ニュース 2021.06.28 マイナンバーを含む個人情報漏えいの原因は、ほとんどが書類紛失
政府の個人情報保護委員会は、6月11日、2020年度の年次報告を公開した。
調査報告によると、個人情報漏えいなどの報告件数は、4141件あり、マイナンバーを含む漏えいも207件あった。
報告件数4141件のうち、82.2%(3,403件)は、書類や記録媒体の紛失、メールの誤送付など人的ミスで起きていて、マイナンバーを含む個人情報漏えい207件の多くも、地方公共団体での書類紛失が原因だったという。
書類や記録媒体などは、少しの不注意で行方がわからなくなってもおかしくない。情報を守るための、役所の環境整備、システム化などは、利用者のためのみならず、従業員のためにも、整えてほしいところだ。
LINEの不誠実さが明らかになった、個人情報問題の第一次レポート公開
不正アクセスなど、第三者からの攻撃により生じた漏えいは、17.8%(183件)だったが、1件あたりの漏えい対象者数が大きいため、やはり深刻に捉えるべきだろう。1件の報告で、5万人以上が対象となった漏えいが43件あった。
また、無料通話アプリ「LINE」がユーザーの個人情報を中国の委託先会社に保管し、アクセス権を付与していたことについても、親会社であるZホールディングスに立ち入り検査を行った旨を明記した。
同案件については、同日6月11日、LINEからも第1次報告レポートが公開された。
LINEの報告では、情報保管場所を中国においていたことについては非を認めているものの、国内へのデータ移管はすぐには行われず、2024年までに順次移管する計画であることが判明。
さらには、官公庁や地方自治体へは、個人情報の管理は国内に閉じているというウソの説明を繰り返していたことも分かった。
組織を統括する人たちには、ユーザーのみならず、従業員を守る義務もあるはずだが、彼らの正義は、どこで消えてしまうのだろうか。
【関連リンク】
・個人情報の漏洩や紛失などの報告、2020年度は4141件 - 個情委(Security NEXT)
https://www.security-next.com/127071
・当社におけるデータガバナンスに係る改善策・取り組みの進捗についてのご報告(LINE)
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2021/3780
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
