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柏崎原発のセキュリティ対策は車座ミーティングで解決できるか

ニュース 2021.03.20 新潟柏崎原発のセキュリティ課題は、ゆるむ組織体制

他人のIDカードを使って不正侵入することが可能であった、という物理的な「セキュリティ対策」についての課題は、今後、生体認証などを導入することなどで対策は可能になっていく。

しかし、セキュリティ対策において、物理的対策以上に重要な課題は、社会における自社組織の存在意義の把握や経営陣の責任意識の有無ではないだろうか。

東京電力ホールディングスは、3月10日、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所において、昨年9月におきた中央制御室への不正入室問題についての原因分析結果をまとめ、原子力規制委員会に報告した。

原発セキュリティに車座ミーティングは有効か

問題は、社員が、休暇中だった別の社員のIDカードを使って不正入室した事案。

原因分析で挙げられたのは3点で、そのうちの一つは、従業員が把握しておくべき知識の不足だった。原発の危険性、セキュリティーの重要性、具体的防護手段など、原発運用に欠かせない一連の知識が不足していたという。

従業員に知識がないのは、経営陣からの教育が不足しているからとも考えられる。

また、別の原因として「厳格な警備業務をしがたい風土」があったことを挙げている。従業員が通してくれといえば通さざるを得ない雰囲気があったという。

気になるのは、その再発防止策だ。「本人認証装置の追加」や警備業務担当の「特別管理職を新たに配置」、原発幹部と所員が対話する「車座ミーティング」の実施など、いずれも表面的な解決策に見えてしまう。

「厳格な警備業務をしがたい風土」があるような組織のままで、車座ミーティングがどれほどの効果をもたらすのかは、大いに不安であり、対策強化の経過報告などは、今後も気にしていきたい。

【関連リンク】

・東電「厳格な警備 できぬ風土」柏崎原発不正入室で原因分析(新潟日報)
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20210311603448.html

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

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