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放置自転車対策にIT活用を試みる名古屋市

ニュース 2021.05.06 アナログ対応で、東京都の放置自転車数は過去最少に

放置自転車は、街の美観を損なう以外にも、視覚障害者誘導用点字ブロックが塞がれてしまう、緊急車両が通りにくいなど実害があるため、各自治体では、駐輪場整備などを実施し、対策を続けている。

2020年8月末時点で、東京都の駐輪場は、前年度調査から81か所増設。放置自転車の数は、2020年度で過去最少の2万1035台となったという。

ただし、減少の理由には、駐輪場の数が増えたこと以外にも、在宅勤務が増えたことにより、自転車・自動二輪車に乗る人自体が減少していることも影響しているとみられる。結果として、駅周辺以外の商店街などで放置自転車が増える傾向もあり、新たな対策が必要な地域もでてきている。

IT活用を試みる、名古屋市の放置自転車対策

東京都の主な対策は、駐輪場の増設だが、放置自転車の台数が全国で最も多い、名古屋市では、ITを活用した効率化撤去の導入を検討中だ。

路上の自転車は、当然、一見しただけでは放置されているのか、少しの間だけ置かれている状態なのかが分からない。そのため、撤去を判断する市職員は、放置現場に遭遇した場合にだけ撤去が可能というルールになっている。

視野に入る範囲のあちらこちらで同時に放置が発生した場合には、一人で対応するのは困難であり、実際に、撤去は追いついていないという。

そこで、名古屋市では、駐輪場・駐車場のプロデュース事業をてがける「芝園開発」(東京都足立区)が開発した「自転車回収システム」の活用実験を行った。

放置された可能性の高い自転車には「QRコードつき警告札」を貼る。見回りスタッフが、このQRコードと自転車を撮影すると「自転車の画像」「撮影時間」「位置情報」などが自動でデータベースに登録される仕組みだ。

15分経って自転車が移動されなければ、見回りスタッフが別の市職員に撤去依頼を送信。その後、職員側でもデータベースで事実確認をしたあと、撤去許可を出す。

同市は、実験の結果、数年以内のシステム導入を目指すことにしたという。

数年経てば、新たな技術も出てきている可能性は高いが、駐輪場を増やす以外にも、こうしたITを活用した取り組み案は、もっと出てきてもいいのではないだろうか。国のデジタル人材育成案が実を結び、こうした対策を臨機応変に打っていける世の中になる日が待ち遠しい。

【関連リンク】

・放置自転車ワースト返上へ 名古屋市、IT活用を検討(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF203RO0Q1A420C2000000/

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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