ニュース 2021.06.19 東北・北海道新幹線「はやぶさ」、車両がリモートオフィスになる実証実験開始
集中したいのに集中できない。オフィスワークでは、次々と人に話しかけられ、在宅ワークでは、身の周りの、目に入るもの全てに誘惑される。一人の空間を確保して、集中力を高め続けることは意外と大変だと感じている人は少なくないでしょう。
仕事の生産性を上げたいときには、飛行機や新幹線での移動中、出張先のホテルの部屋など、すっきり一人になれる環境が最適だ、というのはよく聞く話し。
JR東日本の「新幹線オフィス」は、こうした要望に積極的に応えられるサービスになろうと様々な試みにチャレンジしており、6月14日から7月16日まで、「新幹線オフィス」の実証実験第2弾を行うと発表した。第1弾は2月に実施済み。
新幹線「はやぶさ」内リモートワーク、セキュリティ対策ツールなど利用可能に
JR東日本は、東北・北海道新幹線「はやぶさ」の1号車を「リモートワーク推奨車両」として実験する。対象は、土日を除く、全列車。1日60本になる計算だ。
車両のデザインが大きく変わるといった変更はなく、「リモートワーク」を推奨する環境として、車内での通話やWeb会議が可能であり、快適なリモートワークに必要なツールを貸し出すことで、「リモートワーク」を積極的に応援する。
発表によれば、車内リモートワークのセキュリティ対策になるもの、集中力を高めるものなどが、貸し出されるツールとして検討されている。
たとえば、「情報マスキング音」を流すことで周囲への会話洩れを軽減させるスピーチプライバシーシステム「VSP-2」(提供ヤマハ)。周囲から画面が丸見えになる大きなモニターを使うことなく、メガネのようにかけるだけで、空間に、自分にだけ見えるモニターが登場するスマートグラス「MOVERIO BT-35E」(提供エプソン販売)」など。
他にも、作業に最適なサイズのデスク、プライバシーを確保するパーテーション設置など、今回の実験にないものも、実用化に向けて検討中だとした。
リモートワーク推奨車両は、追加料金は必要ない。
自由席と同じ扱いで、予約ができず、空いていれば利用可能。同社は、同車両にいちばん近い2号車の座席指定をとっておくことを推奨している。
【関連リンク】
・空間を越えたあたらしい “くらし”の実現に向けた、新幹線オフィス実証実験第2弾~東北・北海道新幹線「はやぶさ」の全列車に“リモートワーク推奨車両” をご用意します~(東日本旅客鉄道株式会社)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000332.000017557.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock