ニュース 2020.08.23 2020年上半期のサイバー攻撃トレンドが明らかに
インターネットに関連したセキュリティ製品の製造を手がけるチェックポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社は8月3日、「サイバー攻撃トレンド2020年中間レポート」を発表した。
2020年上半期においては、新型コロナウイルスの世界的流行に便乗してサイバー犯罪者たちによる各国政府や医療機関、重要インフラなどを標的にしたサイバー攻撃が急増した。
同レポートは2020年1月〜6月の期間に同社製品のThreatCloud脅威インテリジェンスから抽出したデータに基づき、サイバー攻撃者が企業の攻撃に使用している主な手口を取りまとめたもの。
同レポートによると、新型コロナウイルス感染症に関するフィッシングやマルウェア攻撃が週5,000件未満で推移していた2月に比べ、4月下旬には週20万件超に急増したとのこと。
各国がロックダウンの緩和を開始してからは、新型コロナウイルス感染症以外のサイバー攻撃も増加し、6月末には全世界であらゆる種類のサイバー攻撃が3月〜4月までと比較して34%増加したという。
サイバー戦争の激化やランサムウェアの巧妙化も
同レポートで明らかになった2020年上半期の主な動向としては「サイバー戦争の激化」があり、他国の新型コロナウイルスに関する情報を盗むべく国家主導のサイバー攻撃が激しさを増し、WHOや医療機関までにも攻撃が行われた状況が解説されている。
他には「脅迫攻撃の巧妙化」として、感染するとデータを暗号化する前に情報を抜き取り、要求された金額の支払いを拒否するとデータを流出すると脅迫する新しいタイプのランサムウェアが増えているという。
レポート内では上記以外にも「モバイル端末を狙った攻撃」や「クラウドサービスを狙った攻撃」についても取り上げられている。
同社の製品部門で脅威情報・リサーチ担当ディレクターを務めるマヤ・ホロウィッツ氏は「上半期のサイバー攻撃で高い脆弱性や攻撃ベクトル(システムへの侵入に使用される方法)が新たに出現し、あらゆる組織のセキュリティを脅かしている。組織のセキュリティ担当者は進化する脅威を警戒し、2020年後半は最高レベルの保護対策を確保していかなければいけない」と述べている。
【関連リンク】
・CYBER ATTACK TRENDS: 2020 MID-YEAR REPORT(CHECK POINT RESEARCH)
https://research.checkpoint.com/2020/cyber-attack-trends-2020-mid-year-report/
・「サイバー攻撃トレンド2020年中間レポート」を発表(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000021207.html
TEXT:セキュリティ通信 編集部
PHOTO:iStock