ニュース 2021.04.17 日銀発行の「中央銀行デジタル通貨」実証実験スタート
国際決済銀行(BIS)が世界65カ国の中央銀行に対して行った、デジタル通貨に関する調査の最新版(2020年分)によると、2020年も多くの中央銀行で、デジタル通貨の調査研究が進められ、その6割が実証実験へ進んでいるという。
日本銀行も、4月5日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始したことを発表した。
日本銀行は、2020年に欧米の中央銀行とともに中央銀行デジタル通貨の導入準備を始めているが、発行予定はまだない。
今回の実証実験は、実験用システム上で、発行、送金、流通といった基本的な決済機能の検証を行う。期間は、2022年3月までを想定している。
デジタル通貨、バハマとカンボジアは昨年秋に運用開始
中央銀行が発行するデジタル通貨は、米国、欧州、中国などで研究が進んでいるが、バハマとカンボジアでは、2020年10月にすでに運用を開始。来年には、中国とスウェーデンでも導入予定があるという。
バハマやカンボジアでは、銀行の撤退などにより、国民が金融サービスを受けにくい状況にある。
デジタル通貨が使えるようになれば、銀行口座がなくても、スマートフォンのアプリを介して買い物などができるようになり、誰でも平等に金融サービスを受けられる社会に一歩近づくことができる。
東カリブ中央銀行(ECCB)も、デジタル通貨の発行を試験的に始めたことを発表しており、ロイター通信によれば、2025年までに、現金の利用が半減になるよう目指すという。
既存のキャッシュレス決済事業との関係など、解決が必要な課題もあるが、現金からデジタル決済への流れは加速しているようだ。
【関連リンク】
・日銀が実験スタート よく分かる「デジタル通貨」(日本経済新聞)
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/digital-currency/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock
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