ニュース 2021.08.10 中国の支援するハッカー集団Hafniumに、米政権など同盟国が非難表明
米政権をはじめとする北大西洋条約機構、欧州連合、日本などは、2021年3月に発生したMicrosoft Exchangeサーバーを標的としたサイバー攻撃について、7月19日、中国を正式に非難した。
Microsoftによれば、攻撃をしかけたハッカー集団は、中国政府の支援を受けて活動するHafnium(ハフニウム)と呼ばれるグループで、攻撃は数年に渡り、繰り返し行われていたとみられる。
Hafnium は、米国内の重要機関をターゲットにサイバー攻撃をしかけてきた。標的となったのは、政策シンクタンクをはじめ、法律事務所、感染病研究者や防衛産業請負業者、高等教育機関、NGOなどで、各組織のメールサーバーにアクセスし、そこから情報を窃取していたという。
中国政府の国家安全部、中国企業の成長のためにハッカーのスパイ行為を利用
さらに、米司法省は、同日、中国政府の国家安全部の支援をうけたハッカーらが、Exchangeサーバーの脆弱性を悪用し、世界の何万にも及ぶコンピューターやネットワークにサイバー攻撃を仕掛けていたとして、4人の中国人を5月に起訴したことも発表している。
このハッカー行為は、Hafniumとは別のハッカーによるものだが、世界中の企業から知的財産や企業情報を盗んでおり、その目的は、中国企業の発展に活用することだったという。
中国政府の、自国の利益だけを考え、サイバー犯罪も辞さないこうした態度は、世界のリーダーを目指したいという同国の目標とは相いれないものだとして国際社会から非難されている。
【関連リンク】
・中国がマイクロソフトへのサイバー攻撃に関与か 日米欧など非難(BBC News)
https://www.bbc.com/japanese/57897450
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock