ニュース 2021.04.15 メールよりビジネスチャットのスピード時代でも、謝罪は個別の電話対応
ビジネスのコミュニケーションツールとして、メールの代わりに、ビジネスチャットを導入している企業も少なくない。
プロジェクトやテーマごとにグループ分けできるので、一つのチャットグループで共有する内容はシンプルになる。コミュニケーションに抜けも無くなり、使い方次第で、ビジネススピードを格段に向上させることが可能だ。
代表的なものでは、世界にユーザーをもつ「Slack」、日本生まれの「Chatwork」、そして、ビジネス版LINEの「LINE WORKS」などがよく知られているところだろう。
こうした中、3月24日、富士薬品が「LINE WORKS」で誤操作をしたために、顧客160名に謝罪をする事態になったことを報告した。
顧客ごとにトークルームを作成するつもりが、顧客160名をまとめて一つのルームに登録してしまったというのだ。
このトークルームに参加した人たちは、ニックネームなどの情報を、相互に閲覧できる状態になった。
LINE WORKSトークルームに、削除機能なし
同社は、LINE WORKSを開発するワークスモバイルジャパンに問い合わせ、トークルームの削除方法を確認したが、削除機能は提供されていないことが分かった。
そのため、160名の顧客すべてに電話で個別連絡をし、事情を説明し、トークルームから退出するよう案内し、最終的には、書面で経緯の説明や謝罪なども行うとした。
顧客とのコミュニケーションにおいて、関係のない情報が共有されてしまうリスクは避けなければならない。しかし、だからこそ、ミスを修正できる機能は必須ではないだろうか。特に、簡単に使い始められる手軽なツールであれば尚更、気軽に行動できる分だけミスも増える可能性もある。
LINE WORKSのトークルームに、なぜ削除機能がないのか不明だが、こうしたミスを想定した、修正機能は用意してほしいところだ。
【関連リンク】
・LINE WORKSで複数顧客参加のトークルームを誤作成、削除できず - 富士薬品(Security NEXT)
https://www.security-next.com/124607
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock