ニュース 2021.10.04 AppleとGoogle、ロシアの野党指導者ナワリヌイ氏のアプリを削除

9月17日から19日まで行われたロシア連邦議会下院議員の総選挙を前に、ロシア政府からの要請に応じたものの、ロシア政府当局は、ナワリヌイ氏陣営の開発したアプリは、ロシアでは違法であるとしている。

アプリの内容は、反プーチン大統領派である野党への投票を呼びかけ、与党の勝利を阻むため、野党が統一することを促すものだったという。

ナワリヌイ氏の陣営は、アプリが削除されたことに対し「政治的検閲の恥ずべき行為だ」とTwitter上で非難した。

米Apple、Google両社に対する同アプリの削除命令は8月から行われていたが、両社とも応じていなかった。そのため、ロシア政府当局は、最大400万ルーブル（約600万円）の罰金を科す可能性があることをメディアを通じて示唆していたという。

ワリヌイ氏は、2020年8月モスクワに向かう旅客機のなかで毒殺未遂に遭い、ドイツに搬送された。

その後、2021年1月17日にロシア政府からの帰国命令により帰国し、拘束され、現在は収監中。欧米諸国はロシア政府に対し、ナワリヌイ氏の釈放を要求している。

ナワリヌイ氏の収監直後に、ナワリヌイ氏の陣営によって公開された告発動画（ロシア南部の黒海沿岸に建てられたプーチン大統領の宮殿）は、再生回数1億回を超えた。

【関連リンク】

・GoogleとAppleがロシアの反政府団体が開発したアプリを「過激派によるもの」として削除（Gigazine）
https://gigazine.net/news/20210921-google-apple-remove-russian-app/

TEXT：セキュリティ通信 編集部
PHOTO：iStock