ニュース 2021.11.04 Facebook、瞬時に海外送金可能なデジタルウォレット「Novi」の試験運用スタート
米Facebookは、10月19日(米国時間)、独自の暗号資産用デジタルウォレット「Novi」を米国と南米グアテマラで試験的にリリースすることを発表した。Noviは、試験地域のApp StoreとGoogle Playで入手が可能。
Noviは、アメリカの暗号資産Coinbaseと提携し、米ドルと紐づき価格変動することのないステーブルコインUSDPを利用する。
これにより、デジタルウォレット「Novi」に入金されたお金は、常に、1ドル=1USDPでUSDPに交換されることとなり、価格変動の影響を受けない。さらに、デジタルウォレット上では、USDPとして送金作業が行われるため、瞬時に送金可能で、送金手数料も無料にできる。
Novi、銀行口座はないが携帯電話はある層にも貢献できる可能性
Facebookの金融分野専門チームであり、Noviの責任者であるDavid Marcus氏は、Twitterで、今回のパイロットプログラムは、コア機能、カスタマーケア、コンプアライアンスの運用などの検証が目的だと伝えている。
世界銀行が2017年に行った調査によれば、世界で銀行口座を持つことのできない成人は、17億人に上るという。
しかし、この17億人の3分の2が携帯電話は使用していて、アプリなどを通じて電子マネーを利用することは可能だ。電子マネーを利用することができれば、銀行口座がなくても貯蓄や支払いができる。
Marcus氏によれば、グアテマラでも携帯電話の所有率はほぼ100%なのに対し、銀行口座などの金融サービスを利用できる成人は、56%だという。
Noviの本格展開までには、まだ時間がかかりそうだが、Marcus氏は、今回のパイロットプログラムを、ユーザーフィードバックを受けることのできる貴重な機会だと述べている。
【関連リンク】
・Facebook、仮想通貨ウォレット「Novi」を試験提供--新たな反発も(CNET Japan)
https://japan.cnet.com/article/35178300/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock