ニュース 2020.09.27 ネットバンキングの不正送金被害、第2四半期も増加
一般社団法人全国銀行協会は9月7日、「インターネット・バンキング」や「盗難通帳」「盗難・偽装キャッシュカード」による預金等の払い戻し及び、口座不正利用に関するアンケート結果を発表した。
調査項目の中でも2020年第2四半期(4月〜6月)におけるインターネット・バンキングによる預金等の払い戻しの被害は件数、被害額でいずれも前四半期(1月〜3月)より増加。個人口座の被害が今までと同様被害全体の多くを占めた。
これらのアンケート調査は四半期ごとに同協会の正・準・特例会員191行に対して行われており、今回は2020年6月末に行われたもの。
同四半期のインターネット・バンキングの預金等の払い戻しの被害は385件あり、被害額は2億3400万円であった。前四半期には被害が293件で被害額は1億4100万円であり、被害件数・被害額共に増加している。
被害の内訳としては個人顧客の被害が372件で2億1700万円と大きな割合を占めており、個人を狙った攻撃は2019年度に増加して以後高い水準で推移している。
法人の不正送金被害は大きく増加
法人における預金の不正な払い戻しの被害は13件、1700万円であり、前四半期の3件、1100万円と比べると大きく増加している。被害件数が10件を超えたのは2017年第3四半期以降久々のこととなり注意が必要だ。
インターネット・バンキングの不正払い戻しを防ぐためにもメールやSMS(ショートメッセージ)などから誘導されるサイトを利用するのではなく、ブックマークに登録している正規サイトや公式アプリからの利用を心掛けたい。
さらに、自分の口座の取引履歴を定期的に確認し、身に覚えのない取引がないか調べることも重要である。
【関連リンク】
・盗難通帳、インターネット・バンキング、盗難・偽造キャッシュカードによる預金等の不正払戻し件数・金額等に関するアンケート結果および口座不正利用に関するアンケート結果について(全国銀行協会)
https://www.zenginkyo.or.jp/news/2020/n090701/
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock