Sony
Sony
東電は原発中央制御室不正出入りを報告せず

ニュース 2021.02.10 東電、他人IDでの原発中央制御室不正出入りを報告せず

東京電力ホールディングスの職員が、昨年9月、他の所員のIDカードを使い、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の中央制御室に不正に入っていたことが、1月23日に明らかになった。

この所員は、自分のカードを所持しておらず、休暇中だった同僚のカードを無断で持ち出し、制御室に入った。東電では、社内でこの事実が判明した直後、原子炉等規制法に基づき「核物質防護規定」に違反した可能性があるとして、原子力規制委員会に報告したという。

しかし、同委員会の更田豊志委員長は、1月27日の記者会見で、事務方から報告を受けていなかったことを明らかにしたうえで、東電から連絡を受けた規制庁は、緊急報告案件ではなく、四半期ごとの報告の中で伝えればいいものと判断していたとした。

4月再稼働にむけた安全対策工事、虚偽報告も判明

中央制御室は、原子炉建屋のそばに位置し、原発の運転を制御する重要施設。

通常時は、コンピューターによって一連の作業を自動的に実施しており、専門の訓練を受けた運転員が1日24時間、3交代で勤務しながら、異常がないか確認するという。

このような重要な施設に、IDカードの貸し借りだけで、不正に出入りできてしまうという事実は、重い。

また、現在、柏崎刈羽原発7号機は2021年4月の再稼働にむけて準備が進んでいる段階だが、東京電力は、「安全対策工事は1月12日に終了したとしていたが、実際には、一部終わっていなかったことが判明した」として、1月27日に陳謝している。

続々と判明する報告体制の不備は、セキュリティ対策や安全面に対して大きな不安材料となり、組織への不信感も募る。

再稼働にむけての次の焦点は、地元の同意が得られるかどうかだが、記者会見に出席した議員は、「原子力事業者としての適格性が問われる」と発言したという。

【関連リンク】

・「Chrome 88」公開 拡張機能の仕様変更でセキュリティやパフォーマンスを向上(ITmedia)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2101/20/news159.html

TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock

あなたの大切なパソコン・スマホを守ります!
世界が認める総合ウイルス対策ソフト

カスペルスキー

この記事を気にいったらいいね!しよう

セキュリティ通信の最新の話題をお届けします。

ページトップ