティ通信 編集部
PHOTO：iStock